80歳の母親を踏みつけて死亡させたとして、58歳の息子が逮捕されました。2人暮らしだった親子に何があったのでしょうか。
容疑者、自ら通報
セミの声が響くなか、送検される無職・釣野嘉樹容疑者(58)。
同居していた母親の広田智津代さん(当時80)に対する傷害致死の疑いが持たれています。
「(Q.釣野容疑者の印象は?)普通に元気よくあいさつしてくれる人。悪い印象は特にない」
「そんなことが起きるとは、仲の良い家族だと思っていた」
近所の人に「仲が良い」と思われていた家族に、日常的な虐待はあったのでしょうか。
現場は大阪府の最南端に位置する泉南郡岬町です。
容疑者の自宅は、窓はシャッターで閉ざされ、ひっそりと静まり返っています。
発端は先月10日。午前2時47分にあった119番通報でした。
「虐待をしてしまった。息をしていない」
電話をかけてきたのは釣野容疑者本人です。
警察によると、釣野容疑者は午前2時半ごろ、1階の台所で寝ていた母親に激高。胸を踏みつけ、肋骨(ろっこつ)8本を折るなどして、外傷性ショックで死亡させた疑いが持たれています。
暴行は約15分にも及んでいて、母親は午前3時、搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察の調べに対し、釣野容疑者は容疑を認めています。
「私がやったことに間違いありません」
仕事辞めて介護
亡くなった広田さんは要介護認定を受けていて、寝たきりではありませんが、体は動かしにくい状態だったといいます。
一方、釣野容疑者は以前から母親と同居していましたが、2人暮らしになったのは2012年で、その10年後には介護のためか仕事を辞め、無職となっています。
生活保護は受けていませんでした。また、行政や福祉のサポートを受けていた形跡はなく、完全に2人きりで生活していたとみられます。
「(釣野容疑者は)54歳で早期退職してお母さんの介護をするようになったが、物価が上がったので、“またどっか仕事を探さないと”という話はしていた」
近くに住む人が耳にしたのは、つらい介護の現実です。
母親の体に複数のあざ
釣野容疑者は供述で「介護でストレスがたまっていた」と話していますが、母親の体には複数のあざがあり、疑われるのは日常的な暴行です。
今回明らかとなった先月10日の暴行以前にも、先月4日からは左上腕への殴打があり、9日には左上腕に加え、頭部を殴ったということです。
結城康博教授
「もしかしたらあまり支援者が関わっていなかったり、孤立して誰も関わらなかったので日々虐待が繰り返され、結局は死に至らしめてしまった」
介護の現場に詳しい淑徳大学の結城教授は、介護の「孤立化」に警鐘を鳴らします。
(2026年8月10日放送分より)








