社会

モーニングショー

2026年8月20日 14:54

マンションで停電・断水続く 80歳が12階を4往復…水の運搬も 千葉豪雨発生から1週間

マンションで停電・断水続く 80歳が12階を4往復…水の運搬も 千葉豪雨発生から1週間
広告
6

 千葉県で発生した記録的な豪雨。20日で1週間となります。幹線道路に放置されていた車両も撤去されるなど、復旧が進んでいる一方で、電気施設が水没したマンションでは、今でも停電と断水が続いています。

田んぼに土砂流入 稲が下敷きに

 辺り一面を埋め尽くす石と砂。中には10センチを超える大きな石もあります。

 大小の石や砂の隙間から見えるのは「稲穂」です。

コメ農家 平賀久光さん(79)
「(Q.ここ田んぼだったんですか?)田んぼだよ、田んぼ。一緒に来てみて。稲がこれ」
6日前までは田んぼだった場所
6日前までは田んぼだった場所

 この6日前までは田んぼだったという、この場所。13日に発生した豪雨により、近くにある線路から大量の土砂が流れ込んだといいます。

 線路の近くに行ってみると、本来、道があった場所に土砂と共に大きな土のうが崩れ落ちていました。

道のあった場所に土砂と土のうが
道のあった場所に土砂と土のうが

 これらの土のうは3年前の台風接近の際に土砂崩れ対策として積まれたものでしたが、今回の豪雨で崩れたといいます。

 この他にも、パイプのような物や車のタイヤ、脚立なども土砂と一緒に流れ込んできていて、その影響で稲が倒れてしまっていました。

「結局このやつの下がね、泥で埋まっちゃってるから、もう使い物にならない。収穫はもうできないね」
収穫間近だった稲
収穫間近だった稲

 被害を受けた田んぼの稲は収穫間近のものでした。

「やっぱり悔しいよね。1週間後には稲刈りできたのにね」
広告

農水大臣 田んぼなど視察

 千葉県は温暖な気候を生かした関東有数の早場米の産地です。

平賀さんの田んぼ
平賀さんの田んぼ

 平賀さんの田んぼでは今年、およそ1800キロのコメを収穫予定でしたが、今回の豪雨の影響でおよそ120キロ、15分の1の量しか収穫できないといいます。

「今年はね、良い稲を作ろうと思って、イノシシよけとか、いろんなことをやって。手入れ、維持管理をちゃんとしていて。だから残念だね。悲しいよ。もう心の中が大雨ですよ」
鈴木憲和農水大臣
鈴木憲和農水大臣

 豪雨発生から6日、鈴木憲和農水大臣が19日に千葉県内の田んぼなどを視察しました。

鈴木大臣
「いつからですか、稲刈り」
担当者
「8月のお盆すぎから」
鈴木大臣
「もう始まるところだ」
政府は被害農家の支援へ対応急ぐ
政府は被害農家の支援へ対応急ぐ

 政府は、被害を受けた農家への支援など今後の対応を急ぐ考えです。

鈴木大臣
「収穫できたとしても、品質上コメが出荷できないということもあろうかと思いますので、稲刈りまで時間がありませんので、方針を出させていただきたいと思います」
広告

