奈良公園のシカが今、街に出て植え込みの草木を食べるなどの被害が相次いでいます。公園に連れ戻してもすぐ街に戻ってしまうということですが、一体何が起きているのでしょうか。
街中で植え込みパクリ
国の天然記念物にも指定されている奈良のシカ。目撃された場所は、住宅街です。しかも、歩いているだけではありません。
民家のすぐ外で、3頭のシカが草を食べています。
さらに別の場所でも街路樹の一部を食べつくし、至る場所で葉をむしゃむしゃ。街はシカであふれていました。
「けっこう頻繁に。見ない日はあまりないぐらい見る」
「びっくりした。4月に奈良に転勤になって来たが、最初来た時に、そんないるって話も聞いてなかった。(職場でも)『きょうシカがいた』という話は聞く。『線路にシカがいて(電車が)遅れて遅刻しました』みたいな」
本来、奈良公園周辺に生息し、観光客にシカせんべいをおねだりする光景はおなじみですが、今、街中で目撃が相次いでいます。
奈良公園からおよそ1キロ離れた住宅街では、住宅の庭に侵入し、草を食べ続けていました。近くに住む住民は被害を訴えます。
「糞(ふん)もあるし、植木も食べられてしまう。育たないとか、そういう被害はある」
住民は、もともとあったフェンスを自宅にあった竹刀などで補強し、高さを増したことでシカの侵入を防いでいるといいます。
「シカがフェンスを飛び越えて、プランターの野菜や花を食べちゃう。一応飛び越えられないようにしている。補強をやってからは食べられなくなった」
「もう、こっちに棲みついている感じ」
“奈良のシカ”急増 過去最多
さらに奈良公園から2キロ以上離れた会社近くでは、先月から連日、シカを見るといいます。
「今年は本当に今まで見かけなかった場所でも、見かけるようになった印象」
「奈良公園とは関係ない小さい子どもが遊ぶ公園に、毎朝十数頭、寝ているのかご飯食べているのか、今年はよく見かける」
トラブルも発生しています。
街にシカが多く出没することで、こんな事態も…。
「子どもが怖がる。通学路に出る。こういう話が多くなってきている。マンションの駐輪場で出産。団地の隅で出産している」
長年シカの保護活動をしている中西さん。去年からシカの頭数は増え続けているといいます。
奈良の鹿愛護会によると、およそ1300年前に神が白いシカとともに降り立ったとされ、古来から神の使いとして、シカを保護してきたといいます。
しかし餌(えさ)不足などが原因で、明治時代には38頭まで減少。その後、保護活動を強化したことで頭数は回復しましたが、近年は奈良公園にとどまらず、街にもシカがあふれかえる事態となっています。
増え続けるシカの頭数。原因は観光客にあるといいます。
奈良のシカは冬になると草や葉が減少し、一部は春まで生きられず頭数が抑えられていましたが、近年は観光客が栄養価の高い食べ物を与えることで、シカの生存率が高まっているといいます。
奈良の鹿愛護会は、街にいるシカを誘導し、奈良公園に戻す「追い上げ」を去年から行っています。しかし、再び街に戻ってきてしまう“いたちごっこ”が続いています。
(2026年7月6日放送分より)







