停電と浸水 同時発生「命が危ない」
12時間雨量が348.0mmと、わずか半日で平年8月の3倍の雨が降り、4人の死者をだした千葉市。
「ちょっと想像がつかなかったですね、千葉で長く生きていますけど、これだけ勢いがすごいのは初めて経験しました」
後片付けに追われているのは、千葉市内の焼き肉店。未だに停電が続き、浸水の影響で冷蔵庫が浮いてしまったといいます。
浸水した焼き肉店の店主
「6時から始まって、もうほとんど30分くらいで、玄関から一気に水が入ってくるような状況」
当日、午後6時10分の映像です。ドアの隙間から、水が勢いよく店へと流れ込んでいます。
その40分後の映像では、店員が膝近くまで水に浸かっている様子が分かります。
浸水対策 新たな施設 内部の状態は
なぜ、浸水を防ぐことができなかったのか?
焼肉店から程近い公園の地下に、その答えはありました。
「まだ若干水が溜まっていますね、真っ暗だ」
去年7月から運用を開始した『宮崎雨水貯留槽』。雨水を一時的に貯めることで、下水道などへの流出量を抑え、浸水被害を防ぐための施設です。さらに奥へ進むと…
「巨大な丸い穴が見えてきました。まさに水が流れた跡が残っていますね」
今回の豪雨にも活用されたこの施設。
「奥にあります水路から水がこちらの方に入ってくるというような仕掛けになっております」
施設は、大雨が降ると雨水路から貯留槽に水が流れ込み、流出量を調整しながら別の水路へ排出。貯留槽がいっぱいになるまで稼働します。その容量は、実に25mプール約28杯分。
「このあたり分かりやすいですね、上の方まで水がきていたというのがはっきりとわかります」
想定されたのは、時間雨量65.1mm。
しかし今回は、1時間に115.0mmと、想定外の雨が降ったため、雨水が施設に入りきらず、浸水被害が多かった蘇我駅周辺に押し寄せたのです。
想像を遥かに超えた、雨の量。
「さらに蘇我駅近辺が、もう少し冠水の度合いが高くなっていたのではないかと考えております。今回、完全に(貯留施設は)フル稼働したと考えております。それ以上の雨が降ったというのは忸怩たる思いではございます」
巨大な渦 「モンスーンジャイア」とは
千葉県を中心に被害を出した局地的な豪雨は、なぜ起きたのでしょうか。
「モンスーンジャイアの周りを回って、湿った水蒸気が延々と入ってきた。これがまず千葉県に入ってきた原因です」
モンスーンジャイアとは、数年に1度発生する、数千km規模の反時計回りの低気圧のような渦。温暖化によって発生頻度があがっているその渦が、日本列島の南を北上していた台風17号周辺の暖かく湿った空気を関東に流し込み続けました。さらに…
「『モンスーンジャイア』、それから『寒冷渦』、それから『北の高気圧』、この3つがないと、こういうことは起こらなかったと思います」
北に居座った時計回りの「高気圧」によって、モンスーンジャイアが運んだ湿った空気は勢いを増し、千葉へと押し寄せます。そして、その湿った空気は、上空にあった「寒冷渦」と呼ばれる寒気を伴う気流にぶつかり、複数の線状降水帯を発生させたのです。豪雨をもたらした“3つの気象現象”。同時に発生するのは稀ですが、今後、増えてくる可能性もあると言います。
「地球が温暖化すれば海の温度が上がる。そうすれば海から上がる水蒸気も増えますから、日本のどこで今回のような豪雨が起こってもおかしくない時代になったと思います。日本っていうのは熱帯化していると。あるいは東南アジアのように変わって来ていると。過去の常識は通用しないようになっているような気がします」














