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2026年6月24日 16:00

身寄りない高齢者 入院・葬儀を福祉対象に 支援強化も現場困惑「人手足りない」

身寄りない高齢者 入院・葬儀を福祉対象に 支援強化も現場困惑「人手足りない」
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身寄りのない高齢者への支援強化を盛り込んだ、改正社会福祉法などが参院本会議で可決、成立しました。

一人暮らしの高齢者が増えています。
そうした方たちの支援を手厚くする動きが進む一方、支え手の“人手が足りない”という深刻な課題があります。

■高齢者の一人暮らし増加「一人の時に倒れたら不安」

65歳以上の一人暮らしの推移です。

2005年には約385万人でしたが、2025年には、約815万人、2045年には約1075万人となる見込みで、65歳以上の約4人に1人が一人暮らしとなる予測です。

福岡市在住の70代女性です。
マンション住まいで、これまで結婚はせず一人暮らしです。
妹には週1回、めいには月数回会っていますが、マンション内での近所付き合いはありません

70代女性です。
「もし一人の時に倒れてしまったらと思うと不安。結婚しない道を選んだのは私自身なので、なんとか親族の手を煩わせないように生きていきたい」

一人暮らしの高齢者の男女別にみた割合です。

65歳以上の一人暮らしの男女別の内訳をみてみますと、一人暮らしの高齢男性では、一度も結婚したことがない『未婚』の割合が高く、2025年では37.7%ですが、10年後には48.7%となり、2人に1人が『未婚』となる見込みです。

一方、女性では、『死別』の割合が高く、2025年は、一人暮らしの高齢女性の約7割が『死別』となっています。
また2024年には、65歳以上がいる世帯で『一人暮らし』が32.7%となり、『夫婦のみの世帯』の31.8%を上回り、最多となりました。

■法改正 身寄りない高齢者 入院・葬儀 支援を強化

6月19日、参議院本会議で、頼れる身寄りがいない高齢者への支援を盛り込んだ『改正社会福祉法』などが可決され成立しました。

法改正によって見直される主な内容です。

現行では、認知症など『判断能力が不十分な人』を対象に、福祉サービスの利用援助や日常の金銭管理サービスなどの『日常生活支援』が無料または低額で提供されています。

法改正後には、『頼れる身寄りがいない高齢者』も対象となり、『日常生活支援』に加えて、『入院・入所の手続き支援』や葬儀や納骨などの『死後事務』が支援されます。
支払いが困難な高齢者については、要件を設けたうえで、無料もしくは低額で支援を受けられるようにする方針です。

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■高齢者支える福祉協議会「人手がない」切実な実情

高齢者を支える側への影響です。

厚労省は、『都道府県社会福祉協議会』に取り組みを義務付け、具体的な業務は委託を受けた『市区町村社会福祉協議会』が担うことを想定、2028年6月までの開始を目指します。

社会福祉協議会とは、地域福祉の推進を図ることを目的として、それぞれの都道府県・市町村に約2000カ所設置されている営利を目的としない民間組織です。
地域住民、行政、医療機関、保健所などで構成されていて、訪問介護や配食サービスなど福祉サービスの提供、生活困窮者への相談支援などを行っています。

社会福祉法改正で社会福祉協議会の支援範囲拡大し、負担の増加が見込まれますが、すでに人手不足の現状があります。
社会福祉協議福祉会が行っている認知症の人たちが対象の支援事業に関するアンケート調査(2024年度)では、5割の職員が、「支援員が足りない」と回答していて、現状、人手不足などにより、約2800人がサービスを受けたいのに受けられない待機者となっています。

人手不足を現しているのが、文京区社会福祉協議会が運営している、『文京ユアストーリー』の例です。

こちらは身寄りのない高齢者を支援する組織で、契約者は33人で、その人たちに職員2人で対応しています。
職員の仕事は、葬儀・埋葬や家財処分の生前契約や3カ月に1度の家庭訪問。
他に、病院の入退院時の付き添い、緊急時の諸経費の支払い(利用者の預託金から)、入院時の緊急連絡先の指定などがあります。
忙しいときは1日で複数の病院をはしごしたり、契約者の自宅に行くこともあるといいます。

文京区社会福祉協議会の担当者は、
「今の仕組みのまま体制が強化されずに 支援の対象が増えると、受け止めきれない。人員の確保に必要な財政支援などを求めていきたい」と話します。
法改正後、社会福祉協議会の体制の確保について、厚労省は、
「サービスの利用料収入に加え、公的な支援を含めて必要な対応を検討する」としています。