断水続く地域 復旧完了へ

 雨の影響なのか、田んぼのへりはごっそりと削れています。ガードレールの支柱が剥き出しの状態です。

千葉市小食土町
千葉市小食土町

 豪雨による爪痕が残る千葉市小食土町。このエリアでは19日も断水が続いていました。

 給水所にはタンクなどを持った地域住民の姿がありました。

「お風呂はちょっと困りますよね。お風呂とか洗濯、洗い物。こういう長い断水は初めてですから」
断水の原因は水道管の破損
断水の原因は水道管の破損

 断水の原因は、豪雨で道路が大きく崩れたことによる水道管の破損です。

 市の水道局職員などが水道管内の泥水を取り除くなど、19日も復旧作業にあたっていました。

97歳と84歳の夫婦
97歳と84歳の夫婦

 午後5時ごろ、給水所に来た97歳と84歳の夫婦。歩いて2分ほどの自宅から共にシルバーカーを使いやってきました。


「洗濯しようと思って」
「(Q.洗濯?)うん、私このシャツきょうで1週間になっちゃうの」
「ちょっと洗濯とトイレが一番困るなあと思って」

「工事の方は終わったんですか?」
職員
「工事は終わっていて、今、水を順次流して洗浄をしています」

「掃除をやっているわけ」
職員
「そうです。もう少し洗浄に時間がかかります」
広告

復旧で住民は喜びと安堵

 夫婦が給水したのは4袋分で、重さはおよそ28キロ。

シルバーカーに乗せてゆっくりと自宅へ
シルバーカーに乗せてゆっくりと自宅へ

 生活に欠かせない大切な水をシルバーカーに乗せて、ゆっくりと自宅に帰っていきました。

職員
「水道まだです」
住民
「いつから(水道使える)?」
職員
「きょうの夜までには間に合うように、夕方から夜です」
住民
「きょうお風呂入れる?」
職員
「入れると思います」
各家庭の水道の元栓を開ける
各家庭の水道の元栓を開ける

 そして19日午後8時ごろ、水道局の職員が各家庭の水道の元栓を開けると…。

 6日ぶりの水道の復旧に住民から喜びと安堵(あんど)の声が聞かれました。

6日ぶりに水道復旧
6日ぶりに水道復旧
「良かったです。これで心置きなく水使えます」
「早く直していただいて、ほっとしているのが一番ですね」
「(Q.これでやっと日常に?)はい、戻れます、やっと」

 一方で、依然として断水と停電に悩まされている人たちもいます。

広告

停電で80歳が12階を4往復

 千葉市にある12階建てのマンション。

地下にある電気設備が浸水
地下にある電気設備が浸水

 地下にある電気設備が浸水したため、停電が発生。エレベーターが使えず、住人たちは階段での上り降りを余儀なくされています。

花澤美代子さん(80)
「(Q.何階に住んでいるんですか?)一番上(12階)。だから大変なの。階段を上って下りて、上って下りて」
1日4回は1階から12階まで上り下り
1日4回は1階から12階まで上り下り

 最上階に住んでいる80歳の花澤さんはこのマンションで一人暮らし。食料の買い出しやごみ捨てなどで1日4回は、1階から12階まで上り下りするといいます。

「(Q.今、何階ですか?)ここは6階です」
「(Q.まだ半分ですか?)はい」
トイレや手洗いの水くみへ
トイレや手洗いの水くみへ

 階段を上ることおよそ7分、ようやく家に到着。少し休憩をした後、今度はトイレや手洗いに使用するための水をくみにいきます。

 18日、マンションの居住部分の停電は解消されたものの、貯水槽から水を送る電動ポンプは復旧していないため、断水が続いたままです。

「(Q.結構入ってますね、持てますか?)持てるよ」
「自分でやるしかない」
「自分でやるしかない」

 片方のバケツには水がなみなみと、そしてもう片方には500ミリリットルのペットボトル4本が入っています。

「誰かやってくれるわけじゃないから、もうしょうがない。自分でやるしかない」
「そーれ行くぞ」
「電気があっても水がなければ、どうにもならないんだよね。水ってこんなに大切なものなんだなって。自分で『これが一生続くわけじゃないよ』『大丈夫だよ、頑張ろうね』自分にそういう声かけないとね」
広告

トイレ用の水を階段で運搬

 10階に暮らす伊藤賀津哉さん(67)。 豪雨による停電から5日ぶり、各住戸の停電は18日に解消されました。

「とりあえず電気が通っただけでありがたいよね。エアコンが使えるからね」
ランタンと懐中電灯の明かりで生活
停電中ランタンと懐中電灯で生活

 停電が解消するまでは、ランタンと懐中電灯の明かりで生活していたといいます。

 断水が続いているため、トイレ用の水は近くの公園にくみにいくという伊藤さん。重たい水を抱えて上る10階までの階段は、67歳の体にはこたえるといいます。

「エレベーターが動かないのが一番きついよね。エレベーターが動いてくれれば水も運べるわけよ。階段を10階までポリタンク持ってさ、運べって言うのは無理でしょ、もうこの歳になってさ」
汗拭きシートで体を拭く
汗拭きシートで体を拭く

 断水しているため風呂には入れず、毎日、汗拭きシートで体を拭く伊藤さん。豪雨により、車も被害に遭いました。

「俺の車は水没しちゃったからさ、もう廃車になっちゃったんだよね。150万円ぐらいかな。(買って)まだ3年ぐらいですよ。もう越しちゃってるよ、怒り。越しちゃって、もう諦めちゃってる」

(2026年8月20日放送分より)

広告