社会

ABEMA TIMES

2026年8月13日 07:00

熊本の復旧 10年前の教訓…出来たこと&新たな課題 現地入りした議員「支援のラストワンマイルに課題はあるが今回は“仕分け”ができている」

熊本の復旧 10年前の教訓…出来たこと&新たな課題 現地入りした議員「支援のラストワンマイルに課題はあるが今回は“仕分け”ができている」
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 令和8年熊本地震の発生から2週間が経過した。県によると、死者39人、重傷者26人、11の自治体で3714人が避難生活を余儀なくされている(11日午後2時時点)。一方で、熊本城は発生からおよそ2週間での観光再開が発表され、停電は3〜4日で解消。断水についても政府が8月末までの全面復旧を目標に掲げた。2016年の熊本地震では、断水解消に約3カ月半を要したが、今回の対応の早さが目立つ。

【映像】ひと目でわかる 過去の災害からの「改善点」

 過去の教訓はどこまで生かされ、何がまだ足りないのか。『ABEMA Prime』では、今回の地震対応において生かされた改善と残る課題について考えた。

■他自治体のサポート体制は成功&支援物資の仕分けはできたが…

 能登の復旧・復興アドバイザリーボード委員を務め、一般社団法人RCF代表理事の藤沢烈氏は、現地視察を踏まえ、前回からの大きな改善点として「対口支援」を挙げる。被災自治体に対して別の自治体が支援に当たる仕組みで、「2016年の熊本地震後に制度化され、今回もかなり多くの他自治体から人が入っている。これが被災自治体への大きな助けになっている」と説明する。実際、氷川町には佐賀県が、八代市には大分・鹿児島・沖縄県が、宇城市には福岡市がパートナーとなり、延べ7000人規模の職員が現地で活動しているという。

 また、被災地で課題となるのが届いた支援物資をどのように仕分けて、被災者に届けるかだ。届ける仕組みは、プッシュ型支援、国や自治体・支援団体が被災地からの具体的な要請を待たずに、必要と見込まれる食料や物資、医療チームなどを先回りして緊急輸送・派遣する仕組みをとっている。発災後から現地入りしている自民党の西野太亮議員は「2016年の地震のとき、初めてプッシュ型支援が実行された震災だったが、熊本の自治体が受け入れ体制を整えられず、物資が陸上競技場にごちゃ混ぜに押し込まれていた。夜中の10時、11時から100人、200人のボランティアが集まって一生懸命仕分けをしていた。一方で今回は受け入れ態勢や仕分け体制が整ってきている」と語る。

■「物は届いているけど裁く人がいない」ラストワンマイル問題

 支援物資の仕分けまでは改善が進む一方で、藤沢氏が繰り返し指摘したのが「ラストワンマイル」の問題だ。「物資は避難所まで来ているが、その先に届いていない。在宅避難されている方や車中泊の方に物が届いていない」と述べ、物資を現場で受け取り、設置・配送する人手の不足が根本にあると説明する。「ダンボールベッドも1個10キロほどの重さがあって、設置する人が足りず、届いてもそれが敷かれるまで数日かかった」。

 西野氏もこの点を認め、「ラストワンマイルの部分に課題は残っている」としつつ、10年前との違いも強調する。「今回は仕分けができていて、避難所まで物資が届くところまでは来ている。さらにその先、避難所に来られない方々にどう届けるかが残っている課題だ」と語る。実際に八代市では、市長の判断で青年会議所(JC)や地元自治会長と連携してきめ細かな配送体制を構築しようとしており、「この取り組みなども参考にしながら他の地域にも横展開できれば」と話す。

 解決策として藤沢氏は物流業者との連携を挙げ、「配送業者と自治体がもっと事前に協定を組んで、いざ起きた時には物流業者が入って裁きをする仕組みが必要だ」と提言する。ただし、仕組み作りが自治体任せになっている現状も指摘し、「首長ごとにまちまちになっている」と課題を述べた。

■防災庁が11月発足 災害対応どう変わる?

 今回の対応に対してはネット上で「高市総理の手腕」を称える声もあるが、藤沢氏はより構造的な視点を示す。「総理の判断は一部だと思っていて、今回の熊本県知事は10年前に県の総務部長を経験していて、熊本市長も当時経験を積まれていた。そういった経験のある方々が地元のリーダーにいらっしゃったことが大きかった」。

 政治ジャーナリストの岩田明子氏は高市総理の判断を評価しつつも「激甚指定が早かった。総理の現地視察のタイミングも防災幹部を引き連れていったことで復旧が加速する。ただ、どの政権でもちゃんと根付かせていくことがものすごく大事だ」との見方を示した。

 11月に発足予定の防災庁についても議論が及んだ。現行の220人体制から350人体制に増員し、内閣府の防災チームを格上げする形での発足が予定されている。

 藤沢氏は防災庁への期待として「過去の災害の振り返りを自治体にしっかり浸透させること」を求める。「能登半島地震の振り返りでラストワンマイル問題はすでに認識されていたのに、今回また間に合っていない。防災庁には、避難所環境の改善もラストワンマイルの解決も、リーダーシップだけに頼らず事前に準備できる仕組みを各自治体に整備させる役割を担ってほしい。どなたがリーダーであっても、あるいはリーダーになったばかりの方であっても、それなりの対応ができる国にしていかないといけない」と訴えた。

(『ABEMA Prime』より)

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