100年続く老舗温泉旅館にも深刻な被害が出ています。現地を取材すると家屋の被害に差が出ていることが分かりました。同じエリアで、なぜここまで。
老舗温泉旅館にも深刻な被害
今回の地震で震度6強を観測した熊本県八代市の「日奈久温泉街」。創業130年の老舗「柳屋旅館」は大きな被害を受けました。
「(Q.これも地震の影響?)はい、地震の影響」
地震の強い揺れによって外れた窓枠。建物には、壁ごと崩落している部分もあります。取材中にも地震が起きました。
柳屋旅館は10年前の地震でも被害を受け、国の補助金などを活用して建物を修復、営業を再開していました。
再び起きた今回の地震に…。
まもなくお盆休み。本来であれば、旅館にとっては書き入れ時です。
地震発生から6日で10日目。現地では、復旧作業が進んでいます。
県営住宅の無償提供へ
避難生活が続く人には県営住宅が無償提供されますが、熊本県は6日から、その申し込み受け付けを始めました。
「夫が障害者で車いすなんです。それに対応できる物件があるということで押さえたいなと」
県は、申し込みから1週間ほどで入居できるよう手配していくとしています。
その熊本や九州への影響が懸念されるのが、台風13号です。
地震でひび割れなどの被害があった球磨川沿いの堤防です。台風や出水期の大雨を前に急ピッチで復旧作業が進められています。
球磨川水系では、堤防のひび割れなど44カ所で被害が発生しています。
片渕公淑課長
「地震被害で大変な目に遭われた人もいますし、出水による被害を最小限に食い止めるためにもできることからやっていきたい」
住民には、壊れた屋根の応急処置に使うためのブルーシートが配られていました。
「この前の夕立でも雨漏りした。今度も台風が来るかもしれないし、今のうちに準備しておかないと」
熊本県内では、八代市や震度7を観測した宇城市を中心に約6700人が避難をしていて、いまだ3万6000戸以上が断水しています。
同じエリアで家屋倒壊に差
最大震度7を観測した氷川町。亀裂によって道路には段差ができていて、車はスピードを落として慎重に走行しています。この亀裂、道路の奥にも続いていて住宅の方向にまで伸びています。
この付近に、今回の地震を引き起こした「日奈久断層帯」があるとされています。
周辺を取材すると、気付くことがありました。
道路の亀裂から数百メートルのあたりでは建物が大きく崩れているのが目立ちます。1階部分が完全になくなっているような状況です。
目立つのは、木造とみられる家屋の倒壊です。
一方、氷川町内でも、わずか200メートルほど離れただけで…。立ち並ぶ住宅は、外からでは倒壊や大きな損傷などの被害は確認できません。
ほぼ同じエリアにもかかわらず、倒壊した家屋とそうでない家屋が。建物の構造や、古さの問題なのでしょうか?
木造の自宅が被害に遭った女性は、こんなことを言っていました。
「築80年以上、戦前からある建物。畳が盛り上がり、次に大きな地震がきたらつぶれると思い、怖かった。(すぐ近くの)兄の家は大丈夫だった」
地震で「キラーパルス」か
この地域で、一体何が起きていたのか?
地震学が専門の中島教授に聞きました。考えられる可能性の一つが…。
「かなり大きな『キラーパルス』が、この地域に影響を与えたのでは」
地震による揺れは、地震動の周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が短いほど小刻みに、長いほどゆっくり、大きく動く揺れになります。
このうち、周期が1〜2秒でやや短周期の揺れが「キラーパルス」と呼ばれていて、特に木造住宅の揺れを増幅させ、甚大なダメージを与えるとされています。
では、なぜ今回「キラーパルス」の影響が大きかったのか?要因の一つが、震源が浅かったことです。
「今回浅い地震なので、家の倒壊や土砂災害の危険性が十分ある」
「(震源が)浅く大きな地震は、周期1〜2秒の揺れ=キラーパルスを多く含む。キラーパルスが大きいと木造家屋の倒壊が多くなる傾向」
そして、特にキラーパルスの影響が大きくなりやすい地域が…。
もちろん、断層に近い所だけが危ないわけではありません。
(2026年8月6日放送分より)











