トランプ大統領が、子どものワクチン接種に関する大統領令に署名した。子どもに推奨する予防接種を18種から11種に削減することなどを盛り込んでいる。
トランプ氏はワクチン接種により自閉症診断が増加していると主張したが、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、自閉症を引き起こすことはないと指摘した上で、根拠なくワクチンの接種を遅らせたり、別々に分けて接種したりすることで、子どもたちを無防備な状態にさらす恐れがあると警告した。
日本でも子どもへのワクチン接種には、不安の声がある。『ABEMA Prime』では、あえて子どもにワクチンを打たせない保護者から理由を聞き、その是非について考えた。
■「義務から努力義務」への疑問と、添加物への不安

番組ではまず、小松靖アナウンサーが「番組としてワクチンを打たないことを肯定するわけではないが、あえて打たないと考える保護者にその理由を聞き、考えていきたい」と、番組のスタンスを示した。
ワクチン接種に疑問を持つChieさんは、中学生の一人息子に予防接種を一切受けさせていない。
Chieさんがまず疑問を呈したのは、予防接種が1994年の法改正により「“義務”から“努力義務”」となったことだ。「予防接種はどうして義務から努力義務に変えられたのか。安全かつ効果のあるものであれば、努力義務に変更する必要がなかったのではないか。努力義務になったにもかかわらず、相変わらず打つことが前提なのはなぜなのか」と問いかけた。
また、自らの経験から「私も弟もすべて予防接種を打ったが、母親から聞いたところ、ほとんどの病気にすべて罹患した。予防接種のメリットが感じられなかった」と語り、さらに「重症化を防ぐという決定的な証拠が欠けているように感じていた。ワクチンに含まれる添加物も危険だと思った」と続けた。
■保健師の立場から「新しいワクチンへの不安」

これに対し、公衆衛生学が専門の坂元晴香医師は、「基本的に予防接種は有効性や安全性が証明されているからこそ、日本でも世界中でも打たれている。『ワクチンを打ったから自閉症になる』ということも、科学的には否定されている」と説明。
義務から努力義務に変わった経緯については「40年ほど前、当時ワクチンによる副反応で一定程度影響が出たことがあったのは事実。そのため、いったん義務から努力義務にした経緯があるが、その後、安全性が改良される中で、諸外国では義務化されている」と述べた。
2人の娘に一部の予防接種のみ受けさせているという保健師のこゆきさんは、「“打たないリスク”と“打つリスク”の両面から考えて、『必要なものは打った方がいい』という判断に至った」と語る。
特に懸念するのは、新たに普及され始めたワクチンの多さだ。「私が保健師として仕事を始めた頃は、ワクチンの数はもっと少なかった。この20年で急増し、任意接種のものも増えた。国の動きを見ても、本当にこれが必要なのか。住民から副反応の報告を受けたこともあり、自分なりに検討した結果、今のところに至る」と説明した。
■親の判断で「子どもの健康が脅かされるかもしれない」

坂元医師は、大人が自分で判断して打つことと、親の判断で子どもがどうするかは全く別の問題だと強調する。「不安を持つこと自体は当然。ただ、親自身の判断によって子どもの健康が脅かされるかもしれないというときに、子どもを守る目線を取り入れていくことは絶対に必要だ」と述べた。
また、いわゆる「反ワクチン」の声が注目されがちな現状についても指摘する。「ワクチンを嫌がる人の声がクローズアップされがちだが、実際に子どもの予防接種の接種率を見ると9割を超えている。不安に思うのは当然だが、ほとんどは打っているのが現状だ」。ワクチンへの誤情報を信じている人の中でも、6割以上が実際には接種を受けているという調査結果も紹介された。
Chieさんは最後に「予防接種を受けるときに、デメリットがきちんと説明されていない。打つことが前提で、メリットしか説明しない。これは国民の知る権利を奪うものだ。全てのワクチンを否定しているわけではない。ただ、打つかどうか選べるということを行政がきちんと説明し、誰もが後悔のない選択をできるようにしてほしい」と訴えた。
坂元医師は「限られた時間や人手の中で、どうやって正しい情報を分かりやすく伝えていけるかは課題だ。ただ、常に大事なのは『子どもをどう守れるか』という視点。医療者として親と対話しつつ、『打たなかった場合に、どうその子たちを守っていけるのか』まで考えていく必要がある」と語った。
(『ABEMA Prime』より)