さらに、サービス提供体制の確保に向け、民間企業の参入を促すとしています。

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■訪問介護 職員不足 基準緩和も『質の低下』懸念の声

介護施設の現場も人手不足です。

奈良県吉野町にある訪問介護ステーション柳光は職員が6人、そのうち2人が常勤で、利用者数は42人います。
付近の自治体に訪問介護施設が少ないため、4つの自治体にまたがって、サービスを行っています。

施設長の橋場さんは、
「求人募集を出しても人が集まらない」といいます。

職員の平均年齢は65歳以上、職員不足に加え、サービスを行う範囲が広いということで、地域や日時によっては、依頼を断ることもあるといいます。

施設長の橋場さんです。
「在宅介護が受けられない人を出してはいけないという思いで訪問介護を続けている。ヘルパーの確保は厳しく、地域の要望に応えられない状況はもどかしい

このような現状の中、6月19日、改正介護保険法が成立しました。

介護保険制度では、サービス提供に必要な人員や設備の基準を厚労省が定めており、訪問介護の場合、ホームヘルパーが常勤換算で2.5人以上いないと運営不可となっています。

改正介護保険法では、人口減少地域に限定し、より少ない人数で介護サービスを提供できるよう基準を緩和します。(どの程度緩和するかは今後検討)
そうなると、職員1人あたりの負担が増えることになります。
さらに、在宅サービスを介護保険の給付ではなく、市町村の事業として提供する仕組み導入も盛り込まれました。
自治体の予算により、地域差が出る可能性があります。

これに対し、病気を抱える人などから懸念の声が出ています。

公益社団法人『認知症の人と家族の会』は、改正によってサービスの質や保障に地域格差が生じる懸念を指摘していて、人員配置基準の緩和ではなく、安定的な人材確保施策を要望しています。

『日本障害者協議会』は、担い手不足は人員配置基準の緩和によって解決するはずもなく、地域間格差、介護・福祉の質の低下や虐待、現場職員の疲弊、介護・福祉職の離職などの加速が懸念されると表明しています。

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■増える『無縁遺体』自治体の負担大 減少へ官民の取り組み

引き取り手のない『無縁遺体』が自治体の負担となっています。

厚生労働省の2023年度の調査では、孤独死で身元がわからないなど、引き取り手がない『無縁遺体』が全国で約4万2000人いたということです。

神戸市では2025年度、無縁遺体が683人となっており、10年前に比べ、1.5倍以上となっています。

市の職員は、本籍地などから戸籍を取り寄せ、親族を探し、手紙や電話で、親族に引き取りの意思を確認します。

ただし、連絡がついても、「仲が悪かった」「費用が払えない」「連絡してきてほしくない」などと言われ、引き取りを拒否されるケースもあるといいます。

神戸市の担当者は、
平均して1日に2、3人の無縁遺体に対応する。数も増えてきていて、病院への連絡や警察とのやり取りなど業務量が多く、精神的負担も大きい」といいます。

この現状に対し、無縁遺体を減らすため、神戸市には支援制度があります。

神戸市が2024年から行っている『エンディングプラン・サポート事業』です。
身寄りがない、概ね65歳以上の市民に神戸市が、料金は38万円から葬祭事業者を紹介。 
葬儀・納骨の生前契約の際、市の職員が契約に立ち会い、履行を確認します。
現在31人が契約しています。

利用者の74歳男性で、未婚の方は、妹が遠方に住んでいるが、高齢のため頼りにくいということで、サービスに申し込みました。

男性は、
孤独死したらどうしようと思っていた。迷惑をかけなくて済みそうだし、ほっとしている」と話します。

民間の支援もあります。

身元保証サービス『あかり保証』では、買い物の支援、病院への付き添い、入院や施設入所の際の身元保証、死後の葬儀・納骨、遺品の整理を行います。

利用者の、妻と死別した83歳の男性は、離れて暮らす息子2人も疎遠になっているといいます。

男性は、
「75歳過ぎてから自分が亡くなってからのことがネックになり、不安になった。サービスを頼んで 面倒を見てくれるという安心感が出て、『まだまだこれから』という生きる勇気がわいてきた」と話します。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年6月24日放送分より)

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