7月20日は海の日でした。
気象庁が関東甲信と東海の梅雨明けを発表し、本格的な海のシーズンを迎えていますが、実は海水浴客の数がここ数十年で大きく減少しています。
なぜ海離れが進んでいるのでしょうか?
その実態と海水浴場が直面する閉鎖の危機についても見ていきます。
■海水浴の起源と歴史 かつては療養目的 若者文化に
まずは海水浴の歴史について見ていきます。
海水浴の原点です。
海水浴の原点は潮湯治という、地域の習わしとして誕生した民間療法です。
愛知県常滑市の大野浦では、平安時代から海に浸かり波を浴びる風習がありました。
明治時代に日本初の本格的な海水浴場が開設されます。
神奈川県大磯町に海の家などが建てられた日本で最初の本格的な海水浴場が開設されます。
こちらも当初は療養が目的だったということです。
高度成長期には国民的レジャーになります。
1960年代に大衆車が登場し、道路網が整備されると、『家族4人で海水浴』が流行します。
その後、サーフィンブームが到来します。
1970年から1980年代にサーファースタイルが若者の間で流行し、サザンオールスターズなどがそのブームを牽引しました。
サーフィンをしない『陸(おか)サーファー』という言葉まで登場しました。
「昔は夏の遊びは海水浴が王道。彼女ができたら海までドライブ。まさに青春だった」と話しています。
出演者の皆さんにも海の思い出を聞きました。
「学生時代は好きな人の名前を紙で作って、腕に貼って日焼けしていた」
「周りの人が行くので行くことはあった。当時言いにくかったけど日焼けするとしんどいので嫌だった」
「中学生の時、親友と海水浴に行った。カナヅチだったが調子に乗って泳ごうとして溺れた。以来トラウマに…」
■海水浴客 40年で9割減少 なぜ行かない?世代間の違いも
しかし、近年、海水浴客が減少し“海離れ”が進んでいます。
海水浴客の推移です。
ピークは1985年で3790万人。
しかし、2024年は440万人と、ピークだった1985年と比べて約88%も減少しています。
ピークの頃と直近の海水浴客の変化についてです。
1983年の神奈川県江の島の海岸の様子です。
砂浜が人で埋め尽くされ、『芋の子を洗うような状態』と言われていました。
浜辺では、日焼け用オイルを塗り、日焼けをする人の姿もありました。
一方で、2026年7月20日、三連休最終日、海の日の江の島の海岸の様子です。
砂浜にはかなりスペースがあり、人もまばらです。
また、浅瀬で水着を着ずに足だけ海に入っている海水浴客もいました。
海に関するアンケート結果です。
「海に行きたいか?」という質問について、「行きたい」と答えた人の割合ですが、
2019年は73%の人が「海に行きたい」と答えたのに対し、
2024年は59%にまで減少。
5年で「海に行きたい」という人が14ポイント減っています。
世代間で差も出ています。
「海に行きたい」と答えた人は、10代が66%で一番高いのですが、20代が55%、30代が53%、40代が57%と、60%を割っていて、2019年からの減少率でも20代、30代、40代が大きく減っています。
一方で50代、60代になると「行きたい」が60%を上回っています。
各世代に、なぜ海に行かないのか聞いてみました。
10代、20代の理由です。
「海で遊ぶという習慣自体がない。小学生の時、家族で行ってから海には行っていない」
「魅力を感じない割に準備などが大変そう。車もないし、テーマパークの方が確実に楽しめる」
30代、40代の理由です。
「以前友人と行った際は1時間で飽きてしまった。海の家もチープで暑くて好きじゃない」
「海水浴という選択肢はない。混んでて不快。レジャーは感動できる要素がないと満足できない」
50代以上の理由です。
「体型が崩れて水着を着るのが苦痛。同世代の友人も海には行かない」
「何より海は体力を消耗する。中年過ぎから億劫になった」
海に行かない理由も変化しています。
2019年の調査です。
1位は「日焼けが嫌だ」
2位は「体がべたつくのが嫌だ」
3位は「海で泳ぐのが好きではない」
4位は「海でしたいことがない」
5位は「水着になりたくない」
と身体的な不快感を表す理由が上位を占めていました。
2024年の調査です。
1位は「家から遠い」
2位は「海に行く発想がない」
3位は「時間がない」
4位は「日焼けが嫌だ」
5位は「行くのが疲れる」
と2019年の調査と大きく変わり、距離や時間などタイムパフォーマンス重視の理由が上位に上がってきています。
休日の過ごし方です。
一番多いのは『家で動画鑑賞』。
次に『買い物』『読書や音楽鑑賞』『ゲーム』『国内旅行』と休日家で過ごす人が多く、休日に「海に行く」と答えた人の数は全体の22番目とかなり低い順位になっています。
■海水浴場 名勝地でも苦境 地域経済に打撃 打開策は?
