社会

ABEMA TIMES

2026年7月18日 15:30

「病院すぐには決まらない」救急搬送への誤解→胸ぐらをつかまれる事案も 救急隊員がSNSで伝える切実な実態

「病院すぐには決まらない」救急搬送への誤解→胸ぐらをつかまれる事案も 救急隊員がSNSで伝える切実な実態
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 救急隊員への暴力が年々増加し、問題になっている。救急搬送に対する誤解や救急隊員の過酷な勤務環境への無理解がトラブルの原因の一つになっている。

【映像】 救急隊員がSNSで伝える“あるある”切実な実態(動画あり)

 京都府乙訓(おとくに)消防組合の救急隊員がSNSに投稿した“あるある動画”がある。

「どこの病院ですか?」(付き添いの人)

「患者さんの状態を見させてください!」(救急隊)

「かかりつけの乙訓病院に連れて行ってほしいです」(付き添いの人)

「状態を見ないと病院に連絡できないんです」(救急隊)

「あるある救急隊 あるある救急隊 病院すぐには決まらない」

 この動画に出演した乙訓消防組合消防本部救急課の下川渚氏は、「酔っ払いの方の救護をしている際に、付き添っていた方から胸ぐらをつかまれた」と実際にあったケースを説明。

「聴診器を使ったり、電話で病院に連絡するが、大きな声で話していたので、『もう少しお静かにしていただけますか』と言うと、ちょっとスイッチが入って、怒号というか『なんやねん!』というような言葉にならない形で…」(下川氏、以下同)

 原因は救急搬送に対する誤解だ。救急搬送は時間との勝負、命を救う時間。救急車の現場到着時間は平均9.8分、病院収容までの時間は平均44.6分となっている。高齢化や軽傷者の救急車利用増加により、この20年でおよそ1.5倍に伸びている。

 この時間をみると不思議に感じる人も多いかもしれない。下川氏によると「救急車はすぐに病院へ行く」という思い込みがあるという。

「救急車が来ればすぐに病院に向かうと思っている方が多数いる。しかし、救急車では患者の観察、血圧・脈拍・呼吸・心電図を測定して、その方に見合った病院に搬送していく。多少なりともお時間をいただく形になる」

 消防庁によると、国民の16人に1人が運ばれている計算だ(2025年 救急出動768万件)。一方で需要に即した救急隊員の人数は足りていない。消防職員の数や救急救命士の資格者・運用者は年々増加しているが(2024年 16万8898人)、国が定めた基準に対する職員の充足率は8割前後だ。現場到着の時間が年々伸びているのは、救急要請数に対して対応する人と車が追いついていない実態を意味している。

 また、救急と消防業務を兼務する職員も多く、専任は全体の3割程度だ。これらの実情に対する理解は行き届いておらず、SNSを使って理解を促しているという。

 下川氏は「消防署になかなか帰って来られない、ご飯も食べられない。コンビニに救急車で寄ってお昼ご飯を買っていた救急隊が、『何してんねん』と一般の方にお叱りを受けることがあったので、乙訓消防組合ではHPで『コンビニ・自動販売機で飲料水・飲食物を買わせていただきます』とご理解をいただいている」と、厳しい実情を語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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