関東は、7月14日から厳しい暑さとなり、熱中症搬送者が急増する可能性があります。
梅雨明け直後の危険な暑さに警戒が必要です。
この時期、気を付けたい、“ノーマーク熱中症”について、見ていきます。
■梅雨の涼しさから一転 猛暑襲来で熱中症が急増
7月11日、福岡県太宰府市で最高気温39.3℃と、2026年、全国最高気温になりました。
福岡県での熱中症患者数は、7月11日、12日の2日間で110人でした。
福岡市の最高気温と熱中症の関係です。
福岡市は、6月4日ごろに梅雨入りしました。
30℃を超える日もありましたが、6月23日には最高気温が20.8℃まで下がります。
その後、梅雨明け直前の7月7日、最高気温が急激に上がったタイミングで、熱中症による緊急搬送者も急増しました。
この週末も、熱中症の搬送者数は、7月11日が52人、最高気温が36.7℃まで上がった12日も36人と、急増しました。
東京も、6月は涼しい日が続きました。
最高気温が30℃を超える真夏日が、2025年は13回ありましたが、2026年は2回と、10年ぶりの少なさでした。
7月14日、15日は、最高気温が34℃と、厳しい暑さが予想されています。
「しばらく20℃台が続いて油断していた。仕事は外回りの営業をしているが、いきなり30℃超だと仕事にならない」
「6月はエアコンをつけなかったが、7月に入った途端、いきなりの猛暑でバテそう。庭木に水やりする朝夕の短時間でも暑さでクラクラする」と話しています。
「今年の梅雨は特に涼しかったため、一度できた暑さへの慣れ、“暑熱順化”の効果が薄まった。その状態の中で本格的な夏が来て、急に気温が上がると、誰でも熱中症になるリスクが出てくる」ということです。
■まさか自分が“ノーマーク熱中症”暑熱順化でリスクに差
2026年、注意しなくてはならないのが、『暑熱順化の不足』と『涼しい日が続いたことでの熱中症への警戒の薄さ』によって起きる“ノーマーク熱中症”です。
都内在住56歳男性の例です。
7月5日最高気温26.9℃の日、バイクの大会に出場しました。
これまでに熱中症になったことはなく、体力には自信があったということです。
しかし翌日、倦怠感があり、その後、気温が上がってくると、倦怠感にプラスして、頭痛や体の火照りなどが出てきました。
11日に、病院を受診すると、体温が38.6℃、意識が朦朧とした状態だったといいます。
診断の結果は、熱中症の中等症でした。
「先週はそこまで気温は高くなかったが、暑熱順化が出来ていないため、体に熱がこもった状態が続いた。さらに週後半から急激に気温が上がったことで、体が耐えられず熱中症に。かなり危険な状態だった」と話しています。
玉川徹さんも、7月4日曇り空の中、ウォーキングをしました。
この日の東京の最高気温は27.6℃。
しばらくすると頭痛がして、「熱中症か」と思ったそうです。
その後、近くのコンビニで、経口補水液を購入し、飲みながら20分ほど座って休憩したということです。
暑熱順化が進むと、発汗量や皮膚の血流量が増加し、発汗による気化熱や、体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなります。
一方で、暑熱順化ができていないと、皮膚の血流量が増えにくく、熱放散しにくくなり、体温が上昇しやすくなります。
また汗に含まれる塩分が多く、ナトリウムが失われやすくなります。
結果、熱中症になりやすい状態になります。
暑熱順化前後の体内深部の温度の比較です。
最高気温29℃湿度40%の環境で、歩行などの軽微な運動を1時間行った場合、暑熱順化ができている人は、体温上昇が0.5℃だったのに対し、暑熱順化ができていない人は、1℃〜1.1℃体温が上がります。
最高気温31℃湿度61%の環境で、安静な状態で3時間過ごした場合、暑熱順化ができている人は、体温上昇が0.1℃未満だったのに対し、暑熱順化ができていない人は、0.3℃以上上昇しました。
■ぬるめお風呂で“暑熱順化” 高齢者 暑さ感じにくいワケ
梅雨明け直後に、注意すべきことです。
「梅雨明け直後は、熱中症患者が必ず増える。東京はこれから梅雨が明けるが、今後7月下旬のピークに向かって、どんどん増えていく可能性が高い」ということです。
