2025年3月、東京・高田馬場の路上で起きた事件。ライブ配信中の22歳の女性がナイフで顔や首などを55回にわたって切りつけられ殺害された。被害者は「最上あい」の名で活動していた配信者の佐藤愛里さん(当時22)。殺人などの罪に問われたのは、高野健一被告(44)だ。
2人の出会いは2021年、動画配信サービスを通じてのことだった。翌2022年1月にはSNSのダイレクトメッセージ(DM)をきっかけにLINEを交換し、本格的なやり取りが始まる。その後、佐藤さんが勤務する山形県内のキャバクラ店へ足を運ぶなど関係が深まる中、高野被告は佐藤さんからの頼みで金を貸すようになる。貸付額は膨らみ、高野被告は消費者金融から借金をしてまで工面することもあったという。
しかし、一向に返金されないことから、高野被告は2023年8月に返金を求める民事訴訟を提起。翌2024年10月には預金口座の差し押さえに踏み切ったものの、口座に残高はなかった。そして2025年3月事件が起きる。のちに開かれた裁判で、検察側は懲役20年を求刑。判決では懲役16年が言い渡された。
この判決について、レゾバティール法律事務所の阪口采香弁護士は「まずこの検察側の求刑が20年だった点、求刑というのはあくまでも検察の意見なので、裁判所はそれに拘束されずに判断する。参考にはするが、拘束はされないということで、この事案に対して懲役何年が妥当なのかを判断していった」と説明。
続けて「日本の刑法というのは行為責任と言って、やってしまったことに対する責任がどのくらいなのかをまずはベースに考える。そうなった時に、今回の行為は55回も刺しているという残虐性が出てきて、結果一人亡くなってしまった、この結果の重大性もあるので、行為としてはやはりすごく重たい。そうなってくると、これだけを見た時にはもっと重たい判決になる可能性もあった」と指摘した。
その上で「ただ、この事件に至るまでの経緯、自身も消費者金融から借りてお金を貸してしまい、消費者金融から返済を求められて追い詰められていたので、そこもかなり考慮されて、結果、16年になったのだと思う」と解説した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)