8月13日の千葉豪雨での死者は13人、行方不明者は1人。多くの車が水没し、県内は完全に麻痺した状態となった。あれから1週間、今どうなっているのか。現場を歩いてみると、新たな問題が起きていた。
【映像】車の半分の高さまで浸かるほどの千葉豪雨(当時の様子)
大規模冠水に見舞われた大網白里市。JR大網駅の周辺では駐車場一帯が冠水していた。水は引いているが、アスファルトの上には細かい砂が残っており、駐車場のフェンスも倒れていた。 管理人は「(フェンスが倒れているのは)今回の雨の影響。(過去2回は)倒れませんでしたよ。今回はすごい。(修理の目処は)わからない」ドアには過去2回浸水した時の高さを記録した線が引かれていた。今回は過去と比べて4倍以上の高さまで浸水したそうだ。
自転車販売店では、店主の次女が「多少浸かっちゃった。水で一回流していますけどやっぱり(商品の汚れが)落ちない。歯ブラシとかタイヤのワックスでやりながら。だいぶ片付いて、先が見えてきたのでもう少し頑張ります」と話した。
生活を襲う悪臭と浸水被害…水が引いた現場に残る爪痕
千葉市では、『ABEMA的ニュースショー』スタッフの祖父母宅も被災した。豪雨から7日後、スタッフが訪ねた。浸水の最高水位を記録しており、玄関の門の高さにまで迫ったという。
床上浸水した家の中は床板が抜け、家の中の物は全部濡れてしまっていた。祖父母とも無事だったのが幸いだった。
近所の様子を見渡すと、どの家庭でも畳が屋外へ運び出されていた。上がってきた汚水のせいで、周囲にはかなり強い悪臭が立ち込めている。
こんな問題も起きている。「災害に遭ったとしても、燃えないゴミ・燃えるゴミは分けてあげないと、役所の車と清掃工場がダメになっちゃう」(町内会長)
大網白里市では、被害に遭った男性が車を見せてくれた。「ここまで(ウインカーレバーのところまで)水が来た」「このあいだはもっと臭かった。あんまり吸わない方がいい」と語った。 自宅の中も見せてもらうと、女性は「(当時は臭いも)ありました。でもだいぶ乾いてきた。落ち着いてきた」と明かした。 しかし、男性は「トイレの戸が締まらない」と嘆く。「1週間経つと(木材が)水を吸ってどんどん膨らんで」ドアの木材が膨張し、閉じなくなってしまったという。さらに男性は「アルバムが捨てられない。まだ濡れている」と話し、女性は「孫の七五三じゃない?何枚か(乾かして)とっておく」「こんな感じ。落ち込んでいられない」と語った。
ガレージの車も水没した。「(Q.今後この車はどうなる?)保険会社が持って行きます。(Q.保険適用で…)車を購入します。全額戻ってはこない。買えない。マイナス。マイナスでもないと困るから購入してきました。昨日契約してきました。4カ月後に納車」。
車2700台が動けず…レッカー混乱に乗じる「悪徳業者」の影
今回の豪雨は、クルマに関するさまざまな問題を浮き彫りにした。道路にはナンバープレートの下部だけが外れ、後部の窓ガラスにステッカーが貼られた車両が。これも水害によって動かなくなった車とみられる。
一般的に水位が30cm、タイヤの半分以上になると車内に浸水する。60cm以上になるとエンジン停止やドアが開かなくなるなど危険性が一気に高まるとされ、完全に水没した場合は修理が困難で廃車処分しかないのが現実だ。
タクシー運転手は「(当時)雨は酷かった。ワイパー全開でも前が見えないくらいの感じでした」と振り返る。
豪雨で動けなくなった車は県の調べでおよそ2700台。その多くが路上に置かれたままとなっていた。車両は順次レッカー移動されたが、その費用負担の問題、さらには足元をみるような値段を要求する業者が現れるなど、被災地は大混乱となった。
「対向車が走っていった後に前方から大きな波が来て、車にかかりエンジンが止まってしまった。足元から車内に水が侵入。車の半分が水没したため慌てて車外へ。当日は警察もロードサービスも電話が繋がりませんでした」(被災した男性)
千葉市役所前にある臨時放置車両保管所には、故障したとみられる車両が数台停まっており、ガラスが割れている車も見られた。そこで車両を運ぶ作業員に話を聞いた。「(Q.レッカーは1日何台?)1日8件くらい。依頼が集中しちゃうから大変。順番待ちますからやってくださいという形で受けているので必ずやらないといけない。それをやりながら、事故とか故障とかパンクなどのトラブルも同じように入ってくる」。
神谷俊一千葉市長は「市で仮置きしている321台の車両のうち所有者らが引き取りに来たのは32台。(所有者から)市に一報をいただき、今後の対応について相談協議したい」と述べた。
また、水没した車を狙った悪徳業者にも注意が必要だ。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏はこう警告する。「車が水没してこれをチャンスだと思って、動き始める悪い業者もいる。それはちょっと気を付けた方がいい。例えば『このまま買い取りますよ』と言って、お金振り込まないとか、(買い取っても)名義変更をなかなかしないとか。オーナーさんの名義のままで、犯罪に関わるようなことに使われることもある」。加藤氏によると、水没して放置された車から部品を盗むケースも多いと注意を呼びかける。
今回の豪雨は想定外の連続だった。特に車に関しては、私たちがその解決策を事前に持ち合わせていなかったことを突きつける結果となった。
(『ABEMA的ニュースショー』より)