社会

ABEMA TIMES

2026年7月25日 17:00

海水浴客、40年前のピーク時から9割減「昔のやり方ではもうお客さんは来ない」海離れが加速したのはなぜか

海水浴客、40年前のピーク時から9割減「昔のやり方ではもうお客さんは来ない」海離れが加速したのはなぜか
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 連日続く酷暑の中、かつてなら海に人が集まる季節だが、海水浴客の減少が深刻な状況となっている。1985年には約3790万人に達した海水浴客数は、2024年には約440万人と、ピーク時の約10分の1にまで落ち込んだ。海水浴場の開設数も、1990年度から2024年度の間におよそ3割減少している。

【映像】砂浜が見えないくらい人でごった返す40年前のビーチ

 背景には「暑すぎて海に行く気にならない」「日焼けやベタつきが面倒」「涼しい夏の楽しみ方がたくさんある」といった声がある。一時代を築いた海水浴という文化は、なぜここまで人をひきつけなくなったのか。『ABEMA Prime』では、海離れが進む原因とその打開策について考えた。

■「昔のやり方ではもうお客さんは来ない」現場の実態

海水浴客が激減

 佐賀県唐津市の浜崎海岸で海の家「Green Beach House」を16年間運営する渕上俊介さんは、現状をこう語る。「海水浴が目的というお客様は、私が始めた頃より半分以下になっている」。かつて周辺には20軒ほどの海の家があったが、現在は2軒のみだという。

 渕上さんは、酷暑の報道も客足を遠のかせる一因だと指摘する。「熱中症だとか『外に出ないでください』とか。ただ海水に入れば体が涼しくなって、海風を浴びて本当に気持ちいい。昔から変わらないと思う」と述べる。一方で、「黙って海の家を開けて海水浴のお客さんを待つというやり方では、もう本当に厳しい」として、現在は古着マーケットをはじめ独自のイベントを企画するなど経営の転換を図っている。「今うちに来てくれるお客様で海に入る人は3割ぐらい。海の楽しみ方をいろいろ提案している」と話す。

 一般社団法人海洋連盟の理事・内田聡さんは、2014年に連盟を立ち上げた経緯をこう振り返る。「同じ年代の女性でも、海に行く人と全然行かない人に分かれる。行く人に聞くと、お父さんが釣りやサーフィン、ダイビングが好きで、小さい頃から海に連れて行かれていた。日焼けするのも当たり前、ベタベタもシャワーを浴びれば取れると慣れている。やはり小さい頃に海への接点がなさすぎる」と語る。

■40年前はみんなが海へ行く「マスのレジャー」だった

海水浴離れ

 文筆家・佐々木俊尚氏は、1985年当時の海水浴ブームを「マス消費」という観点から分析する。「あの頃は『冬はスキー、夏はテニスや海水浴』と、人が多いから行くという時代だった。今は人が多いのは嫌だから人がいないところに行くという方向に変わった。マス消費のあり方が完全にガラリと変わった」と述べる。

 さらに、「あの頃、別にみんな海水浴が本当に好きだったわけではない。砂がついて嫌、ベタベタするなと思っていたけど、みんなが行くから行かなきゃいけないと思っていた。今そんなことみんな思わなくなった、消費のあり方が変わっただけの話」と指摘する。また、首都圏については「湘南などは混んでいるイメージが強すぎる。山は領域が広いので空いているところはいくらでもあるが、湘南に行こうと思って渋滞を想像しただけでうんざりする。そのイメージがやっぱり首都圏では強い」とも語った。

 EXIT・兼近大樹は、かつての海のにぎわいが持っていた別の側面を指摘する。「海といえばギャルがいっぱいいて、それを求めて男たちが集まる、そういうスポットでもあった。でも日焼けが問題になったりして女性が肌露出をしなくなると、男子たちも行かなくなった。男女の問題を海に持ち込んでいたせいで衰退している」と語る。そのうえで、「海の良さは自然だということに立ち返れば、今後盛り上がっていけると思う。本来海はみんなが楽しく遊んで自然を楽しむ場所だったんで、そこに立ち返れば山派の人も海に来ると思う」と訴えた。

 コラムニスト・河崎環氏は、リスク管理の観点から現代の傾向を語る。「子どもが目を離せない怖さもあるし、女性としては日焼けすれば髪の毛がカサカサになってシミもできる。みんながリスクを避けたいと思っているので、レジャーはある程度管理された整った場所で行いたいと思っている部分がある」と述べる。「シュノーケリングやダイビングのライセンスを取りに海に行く人は結構多い。専門的な施設があって専門家の指導がある場所ならOKなのかなと思う」と続けた。

 内田さんは、海の安全性についてデータを示す。「水難事故の件数は、実は変わっていない。ほぼ横ばいだ。海水浴客があれだけいっぱいいた時と、今10分の1になったのに水難事故の数が変わらないということは、行っても行かなくても変わらない。むしろ行っている方がより親しんで経験値を積んでいく。行けば行くほど安全になるんだろうと思う」と語る。

 また、海ならではの魅力についても強調した。「水中メガネをして頭から潜ってもらうと、結構生き物がいる。野生の生き物と接しようと思ったら、海はかなり距離が短い。日本は四方を海に囲まれていることがマイナスのイメージとして語られることも多いが、砂漠がない、水が豊富にあるという恩恵を受けている。海水浴だけが激減していて、それ以外のマリンアクティビティはそんなに減っていないというデータもある。海に行ってドボンと入るだけのレジャーが減っているだけで、それ以外のことをもっと提案していく余地がある」と説明していた。 (『ABEMA Prime』より)

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