千葉を襲った記録的な豪雨から10日目。車が水没し、移動手段を奪われてしまった人たちの間には、先の見えない暮らしに、不安が広がっています。(サタデーステーション8月22日OA)
千葉豪雨 「災害ごみ」山積みに 「早く回収を…」浸水家具そのままに
お盆期間中に千葉県を襲った記録的豪雨から10日目。
被害がひどかった大網白里市の災害ごみの仮置き場に行ってみると。
「先週にはなかった山ですね。日用品などかなりの量が積みあがっています」
1週間前の同じ場所と比較してみると、冷蔵庫など多くの家電で埋め尽くされ、浸水被害にあった住宅の多さがわかります。
千葉市でも。
「最大で(水が)あがったのはこのあたり(Q.腰の下あたりですね)」
こちらの住宅では、被災翌日には家具などを建物の外に出しましたが、置かれた状態のままだといいます。
「市に申し込んでいるけれど、めどが立っていないみたいで早く回収して欲しい。においも出ちゃうんで」
千葉豪雨では13人が死亡。
床上床下浸水は3800棟を超え、被災車両は1万台を超えるとも言われています。
そのため、いま対応に追われているのは自動車業界です。
きょうも雨の中レッカー作業が行われていました。
「(職場が)車の提供してくれて、なんとか通勤の足は確保している状態」
エンジン浸水も…九死に一生 「命が助かっただけでも…」
本来レッカーをメインでやっていない自動車整備工場にも、依頼が殺到している異例の事態だといいます。
「当日から昨日ぐらいまでレッカーでずっと出ていたので、以前に預かっていたお客さんの車が現状(作業)できていない状態で…」
落合さん自身も、仕事終わりに大雨に遭遇していました。
さらに雷が光る中、山道を走っていると。
一段高くなっている敷地から、水が滝のように流れ込んでいました。
22日、こちらの整備工場に持ち込まれていた車のエンジンルームを見てみると。
「中はビショビショ、こんな感じで中もまだ濡れているので」
「あきらめるしかないですね…」
車内にもまだ水が残り、シートにはカビが生えていました。車に乗っていて、数分で増したという水かさ。
九死に一生を得たといいます。
「足で踏ん張ったら無理くり(ドアが)開いたので外に出て、流れがすごくて、流木かなんかが流れてきて足をとられて結局溺れた感じになって。10mくらい流されたんですけども、後ろ見たら20m流されたら滝つぼみたいなところに落とされていたので、命が助かっただけでもよかったかなと」
結局夫婦の車は2台とも浸水。
現在は親戚の車を借りるなどして、夫婦の通勤をやりくりしているといいます。
「いやもうほんとに不便ですね(Q.買い替えは)もちろんないとどうにもならないんで、まだそこまで考えられなくて」
“車水没”で「代車」の需要急増 相次ぐ問い合わせ
そのため、代わりの車を求める動きも活発になっています。
21日、運ばれてきていたのは、販売や買い取りも行うレンタカー会社が買い取った被災車両。
「今日やっと搬出できている感じ」
「よく見るとライトがついていますね」
走行中に動けなくなってしまったのでしょうか。こちらの会社では所有するレンタカー約15台のうちすでに半分を代車として貸し出しています。
通常はほとんどないという代車の問い合わせが1日3件ほどき続けているといいます。
「貸し出し車両の予約を先々のものを調整して、何とか1台工面したりとかというような状況」
この日も1時間ほど離れた住民の元へ代車を引き渡しに向かいました。
「今回のお車のレンタカーの同意書になります」
住民によると自宅に止めていた車のシート部分まで浸水し、動かなくなってしまったといいます。保険会社から、当日の急な代車依頼もくるといいます。
「被災されたお客様に1日でも早くお届けしたいというところで、なるべく調整させて頂いている」
千葉豪雨「首都圏の台所」を直撃 改めて種まきも…再び大雨に
「首都圏の台所」と呼ばれる千葉県の農業にも深刻な影響を与えています。
「これがニンジンなんですけど、豪雨が無ければ、今ごろ本来は緑の双葉がそろっている時期だった」
全国2位の生産量をほこるニンジン。畑の真ん中にできてしまっていたのは大きな溝です。
8月上旬に植えたばかりのニンジンの8割ほどが、豪雨で土ごと流されてしまいました。
被害額としては、年間の売り上げの3分の2にあたるといいます。
「農業ダメかもしれない、廃業も頭をよぎってしまった感じ」
県によると、今回の豪雨による農作物などへの被害額は約3億4600万円にのぼると発表されています。
こうした中、22日、改めてニンジンの種を蒔いていました。しかし、私たちが取材を終えたあとの午後。
各地に降った大雨が、再びこの畑も襲いました。畑の様子を見た、染谷さんは。
「今年はダメかもしれないな…」
「田んぼダム」拡大で水害抑制へ 効果と課題は?
田畑が水害の抑制に役立つという、取り組みも。
「すべて“田んぼダム”の装置がつけられているところで」
「田んぼダム」の活用です。
田んぼダムとは、大雨が降った時、田んぼの中に一時的に水を貯めて、川に流れ込む水の量を減らし、水害を抑制する、いわば田んぼをダムの代わりとして活用する仕組み。
「水田というのは20〜30cmの畔がありますので、その高さまでであれば水田は水がためられるということです」
国はこれまでの「河川を増強して水を受け止める」方針から、河川の流域全体で洪水被害の軽減を図るという方針に転換。
茂原市で田んぼダムを進める鶴岡さん。仲間の32の農家が参加し、19haが田んぼダムとして活用されています。
「この下流に住宅地がある。上流の農地として何か内水対策できないかと」
今回茂原市は水害に見舞われましたが、田んぼダムに参加する農家が増えれば、より被害を防ぐことができるといいます。一方で。
「一番多い人では(対応する場所が)25カ所ありますので、耕作者一人に任せきりでは大変な労力になりますので、組織としてどうするかというのが1つ課題」
田んぼがあるところなら、全国どこでも簡単に対策できることが利点だといいます。
「特にポテンシャルが高いのがやはり水田なんです。今現存する水田でこれまで以上に貯留能力を高めるということは重要になってくると思います」