社会

ABEMA TIMES

2026年8月2日 07:30

地震大国・日本、大震災発生に備えるべきものは?耐震化が進む日本で必要なのはコミュニティ強化?「都市で起きたら隣の人は水もくれない」

地震大国・日本、大震災発生に備えるべきものは?耐震化が進む日本で必要なのはコミュニティ強化?「都市で起きたら隣の人は水もくれない」
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 熊本県で最大震度7を観測した地震が発生し、大型商業施設・イオンモール熊本ではガス爆発の可能性が高いとされる爆発が発生し、複数の死者が出た。熊本県内では30日までに420箇所の避難所に8698人が避難している。断水は約6万世帯以上に及び、猛暑の中で物資不足が深刻化している。

【映像】イオンモール熊本、大爆発の瞬間

 熊本県内で震度7を観測したのは、2016年の熊本地震で2度記録して以来、10年で3回目となる。復旧が進む街に再び大きな打撃が加わった今、行政は何をすべきか、そして地震に強い街をどう作るか。『ABEMA Prime』では、能登半島地震で復旧復興の指揮を執った前石川県知事・馳浩氏、復興アドバイザリーボード委員を務めた一般社団法人RCF代表理事・藤沢烈氏らとともに考えた。

■被災直後に必要なのは物資だけでなく「お金」

崩れた橋

 能登半島地震発生当時、石川県知事として対応にあたった馳氏は、繰り返し被災する熊本県民について「また来るとは思っていらっしゃらなかったと思う。いつになったら終わるんだろうかという気持ちではないか」と心情を察する。

 初期対応については「自助・共助・公助の中でも自助・共助の部分が、普段から訓練されていたかどうか」が鍵だと述べる。能登半島地震での反省として、全国からの支援や警察・消防・自衛隊のバックアップ体制については「普段から訓練をしておく必要があると感じた」と語り、大動脈である道路が寸断された際の対応についても「ヘリコプターをどこに下ろすか、海からどこに入るか、幹線道路の次の町道などどこから入ればいいかという準備を普段からしておく必要がある」と振り返った。

 また特に不足した支援物資として「女性への支援、障害のある方や介護が必要な方など社会的弱者向けの支援物資が足りなかった。そして、やっぱり水」と指摘した。

 今すぐできる支援として馳氏は「お金はすぐ必要。着の身着のまま逃げた方々が次の生活をどうするか考えている。まずはお金、義援金、あるいはふるさと納税という形で支援いただければ、現場は本当にありがたい」と訴えた。寄付先については「赤十字を中心に、公平公正に配分委員会のルールに基づいて届けられる。そこに早く集約していただいた方が良い」と説明した。

■都心で大震災が起きたら…復興アドバイザーが心配する「人間関係」の希薄さ

崩れた橋

 復興支援に詳しい一般社団法人RCF 代表理事の藤沢烈氏は、「(発生から)72時間は、とにかく人命救助が最も重要な時期。大量に水が送られてきても、トラックから出すのは地元の方になる。2トン車で水が来ても、対応する行政の方が参ってしまう。人とセットで物を送ることが必要だ」と述べ、善意の物資が現場の負担になるケースに警鐘を鳴らした。ふるさと納税については「災害時は返礼品なしのものが用意される。しかも被災自治体が開設する余裕がないとき、他の自治体に寄付するとそれが被災地に届く仕組みが今回も使えるので、返礼品なしのバージョンを活用してほしい」と呼びかけた。

 また、藤沢氏は被災リスクという観点から「ハードの面では日本はかなり進化している。その上で強い街とは何かというと、人間関係だと思う。私は都市の方がよっぽど危ないと思っている」と指摘する。「都市で被災して周りに知り合いがいない状況では、ほとんど生きていけない。水がなくなったからといって、隣の人は水をくれない。タワーマンションはエレベーターが止まり、水も出なくなる。都市は耐震基準は良いが、人間関係をどう作るかが課題だ」と述べた。

 さらに首都直下地震への懸念として「東京は昼間人口が住民の数倍にのぼる。都内の避難所は住民向けに設計されているため、平日昼間に地震が起きると完全にパンクする。働いている方は行き場がない。オフィスビルに備蓄があるかどうかにすべてかかっている。例えばある区が150万食を備蓄していても、それは1日分にしかならない。1週間は物が来ないと思った方がいい」と警告した。

■「地域コミュニティのつながりが最強」――デジタルと人間関係の両輪

断層の分布

 SEKAIA株式会社CEO・薄井シンシア氏は「日本は災害の国だからこそ、こういう緊急時だけ活動する予備役のようなサポーター制度を作れないか」と提案する。「その都度ボランティアを募るのではなく、システムとして整えて、緊急時には全員出動という仕組みにしてほしい」と述べた。

 馳氏はこれを受けて「防災士の育成と普段からの研修が重要だ。ある生命保険会社にセールスの方々にも防災士の資格を取ってもらうよう呼びかけたところ、36人中35人が取ってくれた。保険会社が持つビッグデータも活用できるし、何より住民と普段から顔を合わせている。そういった人々も含めて防災士を増やし、研修を続けることが大事だ」と語った。さらに位置情報に関してはGoogleなどの活用がイメージされる中、自衛隊によるものが最も効果的だとし「自衛隊から自治体に情報が入る。情報は、自衛隊も含めて政府の方が圧倒的にたくさん持っている。現場の市や町は人も少ないので、精度の高い情報が入ってこない。国と県と市、または警察、消防、自衛隊など情報の共有をいち早くするということが大事」だとした。

 馳氏はまた、復興の方向性としてコンパクトシティの考え方にも言及しつつ「繰り返し地震が来るとなると、コンパクトシティをエリアごとにいくつか作り、それを道路でつないでいくことも一定の理解のもとで進める必要がある」と述べた。加えて「情報通信のインフラが重大な問題だ。能登半島では上空から電波を届けるHAPS(高高度プラットフォームシステム)を2028年から導入する取り組みが進んでいる。どこにいても5Gや6Gでつながる環境があれば、早めの避難も可能になるし、誰がどこで助けを求めているかもわかる」と強調した。

 さらに「防災庁ができると思うがフェーズフリー、つまり普段からの備えが大事だ。早朝なのか深夜なのか、寒いのか暑いのか、どんな時でも地震は来る。地域とコミュニティがつながっていることが最強だと思っている」と締めくくった。 (『ABEMA Prime』より)

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