社会

ABEMA TIMES

2026年7月7日 06:45

「ギャンブルで8000万円」殺人・放火事件の共犯者を“口封じ生き埋め”殺害か…どうやって1人で埋めた?元刑事が推測 三原市男性生き埋め事件

「ギャンブルで8000万円」殺人・放火事件の共犯者を“口封じ生き埋め”殺害か…どうやって1人で埋めた?元刑事が推測 三原市男性生き埋め事件
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 放火殺人の共犯者とみられる幼なじみを生き埋めにして、殺害したとされる事件が発生した。

【映像】事件の相関図(顔写真あり)

 数々の凶悪事件を経験した捜査歴42年の元刑事、元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は「これまで捜査してきた事件の中でも1、2を争う凶悪な事件だ。共犯者を口封じのために殺害し、しかも生き埋めにするなど、さすがに聞いたことがない」と言う。

数カ月前に起きた“最初の殺人事件”

 生き埋めにされた遺体が見つかったのは、広島県三原市にある会社の敷地内で、4月29日のことだった。遺棄現場には「関係者以外立ち入り禁止」の張り紙がされていた。

 穴から遺体で見つかったのは徳田雅希さん(29)。死因は窒息死だった。3月9日に生きたまま埋められ、「口封じ」のために殺害されたとみられている。

 6月29日、強盗殺人の疑いで逮捕されたのは、広島市の無職・倉本幹太容疑者(29)。倉本容疑者は徳田さんと地元の幼なじみだった。徳田さんと倉本容疑者は、ある事件の共犯関係にあったとみられている。調べに対し倉本容疑者は、容疑を否認している。幼なじみ、生き埋め、そして口封じ…これらを繋げるものは一体何なのか。

 2月16日、生き埋め現場となった三原市から約40キロ離れた東広島市で、リフォーム会社を営む川本健一さん(49)が自宅で殺害された。首を刃物で複数回刺され、家も放火されている。

 警察や関係者の話によると、この日未明、川本さんと妻が2人で暮らす住宅に、刃物を持った男が突然現れ、「2階に上がれ」と脅してきたそうだ。その後、夫婦と男は揉みあいになり、男は灯油のようなものを撒いて火を放った。妻は隙を見て2階から飛び降りたという。

 川本さんは、首を複数回刺された状態で、住宅の裏手で見つかった。この事件に関与したとみられるのが、川本さんの会社の元従業員で義理の甥の倉本容疑者と、生き埋めで殺害されたとされる徳田さん。発見された場所は、三原市にある会社の敷地内だった。

 4月29日、警察が敷地を掘ったのは、徳田さんを捜すためではなかった。何かしらの証拠物があるだろうと捜索したところ、土の中から徳田さんの遺体が出てきたのだ。捜査関係者によると、徳田さんが最後に姿を見せたとされる日、現場までの防犯カメラには、ダンプで向かう2人の姿があったという。しかし帰りに映るのは、倉本容疑者ただ1人だった。

 警察は比較的早い段階で、徳田さんと倉本容疑者は、放火殺人の“共犯関係”にあるとみていた。事件直後、防犯カメラの解析などから、捜査線上に徳田さんが浮上したことを知った倉本容疑者は、自らの関与が発覚することを恐れ、“口封じ”のため徳田さんを殺害したというのが警察の見立てだ。

ギャンブル苦に詐欺・横領、3度の逮捕…なぜ幼なじみを?

 犯罪心理学者の出口保行氏は「支配欲が強いのは火を見るよりも明らか。そのときに主従関係のようなものを結んでいる。このときに発生しやすいのが、心理的な拘束や拘禁。マインドコントロールと同じように、相手に対してあらがえなくなる状況だ」と推測する。

 一連の経緯を振り返る。2026年2月に東広島市で川本さんの殺害・放火事件が発生。倉本容疑者は徳田さんが捜査線上に浮上したことを知り、3月9日に“口封じ”で生き埋めにしたとみられている。その後、徳田さんの遺体が発見され、倉本容疑者が強盗殺人の疑いで逮捕された。

 倉本容疑者の知人に話を聞くことができた。「倉本容疑者は私のひとつ上の学年で、別の中学校でしたが、目立っていて、いわゆる陽キャラのグループでした。徳田さんとは中学時代に仲良くなったと聞いていました。事件を聞いてビックリしました。倉本容疑者のグループと徳田さんのグループがつるんでいたことは地元でも有名でした」。

 そしてもう1つ、殺害にいたった動機とみられているのが、倉田容疑者が徳田さんから700万円の借金をしていたということ。2025年5月以降、ギャンブルであわせて8000万円ほど失っていた倉本容疑者は、川本さんの会社や取引先への詐欺や横領の容疑で、すでに3度逮捕されている。

