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2026年8月18日 16:00

全国で増える『倒木事故』下敷きで死者も…街路樹に潜む危険 その背景とは

全国で増える『倒木事故』下敷きで死者も…街路樹に潜む危険 その背景とは
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いま全国で倒木による事故が増えています。

倒木事故で死者も出ています。
街路樹に潜む危険と、なぜ各地で倒木が相次いでいるのか見ていきます。

■公園や街路樹など倒木 年平均5000本超 死亡事故も

全国各地で倒木が相次いでいます。

栃木県の宇都宮駅では、8月11日、台風15号の影響で、駅西口のロータリー付近にあった高さ10メートルほどの木が倒れ、歩道をふさぎました
けが人はいませんでした。

静岡県御殿場市では、7月、サッカーグラウンドで、高さ20メートルの木が倒れました
小学生のサッカーの試合を観戦していた親や子どもがこの事故に巻き込まれ、7人が重軽傷を負いました。

東京都世田谷区の砧公園では、3月・4月と、サクラ・ケヤキなど、1カ月間で5本の倒木がありました。
女性が一時下敷きになって、けがをしたり、車2台に折れた木の枝が当たったりする被害がありました。

東京・日野市では、2024年、緑地の歩道で、直径約30センチ、長さが約5メートルのイチョウの枝が落下しました。
30代男性が下敷きになり、亡くなっています

街路樹の数です。

全国には(国・都道府県・自治体が管理する)街路樹が720万本あります。
2018年から2022年の5年間で、合わせて約2万6000本、年平均で約5200本の倒木が発生しています。

全国の都市公園や道路で起きた倒木事故の件数です。
2021年が266件、
2022年が361件、
2023年が572件、
2024年は(11月7日までで)533件、
と増加しています。

人的・物的被害を合わせると約1700件
このうち人身事故は110件起きています。

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■街路樹 減災効果や温暖化対策に 沿道の景観を彩る役割も

街路樹には様々な役割があります。

▼木陰を作り、日差しを遮る
▼葉の蒸散作用で涼しくなる
排ガス・騒音を和らげる
▼植物の呼吸・大気汚染物質の吸着により空気を浄化
▼『ヒートアイランド現象』の緩和
などの役割があります。

減災にも繋がっています。

1995年に発生した阪神淡路大震災の際には、街路樹が倒壊する家屋を支え、がれきが道路をふさぐことを防ぎました

さらに、樹木に蓄えられた水分が、防火機能を果たし、火災の延焼も阻止したといいます。
丸く囲んであるところは神戸市にある、大国公園というところです。
公園周辺は焼けてしまっていますが、この場所だけ焼けずに残っているのがわかります。
周囲に植えられていた、葉の水分が多いクスノキなどの木が延焼を防いだとされています。

街路樹には、沿道の景観を彩るという効果もあります。

全国の絶景並木道です。
北海道大学敷地内のポプラ並木は、72本のポプラが立ち並ぶ、全長約300メートルの並木道です。   
深緑の見ごろは、6月から8月ごろ。
青々と茂る葉が美しい、札幌を代表する観光名所です。

続いて、青森県岩木山の桜並木です。
全長約20キロにわたり、約5000本のオオヤマザクラが並びます。
桜の見ごろは、4月中旬から下旬です。
標高差があるため、低い方から高い方へ向かって場所を変えながら、美しいオオヤマザクラの桜並木を楽しむことができます。

東京の明治神宮外苑にあるイチョウ並木も有名です。
樹齢約120年のイチョウの木が300メートルにわたって並び、紅葉の見ごろは、11月中旬から12月上旬です。
イチョウが選ばれた理由の1つは、『公害に強い』という特徴を持つ木だからだといいます。

最後は、滋賀県のメタセコイア並木道です。
約500本のメタセコイア(アケボノスギ)が立ち並ぶ、約2.4キロの並木道で、もともとは並木道の両側に広がる果樹園(栗園)の防風林として、植えられたといいます。
紅葉の見ごろは、11月下旬から12月初旬で、葉がきれいなレンガ色に色付く、県内有数の観光スポットです。

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■倒木増加の要因 木の“高齢化”や気候変動 人手&予算不足

では、なぜ各地で倒木が相次いでいるのでしょうか?

