この週末、統計史上初めて、5日連続の酷暑日となりました。
気温40℃の世界で、人体に何が起きるのでしょうか。
認知症の発症リスクが増えるという、最新の研究も見ていきます。
■40℃越え続出 8月の気温 平年より高温か 厳しい暑さに
40℃超えが続出しています。
7月21日から25日までの5日間、全国9地点で22回、40℃以上の酷暑日を観測しました。
国内で5日連続の酷暑日は、統計史上初めてです。
特に暑かったのが、静岡県浜松市佐久間で、7月23日に41.1℃を観測しました。
7月27日朝8時時点で、2026年の全国最高気温です。
この暑さによる、全国の熱中症による救急搬送です。
6月は1週間に800人ほどでしたが、7月に入ってから急激に増加し、7月13日の週は1万人を超えました。
気象庁は、7月21日に、3カ月予報を発表しました。
8月、沖縄・奄美地方、西日本、東日本の広い範囲で、平年より高温となる可能性が高いとしています。
暑さの原因について、気象庁は、日本付近の大気の温度が平年より、約0.7℃高いと説明しています。
■過酷な暑さで脳にダメージ 認知症リスク増
暑さが身体に及ぼす影響、認知症への影響です。
東京科学大学の藤原武男教授らが1月に公表した、暑い日が、認知症の発症にどのような長期的影響を及ぼすか、という研究です。
対象は、全国の65歳以上の高齢者約6万人。
認知症の既往歴がなく、同じ自治体に30年以上住んでいる人です。
暑い日の定義は、対象者が住む地域ごとの気温をもとに算出します。
東京の場合は、平均気温が28.9℃以上の日です。
自治体によって変わります。
3年間、追跡した結果、5月〜9月に暑い日が合計30日あると、翌年度中の認知症の発症リスクが、約40%増えることがわかりました。
暑さで、なぜ認知症の発症リスクが増えるのでしょうか。
1つは、『脳細胞へのダメージ』です。
体温調整機能が働かず、体温が上昇することで、脳細胞にダメージが加わります。
知症の発症リスクが増える理由のもう1つは、『社会的孤立』です。
暑い屋外を避けて、ずっと室内にいることで、他者との交流が減ってしまいます。
そして、3年前の暑さも影響があります。
3年前の暑い日は、前年度の暑い日よりも、強い影響を持つことが確認されました。
なぜ、3年前のほうが強い影響を持つのでしょうか。
「まだ、明確にはわかっていないが、暑さに強い人でも、数年かけて徐々に脳へのダメージの影響や孤立の影響などが表れてくるためではないかと推察される」ということです。
■“蓄積型熱中症”脱水で水分不足 血液ドロドロ
蓄積型熱中症についてです。
暑くなって1日目、2日目に元気だった人が、暑さで疲労が蓄積して、3日目に熱中症になってしまうケースです。
「大丈夫だと思っていた人が、ある日”蓄積”で、熱中症に」なるということです。
「毎日暑さにさらされて疲労がたまり、『脱水』と『炎症』がじわじわ進んでいる状態」だということです。
体温を下げる仕組みです。
自律神経、視床下部が連動して全身に指示を出します。
「汗をかき体温を下げろ」「血管を広げて放熱しろ」という指示で体温が下がれば、この機能は停止します。
『脱水』になると何が起こるのでしょうか。
体温を下げるために必要な汗をかくことができなくなります。
原因です。
●大量にすでに汗をかいて、体から水分が不足
●高齢者の場合は、そもそも体内の水分が少ない
そのため、水分が不足し、血液がドロドロ状態になります。
血液は酸素や栄養を全身に届けているので、血液が脱水でドロドロになると、酸素や栄養が全身に届きにくくなります。
血液は疲労物質を全身から回収して排出しています。
脱水で血液ドロドロになると、疲労物質を回収、排出しにくくなります。
そして、『炎症』が発生すると、何が起こるのでしょうか。
暑さで細胞にダメージが生じて、炎症が起こります。
炎症が進行すると、臓器がダメージを受ける可能性があります。
炎症で注意が必要なのは、臓器への長時間のダメージです。
通常は臓器にダメージを受けても、修復機能が働き回復します。
暑さで炎症が進行した場合は、修復機能が追い付かず、臓器にダメージが蓄積して回復できず、後遺症になってしまう可能性があります。
「脱水と炎症が進むと、ぜんそく、糖尿病、血液疾患など派生して、病気を引き起こす可能性もある」ということです。
■40℃の世界 身体に起きる“変化”は?注意が必要な人は?
40℃の世界で、私たちの身体にどんな変化が起こるのでしょうか。
新潟大学にある『人工気象室』という加湿器や除湿器、エアコンなどが備えられ、温度や湿度をコントロールできる部屋で実験しました。
実験に参加したのは、週3〜4回ジムに通っている、テレビ朝日の所村アナ26歳です。
温度40℃・湿度50%の環境で、皮膚の温度、汗の量、血圧、身体の中心部の温度である深部体温などを記録しました。
30分間安静にしたときは、しっかりとした汗が出て、皮膚温は上昇しましたが、汗をたくさんかいたことで、深部体温は急上昇しませんでした。
30分間歩行したときは、汗の量が増加し、深部体温も0.2℃上昇。
その後、傾斜をつけて歩行を続けると、深部体温の上昇スピードが上がりました。
結果、所村アナのように、運動習慣のある20代男性でも、40℃以上の環境で運動をすると、汗をかいても、深部体温が上昇するということがわかりました。
この深部体温というのは、脳や内臓などの身体の中心部の温度のことです。
通常37℃前後で保たれていますが、38℃〜39℃になると、めまいや頭痛、吐き気などの熱中症の軽度の症状が出てきます。
39℃〜40℃になると、けいれん、肝・腎機能障害の症状、40℃以上になると、意識障害や呼吸困難などの症状が出てくる可能性があります。
「40℃の環境では、熱を発散できず、体内に熱がこもった状態になる。すると、少しの運動でも深部体温が上がりやすくなり、熱中症リスクが上がる」ということです。
特に注意が必要なのは、高齢者です。
汗腺の能力が若者に比べて下がり、さらに体内の水分保有量も減少しているので、汗をかきにくい体質になっています。
他にも、体脂肪が多い人は、熱を体内にため込みやすいので危険です。
二日酔い、寝不足などで体調が万全でない人も、体温調節機能が弱るので注意が必要ということです。
■厳しい暑さから身を守る行動『外出は朝や夜』『水分補給』
40℃の世界で暑さから身を守る行動、1つ目です。
可能ならば、日中の外出を避けて、朝や夜に外出するようにしてください。
暑さから身を守る行動2つ目は、水分補給です。
ポイントは、
●のどが渇く前
●起きたらコップ1杯
●入浴の前後にそれぞれコップ1杯
●1日あたり1.2リットルが目安
(※食事などに含まれる水分は除きます)
●アルコールはダメ、
です。
そして、深部体温を下げるためには、アイススラリーという、氷と液体が混ざったシャーベット状の飲み物が良いということです。
これは自宅で作ることもできます。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年7月27日放送分より)





















