社会

ABEMA TIMES

2026年7月11日 11:00

男性美容市場が急拡大「美肌になりたい」中年が6割以上「やるだけ効果が出る」と目覚めた当事者たち 女性側から投げかける厳しい視線には懸念も

男性美容市場が急拡大「美肌になりたい」中年が6割以上「やるだけ効果が出る」と目覚めた当事者たち 女性側から投げかける厳しい視線には懸念も
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 男性化粧品市場がここ5年でおよそ2倍に成長するなど、メンズ美容業界が急成長を遂げている。30代から50代の男性への調査では、6割以上が「美肌になりたい」と回答しており、美容はもはや女性だけのものではなくなりつつある。一方で、男性が美容に踏み出す際の心理的ハードルや、女性側からの視線、美容市場のあり方をめぐる議論も根強い。『ABEMA Prime』では、男性美容の「今」と「これから」について考えた。

【映像】美容で肌ツヤツヤになった47歳男性

■「やればやるだけ効果が出る」美容に目覚めた男性たちの体験談

エイジさん

 番組では、43歳の自称ぽっちゃり男性・エイジさんのナイトルーティーンに密着した。ジェルクレンジングから始まり、洗顔では最低20回かけて丁寧にすすぎ、使い捨てのフェイスタオルで拭き取る。入浴中はボディスクラブを使用し、お風呂上がりはスチーマー、化粧水、パックと徹底した保湿を実施。美顔器、美容液、乳液、クリームと全10工程で毎日60分に及ぶケアを続けているという。

 エイジさんが美容に目覚めたきっかけは、当時交際していた年下の相手から「汚いおっさん」「ジジイ」と言われたことだったと明かす。「それがめちゃくちゃショックで、だったら相手以上に綺麗になろうと。相手から不快に思われない、見られているということを意識しないとダメなんだろうなと、特におっさんになればなるほどそこは意識しないと、と思った」と語る。美容を続けることで得たのは美肌だけではなかったという。「美容がきっかけで自己受容というか、モチベーションも上がったし、人見知りすることなく人に接するようになったり、異性とそういう話ができるようになったりした」と述べる。

 5年ほど前から美容を始めたという爪切男さんも、きっかけは外からの一言だった。体重が125キロあった当時、近所の公園でコーラを飲んでいたところ、下校中の小学生たちに「ゴブリンがコーラを飲んでいる」と言われたという。「傷ついたというよりも、発想を転換して、じゃあそのゴブリンと呼んだおじさんがある日ちょっと綺麗になっていったら、君たちはどう思うんだろうと思って、美容をやってみようかなと思った」と振り返る。

 最初の一歩は、深夜に24時間営業の家電量販店のコスメコーナーへ足を運び、「豆乳イソフラボン」入りの化粧水を購入することだった。「125キロのおじさんが化粧品売り場に行くのが恥ずかしかったので、誰もいない時間を狙っていった」という。現在は洗顔、シートマスク、化粧水、保湿を基本に、月2万〜3万円を美容に費やしている。「エイジさんほどはやっていない。これから美容を始める人がたくさんの工程をこなさないといけないのかと感じてしまうのが少し懸念で、寝る前に丁寧に洗顔してシートマスク、化粧水、保湿ぐらいをオールインワンでできるものから入ってほしい。僕でもできるので」と、入り口の低さを強調する。

 美容を始めて最も変わったのはマインドだと、爪さんは言う。「何もしていなかったおじさんの肌の質は伸びしろしかなかったので翌日から効果は出た。でも一番変わるのは自分のマインド。今の妻(当時は恋人)に素直に『美容ってどうやったらいい?』と聞けたことが人との関係性も良くした。周りから『最近、肌綺麗だけど何かしてる?』と言われるようになり、化粧水してると答えたら『前からした方がいいと思っていた』と言われた」と笑顔で話す。

■小原ブラス氏「女性が美容をやめる動きと逆行している」

小原ブラス氏

 コラムニスト・小原ブラスは、男性美容の盛り上がりに一定の疑問を呈した。「男性美容が女性の美容にそのまま乗っかっている感じがちょっと変。男性ならではの美容の形、筋トレや体型維持、ヒゲの整え方などもあるはず。女性がやってきた美容をそのまま男性に乗せるおじさんは、一度『キモいおじさん』を経たおじさんが、『美容にお金を使うキモいおじさん』にしかならない」と率直に述べる。

 さらに「ちゃんとどこかに男ならではの良さ、男らしさのある美容を開発していかないといけない。化粧品メーカーがビジネスでどんどん売りまくって、それに乗っかっている様はどうなんだろうと思う」と続ける。すね毛の脱毛を例に挙げ、「それは脱毛メーカーが発展させようとして押し売りしているわけで、歳をとると血管が見えてきたり乾燥が目立ったりと、むしろすね毛がある状態の方がいいという現象もある。本当に男性が女性と同じようにすね毛をなくすことが正解なのか」と話す。

 また、女性側が「美容をしなくていい」という方向へ向かいつつある動きとの矛盾も指摘する。「女性が必ずしもやらなきゃいけないという空気感をなくそうという動きがある中で、男性に求めることはそれに反する行為。女性がそう言えば言うほど、女性自身もさらに美容をしていないと納得いかなくなる。自分を苦しめてどうするの、という話だ」と述べた。加えて、「みんながいいものを選ぶようになっても、基準が上がるだけで、また新たにキモいというところを見つけ出して叩くだけ。これはイタチごっこだ」とも語った。

■現代は「清潔感へのハードルが上がった」

男性の肌に対する実態調査

 女性のやむさんは、「できればやった方がいいんじゃないかな」と男性の美容に肯定的だ。「寝る前の5分でいい。スマホを見るくらいならオールインワンを塗った方がいい。美容は加点式」と述べ、高いハードルは必要ないと強調する。

 やむさんが男性の美容を「やるべき」と考えるようになった背景には、「清潔感のレベルが時代とともに上がった」という感覚がある。「ガラケーからスマホになったのと一緒で、時代の変化だと思っている」と語る。また、街中で何かを聞きたいとき、「言い方が良くないが、汚らしいおじさんよりも清潔感があって整っている方に聞いた方が、ちゃんとした情報が来るんじゃないかという思いはある」とも本音を明かした。

 SNS上でたびたび話題になる「ショッピングモールおじさん」問題についても触れ、「プチプラブランドにもマネキンコーデがあって、SNSにもおしゃれな中高年男性のコーディネートが載っている中で、わざわざ女性から見て『うーん』となるものを選ぶのはなぜなんだろうというところから、おそらく嫌悪感につながっている」と説明する。

 一方、自ら美容への意識が高いと語るEXIT・りんたろー。は「やりたい人がやって、やりたくない人はやらなくていいという社会が一番いい」としながらも、「美容をやっている男性が最初は『男のくせにキモい』と言われていた時代があったことも忘れないでほしい」と語る。

 爪さんは女性からの視線を気にするかという問いに対し、「女性にどう見られようと、自分が信じる自分らしい美容をやるのが一番いい」と言い切る。かつてゴブリンと呼んだ子どもたちに再会したとき、「病気になったの?」と声をかけてきたエピソードを笑顔で話し、「勇気を出して言ってきてくれた。変わったということが嬉しかった。おじさんは周りから何も言われないと自分がイケてると思ってしまう。言ってもらえるありがたさが一番だ」と締めくくった。 (『ABEMA Prime』より)

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