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2026年5月14日 16:00

抗老化の最新研究 カギは『ニンニク抽出成分』と『脂肪』 老化は避けられるのか?

抗老化の最新研究 カギは『ニンニク抽出成分』と『脂肪』 老化は避けられるのか?
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老化を遅らせる、抗老化の仕組みについて、最新の研究が発表されました。

抗老化のカギは『ニンニクから抽出された成分』と体の『脂肪』だといいます。

これらがなぜ重要なのか、みていきます。

■人はなぜ老化する?引き金は『NAD』物質の減少

そもそも老化とは、加齢に伴って、肉体や臓器、脳などの機能が低下することです。
例えば、
・耳が遠くなる
・関節が痛む
・認知機能の低下   
などが挙げられます。

アメリカ・ワシントン大学の卓越教授で、抗老化の研究を行っている今井眞一郎さんによると、その老化の引き金となるのが、NAD(エヌ・エー・ディー)と呼ばれる、すべての生物の細胞内に存在する、生命の維持に欠かせない物質が、年齢とともに減少するためだということです。

年齢とNADの関係を見てみると、中年期ごろから、NADの量が体に変化が生じる基準値を下回っています。

今井さんによると、
「NADを体内で減らさないようにすることが老化を遅らせるカギ」だということです。

ただ、NADは経口摂取すると腸内細菌に分解されてしまい、取り込まれにくい、という性質があります。そのため、体内でNADに変わる、NMN(エヌ・エム・エヌ)という物質が注目され、多くの研究が行われました。

今井さんのたちの研究グループもNMNを研究しています。

55歳から75歳までの糖尿病予備軍で、閉経後の女性をNMNと、偽薬を飲むグループに分けました。
その結果、NMNを10週間摂取した女性たちは治療に重要な血糖値を下げる、インスリンの効きが良くなりました。
平均で25%改善した、ということです。
また、筋肉を再構築する働きも高まりました。

今井さんです。
「これまでは研究者の間でNADを減らさない方法が盛んに研究されてきた。だが、今回研究で、新たなNADを増やす方法が見つかった
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■最新研究 抗老化のカギは『ニンニク抽出成分』

今回わかった研究内容です。

抗老化のカギ、1つ目は、ニンニクから抽出した液体を熟成させた成分『S1PC(エス・ワン・ピー・シー)』です。
これが抗老化に大きな役割を果たしているということです。

『S1PC』を使ったマウスの実験についてです。

実験では、通常飼育した高齢のマウスと、S1PCを約8カ月与えた高齢マウス、それぞれ11匹を比較しました。
人間でいうと約60代半ばに相当すると考えられる高齢のマウス、だということです。

S1PCを与えたマウスのほとんどは、通常のマウスに比べ、毛並みがツヤツヤでフサフサ、黒々としていて、高齢になると固くなりがちな尻尾も、柔らかく保たれていた、ということです。
さらに、見た目だけでなく、筋力の発揮能力が向上し、体温も若いころに近い状態に回復したことが確認されました。

抗老化の仕組みです。

1、まず体内にS1PCが入ると、脂肪組織内の、重要な酵素Aに働きかけをします。

2、すると 、酵素Aは脂肪細胞の中から『抗老化酵素』が血中へ分泌するのを促進します。

3、さらに、分泌された『抗老化酵素』が脳の視床下部に到達すると、視床下部で『NAD」が作り出されます。

4、そして『NAD』が増えると、脳から骨格筋へ向かう交感神経の活動が活発になり、加齢による筋力低下が改善します。

さらに実験では、『S1PC』とNMNを同時に取り入れることで、血中の『抗老化酵素』の分泌がさらに増強されることもわかりました。

■「小太りくらいがちょうどいい」?抗老化と脂肪の関係

今回の研究でわかった抗老化のカギ、2つ目です。

『S1PC』を摂取して、抗老化酵素を増やすには、ある程度の脂肪が必要、だということです。

『ヒトでの臨床試験』です。

20歳から49歳の男女40人を、偽薬を摂取するグループと、『S1PC』を摂取するグループに分け、2時間後の血中の抗老化酵素の量を測定しました。

結果です。

肥満度を表す指標BMIと血中の抗老化酵素の量を示すグラフからは、一定の相関関係がみられ、ある程度の脂肪量があると、血中の抗老化酵素の量が多いことがわかりました。

脂肪の重要性は、これまでも指摘されてきました。

BMIは、体重÷身長の2乗で計算され、標準的なBMIは22とされています。
BMIと死亡リスクの関係です。
BMIが30を超えるような太りすぎの人だけでなく、やせすぎている人も死亡リスクが高いことがわかります。
最も死亡率が低いのは、
男性では標準BMI22よりも少し上の25〜26.9
女性も標準より少し上の23〜24.9となっています。

今井さんです。
「今回の研究がこれまで統計的にはわかっていた脂肪の量と死亡リスクの関係を裏付けることになった。脂肪がNAD維持に重要な働きをしているので、老化を遅らせるには“小太り”くらいがちょうどいい
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■老化は避けられるのか?脳と臓器『相互ループ』とは

老化は避けられないものなのでしょうか。

脳と臓器の、情報伝達についてです。

これまで情報は、脳から臓器への一方通行だと思われてきました。
しかし、近年の研究では、臓器から脳へもメッセージが送られていて、脳からの信号を受けた筋肉や脂肪が脳に信号を返し、相互ループしていることがわかってきました。

この相互ループが、臓器間コミュニケーションといわれています。

脳の奥にある『視床下部』から交感神経系で筋肉に信号を送ります。
筋肉はホルモン物質つくり、血液から脳に送られます。
そして今回の研究では、脳から脂肪に信号を送り、脂肪からは抗老化酵素が、血液から視床下部に送られ、NADが合成されます。
脳がNADを維持し、老化をコントロールしていることがわかってきました。
他にも小腸などが、相互ループしているということです。

最近の研究です。

今井さんによると、脳と臓器の相互ループが、複数存在することがわかってきました。
複数の相互ループを組み合わせて臓器間コミュニケーションを管理(マネージメント)し、健全な相互作用を保つことで、老化を遅らせるなどコントロールできる可能性もあるということです。

老化は避けられるのでしょうか。

今井さんです。
「現時点では老化をなくしたり、若返りを図ったりといった不老不死の実現はできていない
ただ、
「老化・寿命 研究は秒進分歩。臓器間コミュニケーションを高めて、NADを維持する研究が進み、健康寿命を延ばせる可能性はある。死ぬ直前まで健康を保って人生を楽しみ、社会に貢献し続けながら年を重ねること、つまり『ピンピンコロリ』を実現できる時代が近付きつつある」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年5月14日放送分より)

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