熊本地震から2週間。
『イオンモール熊本』では、地震のあとに大規模な爆発が起き、従業員7人が亡くなりました。
地震が起きたとき、店の中にいたのは、客と従業員を合わせて約4500人。爆発が起きる前に、避難は完了していました。
「不謹慎な言い方かもしれませんが、犠牲になられた方には、本当にお悔やみを申し上げたいところであるんですが、当初、おられたお客さま、それ以外の従業員の方を避難できたこと。評価をしてもいい面もあるんだと、あえて、この場で申し上げたい」
避難後の再入館「認めた事実あった」
今回のような地震の場合、マニュアルでは、施設の外に避難したあと、館内に戻ってはいけないと定められています。しかし、イオンは11日、実際には、現場の判断で再入館を認めていたことを明らかにしました。
イオンによりますと、イオンモール熊本は、車で通勤している人が非常に多い店舗。地震発生から約30分後の午後5時ごろには、専門店の従業員の避難が完了したものの、車の鍵を店に置いて避難した人たちが帰宅困難者となりました。ほどなくして「鍵を取りに行きたい」と再入館を求める声が上がります。また、「貴重品を回収したい」「トイレを使いたい」「レジを締めたい」といった要望も相次ぎました。
「結構、みんな(外で)固まって座って、安否確認などをされていました。戻りたいけど、いま、どういう状況かわからないから、戻れないよねって話は、結構、されていましたし、やっぱり携帯とかを持っていない方もいたので、“取りに行きたい”って声は、たくさん聞こえていました」
混乱が広がるなかで、イオン側の現場担当者が、一時的な再入館の許可に踏み切ります。
許可は、要望に対して個別に出し、「館内に戻っていい」といったアナウンスはしていないというのがイオンの説明です。
ただ、再入館したフードコートの従業員によりますと、かなりの人数が、特段の許可を得ることなく、それぞれの店に戻っていたといいます。
「店長の方から連絡が来て、火の元・ガス・フライヤー・電源だけ落として帰るってことになったので、もう1回、中に戻ったんです。(Q.“戻らないでください”の声は)特に、そういう注意はなかったんですけど、ほかの店舗も“火の元があるから”とか言って、フードコートの店舗は、全部、火の元を消しに行った」
従業員の通用口は、自由に出入りができる状態だったという証言もあります。
「地震の30分後ぐらいに入ったので、午後5時過ぎだったかと思います。誰も止めることなく、すんなり入れるって状況でした。(イオン側の)止める人も、自分たちを見ているだけみたいな。自分も1〜2分(出るのが)遅れてたら、もしかしたら亡くなってたのかな」
そもそも、なぜ爆発が起きたかは、2週間が経ったいまもわかっていません。
関連死リスク高まる 保健師が警戒
避難生活を送る人たちからは、先行きの見えない状況に不安の声が上がっています。
「関連死は、いまからだもんね。夜寝ても、寝られない」
10年前の熊本地震では、災害関連死が、死者全体の約8割を占めました。
その教訓から、被災した自治体は、いま、住民の生活の状況の確認を急いでいます。
震度7を観測した氷川町では、全4500世帯の訪問が目標です。
断水が解消していない家の女性のもとに保健師が訪ねました。
「(水は)どこかへくみに行く。それとも地下水?」
「地下水」
「片付けもだいぶ暑いと思うんですけど、水分とか意識的にとっていますか。熱中症とか、気をつけてくださいね。今後、お体のことで、心配事があったら、お気軽にご相談ください」
過酷な暑さの中で体調を崩す人も相次ぐなか、いまは時間との戦いです。
「8月7日から全戸訪問を始めて、ようやく4分の1、回れている状況。まだ回れていない地区を回って、町全体の状況を把握するのが急がれる」
イオン“規程・運用の見直し”公表
災害関連死を防ぐ取り組みの一方、イオンによる爆発事故の検証が進められています。
焦点となったのが、避難後の行動の想定でした。5回目となったイオンの報告を見ていきます。
イオンは「避難後の規程やマニュアル、教育・運用体制が無かったことが現場に判断をゆだねる結果につながったものと重く受け止めています。地震防災規則や避難訓練は、避難後に生じ得る私物の回収要望や帰宅困難者等への具体的な対応が想定されておりませんでした。今回、マニュアル改定を進めるとともに、避難後の再入館を防止する観点から、従業員が勤務時に貴重品等を携帯できるよう、ルールを変更いたします」としたうえで、今後、「爆発原因も含め、本格的な究明と再発防止策の検討を進め、対策を講じる」などとコメントしています。




