社会

ABEMA TIMES

2026年7月12日 09:30

新幹線来ず「ずっと搾取されているんじゃないか」北陸新幹線延伸ルートは?京都住民からは懸念も…「何兆円という負担は無理だ」

新幹線来ず「ずっと搾取されているんじゃないか」北陸新幹線延伸ルートは?京都住民からは懸念も…「何兆円という負担は無理だ」
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 北陸新幹線の延伸をめぐる議論が大詰めを迎えている。現在、福井県の敦賀駅まで開通している路線を新大阪駅まで伸ばす計画だが、そのルートについて与党は8つの案を検討中。中でも議論を呼んでいるのが「小浜・京都ルート」だ。

【映像】8つのルート案(10秒でわかる詳細)

 国による試算では建設費はおよそ5兆5000億円から5兆8000億円かかる見込みで、地元の京都からは財政負担に懸念の声も。さらに、京都府内の1000を超える寺院が加盟する京都仏教会が「千年の愚行」として痛烈に批判し、6日、地下水への影響などについて独自に検証するよう、京都市に請願書を提出した。

 与党は今月17日までにルートの選定を行う方針だが、反対の声が上がる京都に新幹線を通すべきなのか。そもそも、人口減少が続く日本で、巨額の費用をかけて 高速鉄道を新たに作る必要はどこまであるのか、『ABEMA Prime』で考えた。

■新幹線来ず「ずっと搾取されているんじゃないか」

滝波宏文参議院議員

 福井県出身で与党の整備新幹線プロジェクトチーム事務局長を務める、自民党・滝波宏文参議院議員は、小浜経由にこだわる理由について、「小浜が若狭国の都だったからだ。1970年の大阪万博の年に、福井県の嶺南地域から初めて原子力の電力を大阪に送った。その3年後にこれが決まった。小浜経由は原子力立地に対する国の約束だ」と力説する。

 さらに、福井県の現状について「50年前に原子力発電所はできたけれど、一緒にできるはずの新幹線がまだできていない。我々は共存共栄しようとは思ったけれど、ずっと搾取されているんじゃないかという思いがあった。ただ若狭の人は非常におとなしい方が多いので、そういうことを言わずに我慢をする」。

 小浜はサンダーバードも乗り入れず、敦賀からさらに1時間ローカル線で移動しなければならないという不便な状況にあることも強調した。「原子力はすべて京都や大阪、関西のために存在している。だけどリスクは福井が受けている。そのことを何とかこの新幹線の件でも分かってほしい」。

■「何兆円という負担は無理だ」京都側が突きつける財政・水問題

石川恵介氏

 一方、嵐山商店街会長の石川恵介氏は、国家プロジェクトとしての意義は認めながらも「いかんせん京都は本当に貧乏だ」と訴える。「6年ほど前に、このまま10年経つと京都は財政破綻になると宣言もした。そこに何兆という負担は無理だ」。

 また、「インバウンドはたくさん来ているが、市民が市バスにインバウンドがスーツケースを持って押し寄せている。インバウンド用の乗り物が整備できていない。洛西ニュータウンには本当は地下鉄が通る予定だったが、財政が厳しくて止まった。もし北陸地下鉄を通すお金があるなら、先にそっちを通してくれと市民は思うはずだ」と述べる。

 京都仏教会の常務理事・宮城泰年氏は「水の問題が一番だ」と強調する。「お豆腐屋さん、お風呂屋さん、お酒屋さんにしても、水をいかに大事にしてきているか。水の出口で手を合わせて、いただいているぐらいの信念を持っている。大深度で持ってきたときには必ず水脈が破壊されることは間違いない」。

■「国家戦略として東海道新幹線のバイパスが必要」

佐々木俊尚氏

 情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、「地域の利益があるかないかだけで議論すると非常に歪な視点になる。国家戦略としての北陸新幹線はすごく重要だ」との見方を示す。「東海道新幹線は非常に脆弱で、北陸新幹線はコンクリートの高架構造のためどんな雪でも台風でも絶対止まらない。東海道新幹線は土盛りなので大雨になると必ず止まる。関ヶ原付近は太平洋側なのに大雪が降り、ボトルネックになっている」。

 さらに、南海トラフ地震のリスクや、リニアが名古屋までの開業にとどまることを踏まえ、「東京と関西圏を結ぶバイパスは絶対作った方がいい。リニア、東海道新幹線、そしてもう一つ北陸新幹線で関西まで行ければ、日本の大動脈が壊れないで済む」。

 そして、「国家戦略として北陸新幹線が必要だという観点を持たないと。地域の利益だけで話すと永久にまとまらない」との考えを語った。

(『ABEMA Prime』より)

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