 捜査関係者によると、オートレースや競輪につぎ込んだとみられる。元社員によると、倉本容疑者は営業から施工管理までを任され、金を管理する立場だった。川本さんは取引先などに「次の経営者にする」と話していたそうだ。

 そんな倉本容疑者は徳田さんを生き埋めにしたとみられている。なぜ幼なじみに対してここまでやれるのか。

「かなり自己中心的であることは間違いない。普通、被害者の殺害を目的にしているのであれば、生き埋めにするというまどろっこしいやり方はとらない。なのに今回生き埋めを本当にやったとしたら、相手に大きな苦痛や恐怖を与えることが一方で目的だったのだろう。相手を殺害するだけでなく、恐怖を与える、不安を与えること自体が自分のゆがんだ支配感を満足させていたと考えることはできる」(出口氏)

「謎しかない」どうやって“1人で生き埋め”?

 ここで疑問となるのが、生きたままの人間を1人でどうやって穴に埋めたのか。徳田さんの遺体が見つかった場所は、倉本容疑者が顔なじみの会社から整地作業の依頼を受けていた土地。ただ、工事に来ていたのは倉本容疑者と徳田さんの2人だけで、徳田さんは工事を手伝うために来ていたとみられている。

 近隣住民によると、その日、重機が何度も行き交い、大きな穴も掘られていたという。捜査関係者によれば、重機を使って徳田さんが穴にいるときに大量の土砂をかぶせたとみている。

 しかし、徳田さんをよく知る地元の知人達に接触すると、一様に「謎しかない」と口をそろえた。中学時代の同級生は「徳田はやんちゃで、中学3年生くらいの時からグレ始めていたと思います」、出入りするバーの店主は「ケンカっ早いやつでよくケンカしていた印象。ボコボコにされていることもあった記憶もある。生き埋めと報道では出ているが、タイマンで徳田が生き埋めにされる?徳田のことを知っている人間からしたら謎。ケンカ慣れはしているはず」と証言した。

 捜査関係者によると、遺体に外傷はなく、薬物も検出されていないとしている。ではどうしたのか。秋山氏は、警察が発表した文章に、そのヒントを見つけた。広島県警の発表に「同人(被害者)を土砂で埋めるなどし」との記述があり、この「など」に答えが隠されている可能性があると見る。

「警察が事件事案の説明で使う『など』は、犯人しか知りえない秘密の暴露が隠されている場合が多い。つまりその手口。例えば殴打した上で、ロープで縛るような行為が含まれている可能性も考えられる」

 倉本容疑者は、「私はしていません」と徳田さんに対する強盗殺人容疑は否認している。出口氏は倉本容疑者の人間性を、こう分析する。「どこまで関わっているか、はっきりしないことは多いが、いずれにしても本人がやり遂げたいと思っていることを、すべてやり遂げているということになる。相手の感情や気持ちを考えていない行動である。かなり“冷情的”、冷たい情けと書くわけですけども、冷情性がかなり高いタイプなんだろうなと」。

 秋山氏は「ただの殺人ではなく、強盗殺人で逮捕した」という点に着目する。「強盗には、“1項強盗”と“2項強盗”がある。1項は暴行・脅迫で財物を奪う。被害者から倉本容疑者は700万円の借金があり、それを不法に得たための2項強盗、プラス殺害のため、強盗殺人で逮捕されている」と説明する。

 どのようにして、生き埋めにしたのか。「警察は被疑事実を『土砂で埋めるなどし』窒息させたと読み上げた。ひらがなの『など』は動詞を表す。あくまで推測だが、絶対に人間は(穴に埋められる際)大声を出したり、抵抗したり、逃げようとしたりする。そうさせないためにロープで縛るとか、粘着テープで口をふさぐとか、抵抗できない状態にしてから穴に捨てた」。

 また、「あくまで推測だが、休憩中ウトウト寝ている時に縛るとか。抵抗させず、大声を出せない状態で生き埋めにした。「など」の部分の行動は“秘密の暴露”になるため、今後公判で明らかになるだろう」と予想した。

今後の捜査、余罪の追及は?

 遺体発見から逮捕までのスピードはどうなのか。「川本さんが殺害された時に捜査本部は被害者関係を捜査する。そうすると、妻の義理の甥で、川本さんの会社からの詐欺で3回逮捕されている倉本容疑者は、早い段階で浮上していただろう。ただ、殺害放火は放火の検証に何日もかかり、殺人も解剖や被害者の環境捜査、証拠収集とそれを書類にするのにも時間がかかる」。

 そのため、「入口の事件として、先に詐欺で逮捕しながら、余罪も当然捜査する。その段階で先に生き埋めの証拠が固まったから、そちらの強盗殺人容疑で逮捕する。その過程で平行して捜査して、川本さんの放火と殺人の証拠が固まれば、そちらで再逮捕すると思われる」との見解を示した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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