樹木医で、街路樹や公園樹木の倒木のリスクなどを調査している高尾聡司さんによると、
・樹木の“高齢化”
・気候変動による高温多湿
・樹木を管理する人手と予算の不足
が主な原因だといいます。

木の高齢化についてです。

公園の木や街路樹は、多くが高度経済成長期景観の向上大気の浄化のために植えられ、植えられてから50年以上が経過しているといいます。
2026年、倒木が相次いだ砧公園の場合、1957年の開園当時に植えられた木は約70年経過しています。
さらに、開園前から植えられていた木もあり、“木の高齢化”が進んでいます。

過酷な環境で育つ木には注意が必要です。

高尾さんによると、
「老木だから危険ではなく環境や管理のされ方で健康状態が大きく異なる」といいます。

日本の街路樹は根元を一定の広さの『植樹桝』で囲われていています。
そして日本の植樹桝は狭く、木が弱る原因になっているということです。

気候変動も倒木の原因になっています。

高尾さんによると、猛暑や雨不足などによって木自体が弱り、そこに台風など強風や豪雨などの力が加わり、今倒木が相次いでいるということです。

気候変動が木に与える影響です。
気温の上昇や降水量の増加・減少によって木自体の免疫力などに変化が起きます。
また、病気の原因となる菌類やそれを運ぶ昆虫などの生態系も気候変動によって変化します。
こうした要因で木が弱っていくということです。

宇都宮市で起きた倒木です。
倒れた木を見てみると、外側にはキノコが発生、幹の内部は白く変色していました。

高尾さんによると、
「白く変色している部分はキズから入り込んだ菌類。菌類が暑さや雨などで増殖し幹を内部から腐らせ、倒れたのでは」ということです。

管理する人手も不足しています。

東京の多摩市です。
市内には街路樹が約1万5000本植えられていますが、多くは植えられてから50年以上が経過しているということです。
市によると、この街路樹を管理する担当者は4人だけで、現在も調査をしているということですが、市内全域をカバーすることは不可能と話しています。

多摩市の担当者は、
「継続的に管理する必要があるが、人員的にも予算的にも限られていて、今できることをやるしかない」と話しています。

予算の問題もあります。

千葉県佐倉市では市が管理する3メートル以上の街路樹が6767本植えられていますが、この木を剪定するのに使える予算は毎年約2000万円です。
仮に1本4万円で3年に1回剪定を行ったとしても、現在の財政状況で適切に管理できる本数は1500本
5000本以上は管理できない状態だということです。

東京23区でも予算が不足しています。

樹木を管理する予算について、公園の樹木を管理する予算が不足していると答えたのは、23区中16区
道路の樹木を管理する予算が不足していると答えたのは、23区中12区と、半数以上の区が予算が足りないと答えています。

公園を管理する担当者の声です。
成長にともない伐採費用は増加するが予算は増えず、対応できる本数が減っている」
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■点検強化へ AI活用やデータ管理で対策の自治体も

相次ぐ倒木事故を受けて、国や自治体も動き出しました。

2026年3月、国交省は、街路樹の点検に関する初の指針を公表し、自治体に通知しました。

指針では倒木の危険度などに基づき、点検の優先度が3段階に区分されています。

最も点検の優先度が高いのは、
▼過去5年間、倒木などが発生した路線にある倒木したのと同じ種類の街路樹
緊急輸送道路や通学路のすべての樹木です。
年に1回、近くで目視による点検を行います。

2番目に点検の優先度が高いのは、
▼樹齢40年相当以上のケヤキやサクラ
人通りが多い駅や商店街周辺の樹木です。
数年に1回、近くで目視による点検を行います。

その他の樹木については、交通への支障がないか、歩行者などに危険がないかというのを車上からの巡視などで確認します。

東京都では、砧公園での相次ぐ倒木を受け、2026年4月に、公園や道路、学校など、都が所有する施設にある樹木のうち、約80万本を一斉に点検しました。
その結果、約1万4000本に異常が確認され、すべてに応急措置を行ったといいます。

この時、専門家の点検に加えて、AIによる点検の実証実験も行われました。
これは樹木を撮影して、樹皮やキノコの有無などをAIが画像分析して、樹木医の詳細な診断が必要かを判断するというもので、今後、実用化を目指すといいます。

東京都の担当者は、
「写真を撮れば分析可能のため、樹木医が診断する樹木の選定時間短縮が期待できる」と話しています。

また点検を計画的に進めるために工夫している自治体もあります。

宮城県仙台市では、市内の3メートルを超える、約4万8000本の街路樹1本ごとにIDを付与して、木の位置や種類、高さ、幹の太さ、点検の結果などをデータで管理しています。   
データ管理をすることで、樹木の状況の変化を把握し、植え替えなどの対策を行っています。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年8月18日放送分より)

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