石川と富山に大雨をもたらした線状降水帯ですが、その発生を事前に予測するのは非常に難しいと言われています。
気象庁は千葉の豪雨に続いて今回も最初の線状降水帯の発生を予測して危険を呼びかけることができませんでした。
予測の精度は、どうすれば上がるのでしょうか。
■石川・富山 線状降水帯 事前予測できず 深夜発生 対策は?
8月27日、午前3時ごろ、石川県と富山県で線状降水帯が発生しました。
「朝になって外を見ると、川が氾濫して近くの橋が使えなくなっていた。足元が見えず水流も強かったので外へ出られなかった」
「夜は寝ていて気がつかなかったが、朝起きたら自宅近くの川が氾濫していた。道路は足首が浸かるくらいで、避難しようと思ったができなかった」と話しています。
気象庁が発表した線状降水帯に関する情報を見ると、石川では、8月27日午前3時8、能登と加賀で線状降水帯の発生を発表。
その1時間後に、能登で線状降水帯の直前予測が出ました。
さらに1時間後に、加賀で直前予測が出ると、午前9時前までに それぞれで線状降水帯が再び発生しました。
富山でも、8月27日午前2時58分に、西部で線状降水帯の発生を発表。
約2時間後に、東部と西部で直前予測が出て、1時間ほど後に、西部で再び発生しました。
このように、石川と富山いずれも最初の線状降水帯より前に『半日前予測』や『直前予測』が出ていませんでした。
「水蒸気の流れ込み方などシミュレーションしきれなかったところがあったかもしれない。大雨特別警報をもたらすような雨は非常に予測しづらい」と説明しています。
今回の石川と富山のような深夜の大雨には、どう対策をすればいいのでしょうか。
「普段から気象庁のホームページにある『今後の雨』を確認することを心がける。『今後の雨』では、およそ半日先までの予想を見ることができるので、必要な対策が取れる可能性がある」ということです。
■直前予測 3回に1回“見逃し” 発生予測の課題とは
線状降水帯に関する情報は3つあります。
1つ目は、半日前予測です。
線状降水帯による大雨を半日程度前から予測し、発表される情報です。
2022年に全国11ブロック単位で開始され、2024年からは、都道府県単位での発表になりました。
2029年には、市町村単位での発表を目指しています。
2つ目は、直前予測です。
線状降水帯発生の危険が高まった際、確度の高い直前の予報が発表されます。
2026年5月に、〇〇県北部などのエリア単位で、発生2時間から3時間前を目標に発表する運用が開始されました。
最後に、発生情報です。
実際に発生した時に発表されるものです。
2021年に、〇〇県北部などのエリア単位で発表する運用が開始されました。
線状降水帯の予測には2つの指標があります。
1つ目は『的中率』です。
線状降水帯の予測後、実際に発生した割合を指します。
この数値は、高いほうが良いです。
2つ目は『見逃し率』です。
線状降水帯の発生を事前に予測できなかった割合を指します。
この数値は、低いほうが良いです。
では実際、『半日前予測』の精度は、どれくらいなのでしょうか。
8月14日時点の統計ですが、2026年度は、線状降水帯の半日前予測を47回発表しました。
そのうち7回が的中。
『的中率』は14.9%です。
一方、線状降水帯が13回発生しましたが、そのうち6回は予測できませんでした。
『見逃し率』は46.2%です。
『半日前予測』の的中率は、なぜ低いのでしょうか。
「半日前予測に必要な遠方の水蒸気の情報が不足しているため」
『半日前予測』よりも高精度といわれている『直前予測』の現状についても見ていきます。
2026年5月から運用が始まった『直前予測』。
運用開始前の想定では、気象庁は、『的中率』は50%程度を見込み、『見逃し率』は20%程度を見込んでいました。
では実際はどうなのでしょうか。
8月14日時点の統計ですが、2026年度は、線状降水帯の直前予測を41回発表。
そのうち12回的中し、『的中率』は29.3%。
一方、線状降水帯が18回発生しましたが、そのうち6回は予測できませんでした。
『見逃し率』は33.3%と、『半日前予測』よりは精度が上がっているものの、当初想定していた数値には届いていない現状です。
『直前予測』の的中率が、なぜ低いのでしょうか。
「線状降水帯の基準を満たすような雨量の正確な予測が難しいため」といいます。
8月に発生した千葉の豪雨では、8月13日から14日にかけて、千葉・茨城・埼玉に『直線予測』を7回発表し、3回的中させました。
しかし、1回目の『線状降水帯』の前に『直前予測』が出せませんでした。
千葉豪雨では、8月13日には、午後5時時58分に、千葉県北西部で3時間に250ミリ、同時刻に千葉県南部で3時間に170ミリの雨が降りました。
翌日8月14日にも、午前2時8分に、千葉県北西部で3時間に160ミリ、同時刻に千葉県北東部で3時間に250ミリの雨が降りました。
線状降水帯を4回、見逃してしまいました。
「大雨の発生するタイミングを正確に捉えきれていない。また、実際の大雨は非常に局地的で、少し場所がずれるだけでも雨量が大きく変わる。こうした局地的な大雨の『位置』と『タイミング』を正確に予測することは難しく、大きな課題となっている」といいます。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年8月28日放送分より)









