厚生労働省は、転倒などの死者が1万人を超え、交通事故による死者の3.6倍だったと公表しました。
特に高齢者は注意が必要で、たった1度の転倒で、『寝たきり』になる恐れもあります。
気をつけなければいけない場所や対策について、見ていきます。
■『転倒』死亡数は交通事故の約3.6倍 屋内の危険ポイント
厚労省の、2025年の人口動態統計です。
転倒・転落などで死亡した人は、1万1945人。
交通事故による死亡数の約3.6倍です。
転倒事故は高齢になるにつれ、割合が増していきます。
転倒にまつわる話を、街で聞きました。
屋内での転倒です。
「以前、姑が家の畳のへりにつまずいて転び、腰を骨折。寝たきりになるかもと言われたが、手術して何とか助かった」
「お風呂で浴槽から急いで出ようとしたときに足が滑り、踏み外して転倒。あばらを打ち、1週間痛かった」と話しています。
外出先です。
「雨の日に駅の階段で滑り、上から下までお尻から落っこちた。幸い、むち打ちで済んだが、2、3日入院した」
「最近、空港を歩いていた時、くつ裏が床に引っかかり、前のめりに転んだ。両手が空いていたので、受け身をとることができ、けがをせずに済んだ」ということです。
高齢者が転びやすくなる主な要因です。
『筋力の衰え』
『平衡感覚の低下』
『視力・視認性の低下』
『病気・薬の副作用によるふらつき』
などです。
転倒事故は日常生活でも。
高齢者の日常生活における事故では、84%が転倒事故です。
転倒事故の発生場所は、57%が居住場所です。
特に気をつけなければいけない場所です。
自宅のリビングです。
危険が潜んでいるは、
1、コードの配線、
2、カーペットの端、
3、床の上の小物類です。
続いて、自宅の廊下や階段です。
4、滑りやすいスリッパや靴下、
5、会談や床に置いたもの、
6、暗くて足元が見えづらい、
といったことに注意です。
■高齢者の転倒 骨折 寝たきりも 頭ぶつけ認知機能低下
実際にあったケースを見ていきます。
1つ目は、『骨折』です。
80代の女性のケースです。
杖をつき、荷物を持ってバスに乗車しました。
車内の移動に時間がかかり、席に座る前にバスが発車。
転倒して大腿骨を骨折しました。
「高齢者が転倒して骨折するケースでは、大腿骨や腰椎の骨折が非常に多い。ひどい場合は寝たきりになることも」
こんな研究データもあります。
東京大学の研究チームが、太ももの付け根=大腿骨近位部を骨折した、平均年齢82.3歳の、480人を追跡調査しました。
1年後の期待生存率はそれほど変わりませんが、骨折した人の5年後の生存率は約40%。
同年代の骨折していない人は約60%なので、大きな差が出ました。
2つ目は、『認知機能の低下』。
70代の男性のケースです。
自宅の玄関先で転倒し、後頭部を“コツン”とぶつけました。
当初は特に症状はありませんでした。
しかし1〜2カ月後、体調に違和感が。
医療機関を受診すると、CT検査の結果、『慢性硬膜下血腫』と診断されました。
血腫で脳が圧迫され、認知機能が低下していたということです。
こんな研究データもあります。
アメリカの研究グループが、2014年から2015年に外傷を負った66歳以上の245万人以上を追跡調査しました。
1年以内に認知症と診断された人で、転倒が原因だったのは10.6%。
転倒以外が原因の6.1%を上回りました。
■自宅でできる対策 転倒防ぐカギ『足の握力』鍛え方は?
転倒を防止するための対策です。
1つ目、階段には滑り止めシートを貼るのがおすすめです。
滑り止め効果のほか、階段と床の色を変えることで、階段の始まり・終わりを視認しやすくなり、踏み外し防止につながります。
対策2つ目、カーペットは一部分だけに敷かないでください。
カーペットのめくれや、小さな段差は転倒のもとです。
床に段差をつくらないよう、部屋全体に隙間なく、敷き詰めてください。
対策3つ目、かかとのある室内履きを履くのもいいそうです。
かかとのないスリッパは滑りやすく脱げやすいため、室内履きは足の形にフィットしやすいマジックテープタイプや、かかとが固定されているものを選んでください。
転倒防止のカギは『足の握力』です。
足の握力とは、足の指を曲げたときに発揮する力です。
あくまでも目安ですが、足の指を曲げたとき、写真左のような状態だったら、1.5kg。
写真中央のように曲がったら、12.5kg。
指を写真左のように丸められるようであれば、27.5kg。
足の握力が強いほど、指の可動性や筋力が高い、ということです。
足の握力は年齢とともに弱くなっていて、女性は40代ごろから、男性は50代ごろから著しく低下し、70代は、男性が10kgほど、女性は10kg以下まで低下します。
転倒した人は、転倒しなかった人に比べて、約21%足の握力が弱い、というデータもあります。
出演者も、足の握力を測ってみました。
20代女性の標準値は10.4kgですが、松岡アナは、14.8kg。
30代男性の標準値は17.1kgですが、結城東輝さんは、36.7kg。
50代男性の標準値は14.4kgですが、羽鳥アナは、14.4kg。
60代の標準値は12.0kgですが、玉川徹さんは、28.5kgでした。
足の握力が低下する原因です。
「幼少期からの運動習慣やハイヒール、革靴など、足の指を使いにくい環境での生活が続くと握力が低下しやすい。習慣の見直しやトレーニングなどで対策することが大切」
瓜谷教授おすすめのトレーニングです。
1つ目、グー・チョキ・パー体操です。
足でジャンケンの動作を行います。
難しい場合は、手で補助しながら動かすだけでも効果があります。
1セットにつき、片足10回ずつ、1日2、3セット行ってください。
2つ目、タオルギャザーです。
長めのタオルを床に敷きます。
手前にかかとを置き、タオルを足の指で手繰り寄せます。
1セットにつき10回から15回を、1日2、3セット行ってください。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年6月18日放送分より)














