千葉県を襲った豪雨から4日。復旧作業が続いています。
インフラ被害で生活にも影響
千葉市の中心部にある事務所。ボイラー室では、空調などに使うモーターがまだ水に浸かったままでした。
外に置いてある業務車両は、すべて水に浸かりました。修理ができるかも不明だそうです。
17日、新たに千葉市内の田んぼから、50代〜60代の男性の遺体が見つかるなど、死者は3人増え、13人となりました。
千葉市緑区では、村田川が氾濫。区内では道路の一部が崩落していました。
付近では、断水が続いていて、給水も行われていました。水道の復旧は、めどが立っていないのが現状です。
代行バスも…駅前に長蛇の列
茂原駅では、外房線が運休しているため、『緊急災害対応』と書かれたバスでの振替輸送が行われていました。
バスが向かうのは蘇我駅。大回りが必要なため、距離は80キロほど、1時間半かかります。
バスが向かった蘇我駅では、ようやく家路につけると話す人がいました。
「茂原に、自宅にやっと帰ります。13日の晩からずっと帰れませんでした」
JR東日本によりますと、外房線の大網−本納駅間は、18日に再開。誉田―大網駅間は、24日の運転再開を目指すとしています。
水引かず介護施設が孤立
茂原市では、豪雨から4日経ったいまも水が残っています。
特別養護老人ホーム『光風荘』。
施設の周辺が浸水するなか、高齢者約60人が2階に避難して生活しています。
「一番、困っていることは、車が入って来られないので、物資ですよね。搬入が難しい」
豪雨翌日、14日に撮影された映像を見ると、雨は止んでいますが、周辺には水が流れ続けていました。状況がより悪化したのは、翌日の15日。水位はピークに達します。この間、入居者に急病人が出た際には、消防がボートで駆けつけ、必死の搬送が行われました。
いまも車が近づけないため、食材の配送もストップ。現在は、施設に備蓄していたパックご飯や缶詰などを提供しています。市役所からの物資の支援も届いていて、当面は対応できるそうですが、いつ水が引くのか不安が募ります。
「何度も方々に連絡して、『何とかしてくれ』という話はしていて、なかなか引かないどころか、どんどん増え続けていたんで、非常に恐怖感があった」
放置車両 少なくとも2700台超
もう一つ、解決の糸口が見えないのが、県内のいたるところに残る“放置車両”です。
千葉市などによりますと、道路上にある車だけでも、一時、2500台。県が管理する道路と合わせると、少なくとも2700台以上が、放置されていたということです。
レッカー業者も、連日、手一杯での作業です。
「路上にとまっているのが、結構、多い」
17日、作業に出でいるのはフル稼働の6人。それぞれ、現場の対応は1人です。
この会社で、1日にレッカーできるのは、約50台が限界。これが、14日から続いています。
レッカーで運んできた車は、修理工場やディーラーへと運ばれていきますが、お盆休みのため、運ぶことができず、100台ほどがとめられる会社の敷地も、すでに満車状態です。
「(道路の)端にできれば、交通の妨げにならないように、移動してあげたいなとは思うんですけど、こっちも忙しくて」
専門家が警告“錯覚の水深”
なぜ、これほどまで、冠水現場に車が入っていってしまったのか。
13日に撮影された動画を見ると、車が水に突っ込む直前、道が茶色く濁った水で覆われ、地形がわかりません。手前の車と奥の水面は、同じ高さに見えます。
防災システム研究所の山村武彦所長は、現場である点を指摘します。
「この辺りから浸水したとしたら、一番、低いところまで、かなりの深さがある。実際に向こう側の坂の上から下ってきたら、ここは見えない。深さそのものが、どのくらいということよりも、平らに見えていたかもしれない」
平地に見える“錯覚”。被害にあわないためには、車を降り、現場を直接、確認するしかないと話します。
「自分で車を止めて、降りて、浸水場所まで行き、懐中電灯で照らしてみて、足で確かめるしかない」
県は、国や自治体と連携し、『放置車両プロジェクトチーム』を18日に立ち上げ、対応を加速させるとしています。
放置車両“2700台超”対応は
“放置車両”約2700台の内訳が見えてきました。
道路といっても国道・県道・市町村道で管理者が変わります。
国が管理する国道では、放置車両61台を路肩などに移動。千葉県が管理する道路(県道など)では、放置車両227台を移動させたといいます。
通常、自動車は、私有財産で勝手に動かせませんが、緊急車両の通行を妨げるような場合、『災害対策基本法』に基づき、移動させることが可能です。
市道・町道については、市や町の管理になります。
千葉市が管理する道路には、放置車両が約2500台確認されています。このうち、通行の妨げになっている約500台については、道路脇などに移動済みですが、残りの約2000台は、そのままの状態だということです。
道路以外でも、自宅の車庫や駐車場での水没などを含めれば、その数は、膨大に膨らむ可能性があります。
ほかの市にも聞きましたが、全体像はつかめていない模様です。
佐倉市は29台、市原市は約10台、四街道市は9台を通行の妨げになっているとして移動済みですが、それ以外の放置車両の数は不明とのことです。
そして、放置車両のこの先は、個人の責任になります。
まず、頭に浮かぶのは『自動車保険』です。強制加入の自賠責保険では、水害による車両補償には、対応していません。ただ、多くの方が任意の自動車保険には加入していると思います。
日本損保協会によりますと、『車両保険』を付けていれば、台風や洪水などの風水害で損害を被った場合、修理や基本的にはレッカーも保険の対象になるということです。
千葉県の車両保険の加入率は50.5%で、全国平均47.4%よりも高くなっています。ただ、車両保険を付けていない方も約半分います。その場合、修理は実費になってしまいますが、車両保険はなくても“レッカー特約”が付いている場合が多いそうです。自分の自動車保険の内容について、保険会社に確認をしてほしいとしています。
JAFによりますと、これまでに千葉県内で3871件の救援依頼を受け付けていますが、「豪雨発生直後は、避難や安全確保を優先された方も多く、時間の経過とともに救援要請が増加傾向にある」としています。
取材したレッカー業者は、従業員6人がフル稼働している状況ですが、「1日のレッカーは50台程度が限度。今後、車両の数が増えていけば、従業員のマンパワーに限界が来る」と話していました。
こうした事態を受けて、政府も放置車両について、自治体がひとまず保管するとの通知を出しています。所有者の意思を確認して、引き取り業者に引き渡すなど、処分の代行をすることも可能としています。



