海離れが進み、閉鎖の危機に直面する海水浴場も出てきています。
海水浴場の数の推移です。
1990年度の1379カ所をピークに、2024年度は969カ所と、約30%減っています。
2026年、開設を見送った主な海水浴場です。
茨城の下津海水浴場、大阪の箱作海水浴場、淡輪海水浴場などです。
これらは、海水浴客の減少が主な理由で、2026年は開設を見送りました。
海離れによって、運営が厳しくなっている海水浴場があります。
福井県敦賀市にある、気比の松原海水浴場です。
日本三大松原の一つで、特に芸術上・観賞上の価値が高い土地として国の名勝地にも指定にされている海水浴場です。
1990年代、海水浴客は年間50万人でしたが、2025年は約6万4000人と、ピーク時の約8分の1に落ち込んでいます。
「夏が暑すぎるし、昔の“夏は海へ行く”という考えが変わった。また、来場者がコンビニで飲食物を買って持ち込むようになり、海の家で消費しなくなった。採算が取れなくなり、運営状況は大変厳しい」
運営状況です。
海水浴場の運営に必要なものとして、
▼救護所設置
▼駐車場警備
▼ライフセーバーの人件費
などに年間約3500万円かかります。
一方、収入は駐車料金の約500万円ほど。
約3000万円の赤字は、市の補助金=税金で賄っている状況だといいます。
「2027年以降の海水浴場開設については検討中。関係者と相談しながら、最適な運営方法を探りたい」と話しています。
北海道小樽市にある、蘭島海水浴場です。
明治36年の開設から100年以上の歴史を誇る、海の透明度の高さが魅力の海水浴場です。
最盛期の1980年代には年間約70万人の海水浴客が訪れていました。
「最盛期は最寄り駅から海水浴場にかけて行列ができ、泳ぎ切れないほどの海水浴客が訪れた。海の家や民宿は、夏1ヵ月間の稼ぎで1年間暮らせる売り上げがあった。しかし現在は、民宿は空き家になっているところもある」と話しています。
そんな蘭島海水浴場が近年、閉鎖の危機に直面しています。
2024年の海水浴客は年間8万3000人。
最盛期から9割も減少し、赤字に転落しました。
設備も老朽化が進んでいて、看板は前の組合長がペンキで手書きして修繕。
用具小屋も潮風による塩害の影響でサビなどがひどい状態ですが、修繕費が賄えない状況です。
そんな中、資金調達に向けて新たな取り組みを始めています。
6月、老朽化した設備の修繕費確保のため、クラウドファンディングを実施しました。
80万円の目標額に対して、全国から100万円以上の寄付が集まり、その資金で順次、修繕を行っているといいます。
また2026年から資金調達のため、オリジナルグッズの販売も開始しています。
神奈川県三浦市にある、三浦海岸海水浴場(三浦ファンビーチ)です。
広い砂浜やアクセスの良さが魅力の海水浴場です。
1999年、年間100万人を超える海水浴客が三浦海岸を訪れましたが、2023年は約8万人と10分の1以下に落ち込み、2024年は海水浴場の開設が見送られました。(2025年に再開)
海水浴客を呼び込む取り組みです。
▼映画上映会
▼ビーチスポーツ体験会
▼モーニングヨガ
など、特にファミリー向けイベントを充実させ、立て直しを目指しています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年7月21日放送分より)


















