社会

ABEMA TIMES

2026年8月5日 22:00

不適切行為の元特捜検事、笑顔で「名刺いただけます?」「だから名刺をください」 懲戒免職前に直撃取材した記者が体験した“恐怖”とは

不適切行為の元特捜検事、笑顔で「名刺いただけます?」「だから名刺をください」 懲戒免職前に直撃取材した記者が体験した“恐怖”とは
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【映像】「名刺いただけます?」「だから名刺をください」の瞬間(実際の様子)

 取り調べ対象だった女性との不適切な関係などを理由に、2026年7月29日付で懲戒免職処分となった元東京地検特捜部検事の西田将仁氏。この問題が明るみに出る前の今年5月、西田元検事への直撃取材を行っていたテレビ朝日社会部の西平大毅記者が当時の“攻防”と不適切行為の全貌を解説した。

 5月の直撃取材では、以下のようなやり取りがなされた。

 情報を掴んでいた西平記者が「検事として規則に違反した記憶はあるか?」と切り出すと、西田元検事は「全くない」と平然と回答。続けて「おととしから今年にかけて法に触れるようなことをしたことはないか?」と問うと、「いや、まったく。名刺いただけます?」と返答。「何か言いたいことは?」との問いに対しても笑顔で「いや、何もない。だから名刺をください」と繰り返し名刺の提出を要求した。西平記者が名刺を渡した上で「検事という立場に誓って特にないか」と重ねて確認しても、「特にない。では」と言い残し、そのまま歩き去った。

 西平記者はこの取材を振り返り、質問の最中に何度も名刺を求められた瞬間の圧迫感を口にする。相手は東京地検特捜部のエース格だった検事であり、「取材後に何らかの報復ではないが、そういうものがないか怖い思いをしながら(記事を)書いた」と、検事という立場から身元の特定などが容易に行えてしまう可能性を念頭に直撃当時の心境を明かした。

 西田元検事は、特捜部の中でも政財界の汚職事件を直接手がける「特殊直告班」のキャップを務め、自民党の裏金事件の捜査を指揮するなど、将来の特捜部長候補と目されていた人物だった。しかし、5月の直撃取材後に東京地検による調査が本格化すると、それまでの否定から一転して不適切関係を認めた。

 認定された内容によると、西田元検事は2024年に取り調べを担当した容疑者の女性と繰り返し性的な関係を持ち、検察側が重要案件の事情聴取などのために公費で確保していた1泊数万円以上のホテルの部屋を私的に悪用していたほか、刑事処分の確定前には女性側から3000円相当の電子マネーの提供も受けていた。取り調べのため数日間にわたり押さえている部屋に、資料管理などの目的で夜間に人が留まる慣行を悪用した形だった。

 事件の背景には、情報漏洩を防ぐため徹底した秘密主義が貫かれる特捜部特有の強い独立性と密行性があり、公費ホテルの利用に対するチェックが機能しなかった組織構造が指摘されている。また、強い縦社会である検察組織において、実績のあるエース級検事に対して上層部も信頼を寄せるあまり、チェックの目が甘くなっていた盲点も浮き彫りとなった。

 すでに過去に西田元検事が関わった他の事件の被告側から証拠能力を争う動きが出始めるなど、司法への信頼が揺らぐ事態となっている。そうした中、懲戒免職の処分発表時にテレビカメラの入室を認めなかった検察側の姿勢に対し、西平記者は「国民に対して本当に向き合っているのか」と疑問を呈し、一検事の問題にとどめず組織の構造的欠陥として真摯に向き合うべきだと指摘している。

(ニュース企画/ABEMA)

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