前回の地震から10年が経ちますが、避難所では雑魚寝など変わらない光景が広がっています。
災害関連死をどう防ぐのか見ていきます。
■一部避難所 開設できず 10年前の地震からの変化 課題も
震度7を観測した熊本県宇城市の被害状況です。
7月28日に震度7の地震を観測。
現在も停電が6300戸、断水が1万7800戸で続いています。
避難所の開設状況です。
7月28日(1日目)に8カ所開設。
7月29日(2日目)に3カ所が開設し、合計11カ所に3243人が避難しましたが、残りの36カ所は開設されませんでした。
避難所の開設がなぜ少ないのでしょうか。
「学校の体育館には冷房設備がない避難所が多くある。また、冷房設備があっても停電で使えなくなるケースも。夏場は熱中症リスクが高まるため、被災者の安全確保を優先し、避難所の開設を控えた可能性」があるといいます。
2016年に発生した地震では熊本県で最大18万3882人が避難。
雑魚寝や断水など避難所の劣悪な環境から被災者が車で過ごす『車中泊』が相次ぎ、いわゆるエコノミークラス症候群が大きな問題となりました。
その影響は死者数にも出ています。
2016年熊本地震の死者数は275人。
そのうち、地震による直接死は50人でしたが、災害関連死は225人と、直接死の4倍を超える人が亡くなりました。
こうしたことを受けて、2026年の秋に発足する防災庁では、
T=清潔なトイレ
K=キッチン
B=ダンボールのベッド
『TKB』の調達や備蓄の水準を全国で引き上げるとしています。
しかし、地震発生翌日に避難所として開設された『ウィングまつばせ』では、約500人が避難していますが、10年前と同様、パーテーションもなく、床に段ボールやタ?オルを敷き、雑魚寝状態に。
停電により冷房が使えない日もあったといいます。
この10年間で『ウイングまつばせ』では、簡易ベッドを確保し、新たに備蓄倉庫を設置。
これにより支援物資を各避難所のニーズに合わせて仕分けや再分配する役割を果たすことになっていました。
なぜ簡易ベッドが提供されないのでしょうか。
「地震の影響で、天井が崩落し、メインアリーナが使用できず、ロビーでの受け入れを余儀なくされたことからベッドを設置する余裕がなかった。避難の長期化を余儀なくされる方のためにも、速やかに避難所の環境改善に対応していく」と話しています。
宇城市の避難所に避難している方に、今欲しいものを聞きました。
「床が硬く、腰や足が痛くなる。段ボールベッドがあればゆっくり寝られる」
「夜停電になったら困るので、懐中電灯があったら」
「この暑さで体がベトベトする。風呂が欲しい」
「県外に住む家族に情報共有ができない。つながるネット環境が欲しい」
ほかにも宇城市では、6カ所に防災拠点センターを設置。
避難所・物資の備蓄・集配基地などの役目を担います。
備蓄物資(食料品・水・段ボールベッド・毛布・衛生用品)の拡充や耐震基準を満たしていなかった小中学校の校舎の建て替えなどをこの10年間で行いました。
しかし、豊野防災拠点センターでは地震の影響で天井が一部崩落。
避難所として使うことができず、近くにある旧小学校の体育館を開放しました。
現在は安全が確認され、一部、避難所として開設しています。
さらに課題があります。
「10年前と比べて、支援物資と避難所のミスマッチは解消された。一方で、支援物資を仕分ける人や避難所まで運ぶ人の確保は依然として課題。人手不足により物資が滞るだけでなく、時間外労働が連日続いている」といいます。
■災害関連死防ぐため「広域避難の検討も」
宇城市と同じく震度7を観測した氷川町では、地震発生日、停電によって町内11カ所すべての屋内避難所を開設できませんでした。
車中泊で避難する人のために、小中学校のグラウンドを開放し、237人が利用しました。
「家の電気・水道が止まった。祖母が高齢なので、冷房があるところを探し、避難所を紹介してもらったが、家族6人含む、9人で車3台に分かれて車中泊に」
「10年前の熊本地震や能登半島地震では災害関連死が多くの割合を占めた。電気や水道が使えないような状況では、一度、被災地の外でインフラが整っている場所に出る広域避難も検討すべき」
広域避難とは、他の市町村などへの行政区画を越えた避難のことです。
能登半島地震が起きた石川県ではどうだったのでしょうか。
最大震度7を観測。
石川県内の死者734人のうち、災害関連死は約7割を占める506人に及んでいます。
石川県は広域避難を実施しました。
地震発生3日後、県内での広域避難開始。
地震発生8日後には、県外の都道府県が避難者を受け入れ、最大で約700人が県外避難しました。
「県内の自治体は他県の自治体と広域避難協定を結んでいなかったが、県内や隣県のホテルなどには、震災などの際に空き室を提供してもらえるよう事前に声掛けしていた」
広域避難の協定を結んでいる自治体もあります。
東京の板橋区は、首都直下型地震などの災害に備え、都外の13市町へ避難できる協定を全国で初めて結びました。
協定を結んだ各自治体には、それぞれ50人〜300人を受け入れてもらう想定ということです。
「自治体も被災しているので、すべての支援をしていたら破綻してしまう。特定の市町村に負担を集中させない制度で避難者を守るべき」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年7月31日放送分より)












