熊本県で地震が発生してから10日が経ちました。被災地では、被災者の心を支えるボランティア活動が始まっています。被災者の大切なものを救出する災害NGO「結」に密着しました。
自宅被災 住まい探し
6日に熊本市で募集していたのは、県営住宅の居住者です。
「県営住宅の申し込みということで、主人が障がい者で車いすなんです。それに対応できる物件があるということで、それを押さえたいなと」
朝から相談に来ていた女性。自宅が被災し、避難先の空きを探しに来ていました。
家族と離れて暮らすことも覚悟していたといいますが、入居できそうな物件を紹介してもらい、安堵の表情です。
「今ちょっと進捗(しんちょく)を見てきます」
結果は…。
「よかったですね。カミクマ(上熊本)残っとったっす」
被災者
「本当ですか、ああ良かった」
職員
「うん、どうぞどうぞ」
無事、入居の手続きを進めることができました。
屋根の雨対策 急ピッチ
震災後、厳しい暑さに見舞われている熊本県。さらに、今週末にかけて懸念されているのが、台風13号の影響です。
激しく打ち付ける雨。7日午前4時半ごろの奄美大島です。大型で強い台風13号が沖縄や奄美に接近しています。
雨による2次災害に備え、八代市では屋根を覆うためのブルーシートが配られました。
「地震で屋根の瓦が落ちたので、今度雨が降ったら家の中濡れてしまうので、ブルーシートを張ろうかと思って」
県から依頼を受けた建設会社が、瓦が落ちた屋根をブルーシートで覆い、固定するための土のうは、自衛隊が作成し運搬します。
「台風が近付いておりますので、この暑い中来てもらうのは申し訳ないけど、助かりました」
“心”を支える活動
暮らしを支える制度や援助が進む一方、被災者の“心”を支えようとするボランティアの姿もあります。
「他のところから来た人たちは、『熊本といえば』というイメージ。自分が思っていることを一言足して、自己紹介お願いします」
倒壊した家屋から貴重品などを救出する災害NGO「結」。この日も、朝から参加者が集まっていました。
「おはようございます。『結』事務局のあすきです。熊本と言えば高千穂に行ってみたいです」
前原代表
「それ宮崎だよ。それくらい熊本のこと知りませんからね」
あすきさん
「失礼しました」
集まったメンバーの出身や背景は様々です。この日の予定は…。
九州テクニカルネットワーク
渡邉英典代表(66)
「1個目のところはきのうで2日目だったんですけれども、貴重品を取り出し、10点以上出して、残りあとおばあちゃんの手提げバッグを、きょうまた午前中捜そうと思っています」
それぞれが班ごとに分かれ、担当する現場へ向かいます。
倒壊家屋から貴重品を救出
氷川町にあるこちらの現場はこの日が3日目。最後におばあちゃんのバッグを救出します。
地震発生当時も家の中にいたという義理の娘の道永タマミさん(56)は次のように話します。
壁や柱も倒れ、部屋の区別もつかないような状態。重機も使いながら、手探りで捜索します。台所だったという辺りをしばらく探していると…。
「ちょっと確認してきますね」
バッグのようなものが見つかり、急いで確認しに行くと…。
「おかあさん、これですか?」
一恵さん(79)
「それ、良かったぁ」
ボランティア
「中身、確認してもらっていいです?携帯入っていますね」
一恵さん
「良かった。ありがとうございます」
中身もそのまま、無事に見つかり、ほっとした表情です。
3日越しの発見に、渡邉さんも喜びます。
貴重品のほとんどが入っていたため、携帯電話に財布、車の鍵まで取り戻すことができました。
子猫やアルバムも救出
地震発生当日から現場入りしていた「結」のボランティア。現場では、こんな救出劇も…。
軽トラックから救出されていたのは、なんと子猫。飼い主のもとから離れていたといいますが、小さな声をたどり、再会することができました。
他にも小さな鍵を発見し、開かずの引き出しを開けることができました。
大きな揺れによって、倒壊した住宅が目立つ熊本。台風の影も近付いている中、一刻も早い貴重品の救出を目指し、次の現場に移ります。
「その潜ってる人。この辺取れんかね」
ボランティア
「おお!」
渡邉さん
「あったろ、これかな。今んとこ正解。OKOK」
崩れた部屋の中から、短時間の間にアルバムや資料などを次々と救出します。
指揮をとるのは元消防士
指揮をとった渡邉さんは元消防士のベテラン。普段は熊本を拠点に、九州のボランティア団体をつなげる活動をしています。
「6年前までは、熊本市の消防士です。10年前に(熊本地震が)あるまでは災害ボランティアとかはやったことがなくて、ただ災害ボランティアを1年以上やったので、自分は再任用で消防に残るのはやめ、俺はこっちに進むべきだと。自分の進むべき道が見えてきた時に将来が明るくなった」
渡邉さんの背中を追いかけ、現役の消防士たちも参加していました。
田中竜馬さん(31)
「自分たちは大きな被災に遭っていないので、被災に遭っている所に助けに行くというのがきついとかは言っていられないです」
木本聖吾さん(38)
「こういう災害はない方がいいんですけど、実際できないとやっぱり助けられないのもあるので、そういった訓練を常にしているところです」
生活必需品ではなく、貴重品を救出するボランティア。始まりは、被災者へのある想いからでした。
被災者への思い
中心となる災害NGO「結」の代表・前原さんは、貴重品を救出することで、被災者の心の支えになりたいと語ります。
(2026年8月7日放送分より)













