社会

ABEMA TIMES

2026年8月1日 17:45

教員から反発も“学校開放”要請に「やれと言われたらやってしまう」の声…夏休み中も研修・授業準備で多忙な日々「普段のはみ出た部分をここで回収している」

教員から反発も“学校開放”要請に「やれと言われたらやってしまう」の声…夏休み中も研修・授業準備で多忙な日々「普段のはみ出た部分をここで回収している」
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 文部科学省は夏休み期間中、子どもの居場所づくりを目的として、学校施設や公民館、図書館などの積極的な活用を各教育委員会などに要請した。これに対し、現場の教員からは懸念や反発の声が上がっている。学校の先生にとって夏休みとはどのような期間なのか。その実態はあまり知られていない。『ABEMA Prime』では、小学校の現役教員・元教員ら3人を交えて「先生の夏休み」の実態と、政府が求める学校開放の是非について考えた。

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■研修、備品点検、授業準備…夏休みでも仕事は続く

となる都内公立小中学校の夏休み

 公立小学校の先生・松尾英明氏は、夏休み中の主な業務として研修を挙げる。「教育委員会から受けさせられる研修があり、自主的に勉強会に参加する教員も多い。2学期以降の授業準備や施設整備も、子どもたちがいないこの時期にまとめて行う」と説明する。通常期の忙しさを「10」とした場合、夏休み中は「2程度」だと語る一方、「普段は12から15ぐらいまで行っている。そのはみ出た部分をここで回収することで何とかなる。2の上に自分でやるべきことを積み上げている」と述べ、夏休みは単なる休暇ではなく、平時の超過分を補う期間でもあると位置づける。

 元公立小学校の先生で現在は社会起業家の松下ゆか理氏は、夏休み中もお盆前後以外は研修や備品チェック、修学旅行の下見、運動会の準備などに追われていたと振り返る。「全員出勤日がかなり多かった。自分で研修に行きたかったのに、それができなかった」と語る。通常期を「10」とすると夏休みは「4か5程度」と話し、民間企業での勤務経験と比較した上での感覚だと付け加える。

 元公立小中学校の先生で、SNSで教師向けの情報を発信するhiro先生は、「学校全体で見たとき、普段と同じくらい忙しいということはない」と述べ、通常期「10」に対して夏休みは「3程度」だと話す。自身は教材作りなどで割と学校に来ていた方だとしつつ、「それでも平日で10日間は休みが取れた」と明かす。一方で、「来ない先生は土日を含めて3週間ぐらい来ないで海外旅行に行く人もいた」と証言した。

 夏休みの位置づけについて、出演者の間で議論が交わされた。松下氏はSNSで行ったアンケートの結果を紹介し、「夏休みこそ唯一休める醍醐味。そこが減るなら辞めることも考えるという声があった」と述べる。2年ほど前に夏休み短縮案が浮上した際には、Instagramのストーリーで1日に1700件の回答が集まり、約6割が夏休み短縮に反対し、日程維持を望んでいたという。

 これに対し松尾氏は、「醍醐味は授業と子どもと関わることだと思う」とした上で、「夏休みがあるからこそ頑張れている先生が多いことも確かだ」と認める。心身ともにボロボロになっている先生は夏休みに回復しなければ9月以降に出勤できなくなる、と休養の重要性を強調した。

■「できるかできないかで言えばできる」学校開放に3人の先生が示した思い

夏休みの過ごし方

 文科省が要請する学校開放、特に図書室の開放について、3人それぞれの見解が示された。

 松尾氏は「制度として出来上がっていないものをやるということがダメだと言っている。子どもを預かることを軽く考えすぎている。安全を確保する仕組みを作り、予算をつけて業務として決めた上で、今ある業務を減らすことをしないとできない」と主張する。図書室開放に伴う当番が40日のうち2、3日であっても「研修などで前後が埋まっており、実質的に休める期間は短い」と訴えた。一方で、日程上、実施できるかどうかだけを問われれば「できる」と認め、「楽しくできないから嫌だとか、子どもに辛そうにしている姿を見せたくないという感情はある」と正直に述べた。

 hiro先生は「できるかできないかで言えばできる。ただ先生はやれと言われたらやってしまう」と懸念を示す。「夏休み中のトラブルはその後の学校生活に影響しないとは100%言えない。文科省のビルド&ビルドが積み重なって今がある。『可能でしょ』という判断が重なってきた経緯がある」と述べ、慎重な姿勢を見せた。

 松下氏も「やれと言われれば先生たちは子どものためにやると思う。ただ一つ受け入れると学校が学童保育所のようになっていくのではと恐れている。いろんなことがどんどん増え続けて何も減らないまま来ている。そこを恐れている」と語った。

 小説家・室井佑月氏は「図書室だけでも開けておくことには賛成。暑くて公園にも行けない子どもたちの居場所としてはいいと思う」と述べ、SEKAIA株式会社CEO・薄井シンシア氏は「夏休みは先生にとって福利厚生でもある。先生が減っている中で夏休みがあるから先生になろうと思っている人もいる。なぜ先生にやらせるのかという疑問がある」と問題提起した。

 松尾氏は最後に「我々が楽しく働いている姿を子どもたちに見せることが一番大事だ。夏休みも業務で埋めて休めない状況を作った時に、先生たちが楽しそうに働けなくなる。そのことが子どもたちに伝わってしまう」と訴えた。 (『ABEMA Prime』より)

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