梅雨明けと熱中症による救急搬送者です。
2025年、九州、四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸地方の梅雨明けの前の週である、6月23日〜29日と、梅雨明け後の週6月30日〜7月6日を比較すると、熱中症による救急搬送者は、4772人から1万187人と、約2.1倍になりました。
さらに、東北地方が梅雨明けした後の7月21日〜27日は、その前の週から約2倍の1万997人に増えています。
そして、注意すべき熱中症です。
梅雨の合間の晴れた日や梅雨明け直後に増える、労作性(ろうさせい)熱中症です。
健康な若者や中年世代が、スポーツや労働作業中に急激に発症する熱中症です。
労作性熱中症になりやすいのは、
●急に暑くなった日
●風があまりない日
●夜の最低気温が25℃以上の熱帯夜の翌日です。
気温は高くなく、湿度だけが高くても、発症する可能性があります。
東京の7月14日の予想最高気温は、34℃。
熱中症による搬送者の予測は247人と、急増する予測です。
熱中症にならないために取るべき行動を、三宅さんに聞きました。
梅雨明け直後、暑くなっている時期は、『暑さに慣れる』行動よりも、『暑さを避ける』行動を、ということです。
暑さに慣れるため、無理に屋外で散歩などしないほうがいいということです。
暑さに慣れる暑熱順化のポイントです。
屋外でなくても出来る暑熱順化です。
ぬるめのお風呂にゆっくり入り汗をかきます。
38℃〜39℃のお湯で、じっとり汗が出るまで、半身浴でも大丈夫です。
重要なのは、前後の水分補給です。
「暑熱順化することを目標にするのではなく、熱中症にならないこと、これから迎える暑さのピークを乗り切ることを、目標にした方がいい」ということです。
注意が必要なのは、高齢者です。
6月29日〜7月5日までの1週間の熱中症による搬送者は、65才以上の高齢者が62.9%です。
圧倒的に多くなっています。
なぜ高齢者が多いのでしょうか。
理由の1つ目は、基礎代謝の低下です。
基礎代謝が低下することで、体内で熱を作る量が減少します。
その結果、寒がりになり、暑さに気付きにくくなってしまいます。
理由の2つ目は、体内の水分量の低下です。
水は温まりにくく、冷めにくい特徴を持っています。
そのため、体内の水分が少ないと、体内温度を一定に保ちづらくなります。
「高齢者は暑さを感じにくく、気付いていないだけで、体は暑さに弱い。正しいエアコンの使用や、こまめな水分補給が重要」だということです。
■熱中症による屋内での死亡例 エアコンの重要性
熱中症による死亡例です。
東京大学大学院医学系研究科と、東京都監察医務院の共同研究で、2013年1月〜2023年9月の東京23区の熱中症での死亡例1447人を分析したものです。
屋内での死亡例は1295人、そのうちの778人、60.1%が、60代以上の一人暮らしです。
熱中症で亡くなった方のエアコンの使用状況です。
最も多かったのが、
『電源が入っていなかった』で、44.9%。
『設置していなかった』が、29.4%。
『故障』が、10%。
『電源が入っていた』は、6.5%でした。
エアコンの電源が入っていたのに亡くなった6.5%の方は、なぜ亡くなったのでしょうか。
設定の問題です。
エアコンの電源は入っていたのに、暖房をつけていました。
そして、機器の問題です。
電源は入っていたのに、ホコリが詰まり、風が出ていませんでした。
研究では、日中の最高気温が31℃を超え始めると、その当日だけでなく、以降4日〜5日にわたって暑さの影響が残りやすく、死亡する危険度が高まります。
1℃上がるごとに、その影響は1.5倍になるということです。
また、日中の最高気温が33℃を超えると、エアコンを使っていない人は、使っている人に比べて、死亡の危険度が2〜3倍以上高まる、ということです。
エアコンの正しい使い方です。
「室内に温度計を設置し、室温が28℃を超えたらエアコンを使用する。熱中症にならないためには、エアコンは切らない方が安全」だということです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年7月13日放送分より)




















