熊本地震の発生から1週間以上が経過した。震度6強を観測した熊本県八代市では断水状態が続き、猛暑の中での避難生活を余儀なくされている市民が多数いる。避難所には3900人がピーク時に身を寄せ、40カ所以上の拠点で支援が続けられてきた。
物資の確保が進む一方で、必要な人のもとに届けるための「ラストワンマイル」の問題が浮上している。『ABEMA Prime』では、被災地が抱える支援の課題と、外部からできることについて考えた。
■「毛細血管の部分に物資を行き届かせるのが一番難しい」
熊本・八代市の小野泰輔市長は、現状の最大の課題として断水を挙げつつ、状況が改善し、8月末には解消できる見通しが立ったことに安堵感を示した。物資については「ある程度集まってきてはいるが、避難所の生活が長くなるにつれて、よりきめ細かいニーズへの対応が必要になる。離乳食や各種サイズのおむつ、熱中症対策、栄養状態を考えた食事など、単にパンと水だけではなく、もっと細かいニーズに対応していかなければいけない」と語る。
問題として浮き彫りになっているのは、物資を届ける人手の不足だ。「市職員1100人のうち約3分の1が避難所に張りついている状態であり、自分で取りに来られる人への対応はできるが、高齢で独居の方などには支援が届いていないケースがある」。また、「圧倒的に人手不足だ。ラストワンマイルというところがどうしても一番難しい部分になってくる」と述べる。
この点について、地震発生翌日から被災地に入り支援を続ける災害NGO「結」代表の前原土武氏も、現場での実態として同様の状況を確認している。「高齢者の方々が物資を取りに行けないのは現実だ。一方で、近所の人の分まで持っていって届けるボランティア的な動きをしている住民もいる。避難所に指定されていない集会所のような自主避難所では、川から水を汲んで入れてあげている若者もいる。みんなでカバーし合えば、今の困難を乗り越えられるのではないか」との考えを示した。
■「1カ月後には改善できると思うが、一番必要なのは今の時期」
小野市長は、いわゆる「プッシュ型支援」については「熊本地震の時に自衛隊が大量の物資を最初に送り込み、物量不足をなくすという取り組みが今回もうまくいっている」と評価しつつ、「毛細血管の部分のより細かいところへの物資の届け方、あるいは見守りや健康観察については、まだまだ難しい。手間もかかる」との現状を説明する。
解決策として動いているのが、地域の市政協力委員との連携だ。「これから町内会長とのミーティングを行う予定だ。どういう人が住んでいるかを把握している町内会長が届かない人にアプローチし、我々がその町内会長をサポートするような形で”毛細血管”を作っていくことが大事だ」。あわせて「前原さんのような経験豊かなボランティア団体の皆さんが地域と連携し、元気に動ける若者なども一緒になって支援していくのが一番現実的だ」と話す。
アプリ活用などの技術的な対応についても、東京大学の研究室と連携しツール開発を進めていると明かした。ただし、「年寄りで独居の方はまずアプリを使えないので、結局は誰かがそれを補わなければいけない。ボランティア団体が地域に入り、アプリを使いながらどこにどういうニーズがある人がいるかを把握してやるしかない。おそらく1カ月後ぐらいには改善できると思うが、やはり一番必要なのは今の時期だ」と訴える。
小野市長は、2週間を過ぎた頃から災害関連死が増えてくることを踏まえ、「いかにリスクをちゃんと感知し、適切な手を打てるかが非常に大事だ。あらゆる選択肢を排除せずに少しでもいいものはやろうという姿勢を続けたい」と強調した。
(『ABEMA Prime』より)