記録的な豪雨によって被害を受けた千葉県。冠水で動けなくなった車両が、今も放置されたままとなるなど影響が出ています。その一方で、西日本では雨が少ない日が続き、今、深刻な渇水となっています。
追突危険 複数の放置車両
千葉県を襲った豪雨から2日後、15日午前1時半ごろに撮影された映像です。
国道を走っていると、その右側には複数の車両が放置されていました。
信号が青になり、ゆっくり進んでいくと、交差点の中央付近にも動けなくなった1台の車。
再び進むと、2つの車線にまたがって複数の放置車両が出現。前方の車とともに、よけながら恐る恐る進んでいきます。
車放置2700台レッカー難航
豪雨から5日目を迎えた17日、千葉県内の道路には無数の放置車両が取り残されていました。
県や市によると、動けなくなった車両は2700台以上。千葉市のレッカー業者の敷地には、所有者側の依頼で道路から運んだ大量の車両が並んでいました。
「通常は多くても(車両が)15台くらい。今は(敷地内に)100台ないくらい」
通常であればすぐに修理工場やディーラーへと運びますが、お盆休みだったため作業はストップ。しかし、依頼は止まらず、一時保管できるスペースもあとわずかだといいます。
普段1カ月間で700件ほどの依頼があるといいますが、13日の豪雨から17日までの5日間で、およそ500件の電話を受ける事態になっています。
豪雨被害 日に日に拡大
レッカー業者が向かったのは、15日に依頼を受け、17日まで放置車両となっていた乗用車。スタッフは慣れた手つきで素早く作業。およそ30分後、レッカーされました。
その間にも別のスタッフには新たな依頼がきました。
「また断りです」
この会社では、6人のスタッフがフル稼働し、1日におよそ50台をレッカーしています。
しかし、作業が追い付かず、今は千葉市内の依頼にのみ対応しているといいます。
記録的豪雨の被害は日に日に拡大しています。
17日は千葉市若葉区で50代から60代くらいの男性の遺体が見つかり、市原市でも竹やぶから身元が分からない男性の遺体が発見されました。
豪雨で亡くなった人は13人に上っています。
岐阜では干上がったダム
列島の東側が豪雨に見舞われた一方、西側では真逆の事態が起きています。
一見、草原のように見える場所。本来なら、並々と水が張っているダム湖です。
庄川をせき止めて造られた岐阜県白川村にある御母衣ダムでは今、深刻な渇水に悩まされています。
庄川上流を上空から見ると、水が少なくなっているのが分かります。橋のような形になっている、道があります。
石垣の跡もあります。いくつもの石を積み上げて、石垣になっているところが残っています。
平らな部分には住宅が建っていたんでしょうか。基礎のようなものも見えます。
かつて、ダムに沈んだ集落の痕跡が見られました。
本来だと水の下、ダムの底ですが、もともとあった川の形がくっきりと出てきています。
もともと川が流れていた場所には、橋の支柱とみられるコンクリートの塊もあります。
橋げたの先には、砂利が敷いてあるようなところがあり、そこがおそらく道だったと思われます。
「びっくりで人工物も出てきてて、すごいびっくりしました」
「なんか怖いね」
「なんで?」
「もう水がなくなっちゃうんじゃないかって不安だな」
水のアクティビティー中止
近くのキャンプ場では…。
「例年は毎日のようにいろんな方がいらっしゃるんですけど、今年はもう全然。キャンプ場に関しては(集客は)例年の5分の1ぐらいになっちゃってますね。皆さんキャンプ+ウォーターアクティビティーっていう方が割と多かったので」
ダム湖である御母衣湖では、透明度の高い美しい湖畔でカヤックなどの水を使ったアクティビティーが楽しめ、高原で涼しく過ごせると人気ですが…。
「(Q.水はどこにあるんですか?)どこにあるんですかね…。たぶん向こうの方を下っていくと、奥の方、水たまってるの見えます」
「あの辺まで行けば水あるんですけど」
水が見えるのははるか向こう、本来の出艇場所から2キロ先。多くのお客さんが目当てとしているすべてのウォーターアクティビティーを中止せざるを得なくなりました。
アクティビティーの運営会社が撮影した映像を見ると、本来、水が張っている場所ですが、水位が低すぎて、湖の地面の高低差で滝が出現していました。
草原のようになっている場所も…。
水の王国32年ぶり取水制限
御母衣ダムの現在の水位は、18日午前0時時点でおよそ700メートル。
ダムの水が利用できる最低水位まで、あと5メートルというところまで迫っています。
※御母衣ダムの最低水位は695メートル
「まず流域内の小雪・小雨であったことが原因と考えています。(富山県)砺波市からは、このままの状況が続くと生活用水の確保が難しくなる恐れがあるとして、住民の皆さんへ節水の呼びかけが行われているところでございます」
御母衣ダムの下流にある庄川合口ダムでは…。
「我々、本当に心配しているところで、水はなくなってます。今の水の量は今まで最低です。だから、本当に怖いんです。富山県の西側半分の7、8割の農地は直接この水使ってますんで」
1994年以来、32年ぶりの取水制限を開始。現在は、農業用水の2割節水を呼びかけています。
「水争い」農家は心配
農家からは不安の声が聞かれました。庄川下流付近でサトイモやコメを生産している渋谷秀一さんです。
「このサトイモも、お隣の稲も、熱帯性水性作物といって、大変、水を欲しがるんですよ。なので、水を与えないと大きくなっていかないんですよ」
作物にとって、水が一番重要な時期だといいます。
農業用水が流れる用水路。現在、用水路には多くの水が流れていますが……。
用水路の上流の農家が多く水を使用すると、下流の農家まで行き渡らないのではないかと不安を抱きます。
不安拡大 節水呼びかけ
渇水は福岡県でも見られました。
朝倉市にある筑後川水系のダムの一つ、寺内ダムです。
黒田浩一副所長
「すぐそこの土が出ているところと、少し上の草が生えている境目が満水の位置になりまして、今ここは満水の状態ですと、水の中になります」
満水時の寺内ダムは木々や緑のギリギリまで水が張っていますが、現在は岩肌部分が露出。さらに上流では、ダムの水が途絶え、地面がむき出しになってしまっています。
筑後川水系の3つのダムの貯水率は、17日時点でおよそ45%に。福岡県は先月2日には線状降水帯が発生するなど、先月上旬にかけ、大雨が相次いだ地域です。
しかし、梅雨明け以降、雨はほとんど降らなくなってしまい、貯水率が低下しました。
列島に影響 偏西風の蛇行
気象庁によると、西日本の気温の高い状態は今後1カ月程度、降水量の少ない状態は今後2週間程度、さらに続く見込みだということです。
日本列島を襲った極端な気象。この豪雨と渇水には「偏西風の蛇行」が大きく影響していると専門家は話します。
「西日本は偏西風の蛇行で暑く、東日本は偏西風の逆の蛇行で寒い涼しいという、こういうコントラストが起こったのが今年の夏の特徴ですね」
立花教授によると、九州などの西側は南側に蛇行した偏西風が暖かい空気を運ぶため、雨が降らず気温の高い日が多くなりました。
一方、豪雨被害があった千葉などの東側は偏西風が北から冷たい空気を運ぶことで、大気の状態が不安定になり、雨が降りやすい状況だったということです。
(2026年8月18日放送分より)


























