社会

ABEMA TIMES

2026年8月2日 11:15

「このまま死んでいくんだろうな」年金10万円、70歳男性が語る“孤独”「『ただいま』と言うときが一番寂しい」

「このまま死んでいくんだろうな」年金10万円、70歳男性が語る“孤独”「『ただいま』と言うときが一番寂しい」
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 気づけば昨日も今日も誰とも話さなかった。そんな日々を送る中高年が増えている。5、60代の男性のおよそ3人に1人が「友達がいない」と答えるなど、中高年の孤独・孤立は深刻な社会問題となっている。

【映像】年金10万円、70歳男性が一人で暮らす家の様子(実際の映像)

 孤独を感じている人の中には、同居している人以外と月に1回未満しか会わない人が25%にのぼるというデータもある。

 今年2月まで青森に住んでいた70歳の松田さんは、10年ほど一緒に暮らしたパートナーの女性から「やる気がないように見えた」として突然家を追い出され、住む場所を失った。アパートを借りようにも保証人となる家族がおらず、携帯で調べた末に大阪を選び、支援団体のサポートで部屋を借りた。現在は月10万円ほどの年金生活を送りながら、B型就労支援で梱包作業に通っている。かつて結婚して、現在40代の息子が2人いるが、20年以上会えていない。松田さんは「このままこうやって死んでいくんだろうなって思う」と語る。

 『ABEMA Prime』では、中高年の孤独・孤立について当事者と考えた。

■「家帰った時が一番寂しい」松田さんが語る孤独の実態

松田さん(70)

 松田さんは、毎日どんな時に寂しさを強く感じるか。「仕事を終えてだいたい1時半、2時ごろ家に帰った時が一番いやだ。マンションのドアを開けて『ただいま』と言うときが、一番寂しいかもしれない」と打ち明ける。仕事場では最近ようやくいろんな人と知り合えて楽しく過ごせているものの、帰宅後はスマホを眺めて過ごす時間が続くという。

 なぜ大阪で一人暮らしをすることになったのか。松田さんは青森にいた頃、20歳年下のパートナーと同居していたが、年齢から仕事ができなくなって自宅にいることが多くなり、「やる気がないと見られたのか、いきなり出て行ってくれと言われた」と振り返る。その後、青森でアパートを探したが保証人となれる家族が誰もいなく、「東京の三ノ谷か、横浜の寿町か、大阪の西成か」と携帯で調べ続け、「物価が安いのがダントツで大阪の西成だったので、じゃあ大阪行くか、という軽い気持ちだった」と話す。

 友人をつくることについては、「まるっきりない。ただ一緒にいていろいろ話したり、お茶飲んだりする友だちは欲しい。いればすごくいいんだろうとは思うけど、難しい」と話す。お酒は一滴も飲めないため飲み屋に行くこともなく、一旦家に帰るともう一歩も出たくなくなるという。孤独死についても「たまに本当に考える。このままこうやって死んでいくんだろうなって思う。でも落ち込んでいられない」。

■男性が孤立しやすい背景

伊藤文人氏

 高齢者の孤独・孤立を研究する東北大学講師の伊藤文人氏は、日頃のちょっとした手助けを頼れる人がいないと答える割合が、「高齢単独男性世帯では約23%であるのに対し、高齢単独女性世帯では約7%にとどまる」と説明する。「男性ほど助けを求めることに対してハードルが高いと思う。輪に入ろうとして失敗するのが怖いから腕組んで待つ、というのは大いにある」。

 プロデューサーの若新雄純氏は、地域ボランティアの現場での観察として、「圧倒的におばあちゃんが人気で、おじいちゃんは人気がない。100人いたら手を動かすおじいちゃんは2、3人。おばあちゃんたちは口も動かしながら手も動かしているが、定年退職して肩書きがなくなったおじいちゃんは、役割を与えられて『どうぞ』と言われないと何もしない。呼ばれて初めて『なら、やろうかな』という人がいっぱいいる」と話す。

 この点について、「昔は家長制度から続く男性特権みたいなものがあって、家でも会社でも立場が与えられていた。それが急激に剥がされてきた今、ちょうど転換期にある」との見方も示した。高橋氏は「家庭も職場のウェットな人間関係もなくなってきている。人が孤独になりやすい状況がある。かつ『迷惑かけてもいいんだ』をやってみないと分からない」と述べた。

■孤独・孤立を防ぐためには?

西山茉希

 では孤独・孤立を防ぐためにどうすればよいのか。モデル・タレントの西山茉希は、「町の銭湯に行くと、旦那さんを亡くしたおばあちゃん方が、ここに来るとみんなと生存確認して仲良くなる、と腹を割って話している。毎月年齢でチケット制のように安く入れたりするから負担にもならない。毎日のルーティンにするだけで、人間そんなに冷たくないから毎日来ている人に声をかけないまま一生過ごすことはない」との見方を示す。

 人に頼る・甘えるといった行動を長らくしてこなかった男性が高齢になってから変わることについて、伊藤氏は「環境を変えることだ。自分の話をしやすくする、頼みやすくする環境を整える。例えば、高齢男性だけで集まるようなコミュニティを作ってしまうことだ」と強調した。

 しかし松田さんは「一歩外に出れば、確かにそういうチャンスが生まれるだろうけど、難しい」と本音を漏らす。それに対して、西山茉希は「今ご自身がいらっしゃる環境の一歩外に、必ず可能性の種はあると思う。決めつけて動かないよりも、行動していたら必ず出会いが生まれる。その1個の勇気を毎日持っていただきたい」と呼びかけた。

(『ABEMA Prime』より)

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