社会

ABEMA TIMES

2026年8月28日 11:00

「電話が苦手…」他人と距離置く“凪メンタル”を求める若者たち…SNS・AI全盛の時代に“コミュ力”はどこまで必要なのか

「電話が苦手…」他人と距離置く“凪メンタル”を求める若者たち…SNS・AI全盛の時代に“コミュ力”はどこまで必要なのか
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 「凪メンタル」という言葉が若者の間で注目されている。自分の精神状態を”凪”のように平穏に保つため、他人と一定の距離を置く傾向を指す言葉だ。若者世代の7割以上が電話に苦手意識を持つという調査もあり、街頭インタビューでも「大人数だとしゃべれない」「コミュニケーションが得意じゃない」という声が相次いだ。

【映像】AI時代のコミュニケーションで“必要なこと”

 SNSやAIの普及で、直接話さなくても人とつながり仕事もできる時代となった今、いわゆる“コミュニケーション力”はどこまで必要なのか。『ABEMA Prime』では、AI時代における“コミュ力”の必要性について考えた。

■「コミュ力がない人でもやっていける時代になっている」

コミュニケーションが必要最低限で済む時代に

 精神科医のTomy氏は、コミュ力は「これまでほど必要ではない」という立場をとる。「昔はコミュニケーション能力と言えば、職場や学校、サークルで発揮され、飲み会に(積極的に)行くというような場面が多かった。でも今は人とのつながり方がSNSだけで成立することもあるし、会社の打ち合わせもメール(チャット)システムでやり取りできる。以前に比べると、必ずしも人と会わなくても仕事を進められる場面がいっぱい増えている」と述べる。

「飲み会に残らないと重宝されない」といった慣習も、コロナ以降に大きく変わったとTomy氏は指摘。「タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する時代にあって、必要な情報だけをやり取りするだけでもうまくいく時代になってきている。コミュニケーション能力の土台ができていないと他がどれだけ優れていても発揮できないというような感覚ではなく、自分に合ったコミュニケーション能力で生きていけるようになった。僕自身もコミュ力はそこまで高くないが、そういう意味ではすごくいい時代になった」と語った。

■AIを使ってもコミュニケーションを100%排除するのは難しい

AI時代でも求められるコミュニケーションの例

 一方、ビジネス書の著者・黒坂岳央氏は、コミュ力は今こそ必要だという立場だ。黒坂氏は前提として「ここで言うコミュニケーション能力は、仕事のものとプライベートや飲み会といった人間交流のものとを完全に分けるべき」と強調。仕事におけるコミュ力については「共通語みたいなもの」と表現する。

「敬語で話すことによって円滑にコミュニケーションできるように、仕事における共通語として、全く初対面の人でも一定のやり取りができる。これはまず必要だ」AIについても「入り口は作れるが、上司に報告する場面で『なぜこの判断をしたのか』と問われたとき、AIでは出せないコミュニケーションが発生する。100%排除するのは現実的に難しい」と話した。

 また黒坂氏は、コミュ力の本質について「損しないためのスキル」と捉え直す。「喋ることがコミュニケーション能力という風潮があるが、むしろ喋りすぎる方がマイナスで、相手の話を傾聴している方が『よく聞いてくれたからまた会いたい』と思われる。聞き上手もコミュニケーション能力の要素の一つ」と説明した。さらに「コミュニケーションは“手順”だと思っている。結論から話すとか具体例を出すとか、分かりやすく伝える技術は確立されていて、誰がやっても再現性を高く伸ばすことができる。伸びしろの差はあっても、伸びるのは伸びる。だったら全員、技術を磨いた方がいい」と持論を述べた。

 自身も“元コミュ障”だと明かす黒坂氏は「ビジネスのテーマについてなら今みたいに話せるが、全く知らない人と雑談してと言われると全然話せない。コミュ力とは、雑談か仕事かで分けて、仕事なら共通語として考えることが大事だ」と続けた。

■おしゃべり大好きアレン様が「聞くことの大切さに気づいた」

そもそもコミュ力とは? 識者の見解

 この議論に、番組出演者それぞれの視点が加わった。リディラバ代表の安部敏樹氏はデータを示しながら「30年前は、数理能力が高い人とコミュニケーション能力が高い人を比べると、所得の期待値は数理能力の高い人の方が上だった。それがこの30年でどんどん差が埋まってひっくり返り、今はコミュニケーションが高い人の方が所得が高いという研究結果が出ている。このトレンドはこれからも続く」と指摘した。

 そのうえで「昔は人と話さなくてもできる仕事がたくさんあったが、機械化され、AIによって高度な思考能力まで代替されるようになった。コミュ障だけど数学が得意という人のアドバンテージはなくなっていく。今、数少なく残っているのが、人間が対面でコミュニケーションして相手に好きになってもらうとか、難しい話をまとめる力。サウナで隣になった人と面白い話ができる、そういうところで人間としての価値を出していく。だからコミュ力がどんどん大事になる」と述べた。

 ラッパーの呂布カルマ氏は「コミュニケーションの種類が変わってきただけで、やっぱり(コミュ力は)必要。言葉が通じない国に行ったら誰でもコミュ障になるが、同じスポーツができる、同じ楽器が弾けるならそれでコミュニケーションが取れる。言葉によるコミュニケーションが苦手な人も、別の場所でゲームなら一緒にできるというケースもある。グローバルで活躍できる可能性はそこにある」と語る。

 発信力で注目される大物マダムタレントのアレン様は、自身のコミュ力の源泉を問われ「よく同じことを聞かれるんですが、答えられない。(コミュ力を)上げてないんですよ。元からおしゃべりが好きで、その武器を仕事にしているという感じ」と話す。それでも、「この5、6年、喋り倒してたんですけど、“聞くこと”って大事だなと思って。相手が全く自分の興味のない話をしていても、一旦全部聞くようにしています。聞いている最中にグーッと眠くなることもあるけど」と、黒坂氏も述べていた“傾聴”の大切さについて笑いを交えながら明かした。

 Tomy氏は「コミュ力の基礎は大事だが、応用する場所はいっぱいある。ネットの世界だったりAIを使えば工夫もできる。コミュ力がないと思い込む必要はなくて、場所が適切であれば発揮できる。だから、コミュ力がない人はいないという言い方もできる。場所を変えることも大事」と、苦手意識を持つ人へのメッセージを語った。

(『ABEMA Prime』より)

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