全国の落とし物が、初めて3000万点を超え、過去最多となりました。
人はどんなものを、どこに忘れるのでしょうか。
令和の落とし物事情を見ていきます。
■過去最多の落とし物 背景に“小型化”?昭和と令和の違い
東京都の落とし物の取り扱い状況です。
落とし物の件数は年々増加していて、2025年は約454万件。
初めて450万件を超えました。
落とし物として届けられた現金は約45億円。
件数・金額ともに過去最多です。
増加傾向にあるのが、ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリー、携帯扇風機など、小型の電子機器です。
全国の落とし物の物品数は、2024年初めて3000万点を超えました。
1日平均では8万5000点です。
「電子機器の“小型化”は影響が大きい。イヤホンは有線なら落としにくいが、ワイヤレスは落としやすい。また免許証のほかにマイナンバーカードも出てきたり、持ち物の数が増えたことも影響」
今と昔では、落とし物にも違いがあります。
2025年、最も多かった落とし物は、『証明書類』で、
2位は、『交通系ICカードなどの有価証券類』、
以下、『衣類・履物類』『電気製品類』『財布類』と続いています。
一方、いまから67年前の1959年、昭和34年の落とし物です。
この年は、当時皇太子だった上皇さまと美智子さまの結婚の儀が執り行われました。
最も多かった落とし物は『傘』で、
2位は『ふろしき』、
3位は『衣類』、
4位は『帽子』、
5位は『万年筆』
となっていました。
■駅に意外な落とし物 遺影 ワニのはく製 ウエディングドレス
街で落とし物について聞きました。
「酔っぱらって電車に携帯2回、カギを3回落として戻ってこなかった。あまりお酒を飲まないように気を付けている」
「高校生の娘が駅によく弁当箱や水筒を忘れて、帰宅してから無いと気づく。8割ぐらい見つからない」
「スーパーでカギや身分証、現金10万円を入れた袋をショッピングカートにかけたまま帰ってしまった。見つかった時はほっとした」
「傘は買うたびに無くしていて、今まで30本ぐらいは無くしている。傘は使い捨てと思っている」
6月に多い忘れ物が『傘』です。
年間推定328万本。
利用者側の経済的損失は、年間最大66億円規模です。
さらに、60代の自営業の男性のケースです。
母の七回忌法要で遺影を東京から神戸に持って行きましたが、親戚と酒を飲んだ後、帰りの新幹線に置き忘れました。
帰宅後、娘から「ばあちゃんの遺影は?」と言われて気づきました。
「一瞬で酔いがさめた。翌日JRに連絡し、無事に回収できた。担当者は、遺影・位牌・遺骨の忘れ物は結構あると言っていた。おふくろ ごめんね」
鉄道会社によると、駅に届いた落とし物にはこんなものもあったそうです。
『ワニのはく製』です。
むき出しの状態で網棚に置かれていましたが、持ち主は現れませんでした。
さらに、ウェディングドレスがトイレに置き忘れられていました。
結婚式ムービーの撮影で使ったのでしょうか。
持ち主は現れませんでした。
中央大学の檀教授のケースです。
2026年4月、出張先のホテルの部屋にパソコンを置き忘れました。
帰りの新幹線に乗る直前、ホームで気が付き、乗車をとりやめました。
再び宿泊していたホテルに戻り、パソコンは無事に手元に戻ってきました。
それ以降、壇教授がとった忘れ物対策です。
他人に見られたら“少し恥ずかしいシール”をパソコンに貼ることにした、ということです。
■落とし物返ってくる日本 外国人感動!一方で迷惑ケースも
日本は落とし物が返ってくる国だと外国人が驚いています。
台湾から旅行に来たジャックさんです。
電車の網棚に、パスポートや現金が入ったリュックを置き忘れました。
ホテルで気付き、駅のサービスカウンターに届け出をしました。
約3時間後、駅のサービスカウンターでリュックが返却されました。
「無くした時は本当に焦って泣きそうだった。どなたが拾ってくださったのかわからないが、心からほっとした。日本の遺失物対応の仕組みはとても素晴らしい」と話しています。
日本に住むロシア人女性です。
駅のベンチにパスポートが入ったかばんを置き忘れました。
別の日には、コンビニのレジ前の荷物台に携帯を置き忘れました。
「どちらも返ってきたがパスポートは悪用されることもあり焦った。コンビニは必ず店員さんが気付いて持ってきてくれる。そんなこと海外ではありえない」
宮崎の警察署では、落とし物の中に、こんなものがありました。
ベビーカーや壊れた楽器などです。
「所有者が不要になったものを意図的に放置し、結果的に『落とし物』として処理されている可能性もある」ということです。
空港です。
「(爆発物などの有無の確認で)対応に数時間かかり、拾得物の保管庫もいっぱい。放置は絶対にやめてほしい」ということです。
■若い人ほど落とし物をする?“ながら行動”が背景に
なぜ落とし物をしてしまうのでしょう。
中央大学の檀教授によると、落とし物の主な原因は、心理学における『展望的記憶の失敗』です。
展望的記憶とは、「後で何かをしよう」という、未来に向けた記憶です。
例えば、電車を降りる時に網棚のバッグを持とうと思っていても、降りる瞬間には思い出せない、というのが、展望的記憶の失敗です。
なぜ思い出せないのでしょうか。
檀教授によると、スマホの普及により、複数のことを同時に行う“ながら行動”が増え、脳のワーキングメモリ(一時的な記憶)が圧迫され、他の持ち物への注意が散漫になっているといいます。
落とし物を年代別で見ると、この1年間に外出先で落とし物をした人は、20代は47.3%と約半数であるのに対し、50代は33.2%、60代は28.2%と3割ほどです。
若年層ほど落とし物をする傾向が顕著だといえます。
■落とし物 あきらめる前にAIで検索 最新対策グッズも
落とし物を見つける無料のサービスがあります。
『落とし物クラウドfind』です。
鉄道会社や主要な空港、商業施設など、国内45社以上、約4500施設が導入しています。
サービス開始から3年で落とし物の累計返却数は150万件です。
使い方は、専用サイトに、落とした日時や場所、落とし物の画像や特徴を登録します。
すると、AIが連携する全データベースから落とし物を検索して、回答します。
最新の『落とし物』対策グッズもあります。
カード型紛失防止トラッカーや、スマートサーチタグなどをつけておけば、落とし物をしてもパソコンやスマホで位置を確認できます。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年6月11日放送分より)
















