社会

ABEMA TIMES

2026年8月29日 11:00

人と話すのが不安で怖い…50人に1人が経験する“社交不安症”とは? 「コミュ障」と混同され悩む当事者「れっきとした病気」

人と話すのが不安で怖い…50人に1人が経験する“社交不安症”とは? 「コミュ障」と混同され悩む当事者「れっきとした病気」
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 人と接したり注目されたりする場面で強い不安や恐怖を感じ、日常生活にも支障をきたす「社交不安症」。日本ではおよそ50人に1人が経験するとされ、思春期に発症することが多いという。しかし「コミュ障」という言葉が一般化する中、病気だと気づかず自分の性格の問題と捉えてしまう人も少なくない。

【映像】社会不安症の当事者女性、会話のための“入念な準備”

 『ABEMA Prime』では、「コミュ障」とは異なる「社交不安症」について、当事者と専門医とともに考えた。

■「ちゃんと病気なんだよ」専門医が語る社交不安症の本質

社会不安症とは

 “社交不安症”当事者のらっこさんは、中学生の頃から人とのコミュニケーションに悩み始め、長らく「極度の人見知りで、克服しないといけない性格なのかな」と思い続けてきたという。学校などでみんなの前で発表しなければならない場面が特につらく、「胸がドキドキしたり、逃げたいような気持ちになったりした」と振り返る。見ている人を人間だと思わないようにする、という対処をとることもあったという。

 千葉大学教授で精神科医の清水栄司氏は、社交不安症の位置づけについて「不安の病気、精神疾患、心の病気であり、精神科医が診断するもの」と説明した。これを受け小松靖アナは、一般的に使われる「コミュ障」とは異なり、専門医に診てもらう必要がある疾患だと整理し、清水氏も同意した。

 また、いわゆる“コミュ障”との違いについては、「コミュニケーション能力自体は問題ないが、コミュニケーションすることへの不安という感情の問題。この不安という感情をどうコントロールするかというところで悪循環にはまってしまう」と説明。いわゆる普通の人見知りや「上がってしまう」感覚との境界線については、「たまにこういった(特定の)場面で不安になるというのは誰でもある。でも、毎日のちょっとした雑談でさえ苦しい、つらいというのが半年以上続いて、学校に行きたくない、実際に行けなくなって不登校になるとか、会社員でも引きこもってしまうというレベルが社交不安症の症状」と語った。

 なぜそこまで人の目や評価が怖くなってしまうのか。清水氏は人間の本能にその根拠を求める。「相手に嫌われてしまうんじゃないか、否定的に評価されるというのがすごく怖い。人間は群れを作る動物なので、そこから弾き出されること、古く言えば“村八分”、今でいう“ハブられる”ことが、社会的な死として本能的に感じられてしまう。だからこそ、他の人から『あいつダメだ、変なやつだ』と思われることがすごく怖いという考えが浮かんでしまう。そこが病気の本質だ」と述べた。

 社交不安症の発症につながる要因について、清水氏は「人前で何か失敗して笑われたとか、からかわれた、いじめられたといった、ちょっとしたトラウマ体験が非常に大きな心の傷になることがある。心の骨折のような状態になって、そこからうまくリハビリできる方もいるのですが、複雑骨折のような難しい状態で、しかもリハビリの方法が上手くない場合もある。頑張れば頑張るほど悪い方向に行ってしまうような練習の仕方もあったりするので、専門家から『こうやって練習していくとうまくいくんだよ』というのを学んでほしい」と語った。

■「自分のせいじゃないかと責める方向へ」周囲の理解の難しさ

美容院へ向かう前にも入念な準備を行う

 らっこさんは、1対1の会話でも難しさを感じることがあるという。「相手の表情や空気を読み取ろうとしすぎてしまって、逆に変なことを言ってしまったり、つっかえてしまったりする。話さない方がお互いにとっていいのかなって考えてしまったりもします」と語る。

 衆議院議員の門ひろこ氏は、「多分自分のせいじゃないかっていう風に自分を責める方向に行ってしまいそうな気がする病気だなと思っていて。うまくコミュニケーションを取れないのも、本当は病気のせいなのに、自分が至らないだけでそうなってしまうんじゃないか。そうなるとさらに自分を追い込むことになる」と指摘。そのうえで、「ちょっとおかしいなと思ったら、風邪をひいたら病院に行くのと同じように、心の風邪であっても病院に行くのがいいのでは」と、受診のハードルを下げる必要性を訴えた。

 ラッパーの呂布カルマは周囲からの“気づきにくさ”を指摘する。「コミュ障で場違いなことを言ったりとか場の空気を乱すような積極的なコミュ障の場合は分かりやすいけど、黙ってしまうタイプやおとなしくなってしまう人は、おとなしい人なんだなって終わっちゃったりする。こっち側から気づいてあげるってことは、なかなか難しい」と述べた。

■「治る、科学的に証明されている」専門家の提言と当事者へのエール

社会不安症の治療例

 清水氏は治療について「診断を受けたうえで、お薬の治療と認知行動療法という精神療法の2つがある。精神科や診療内科を受診してもらって、このような治療があるので(社会不安症は)回復できるということを知ってほしい」と説明する。認知行動療法については「科学的に証明されており、多くの方が治るということは証明されている。ぜひそういった方法を使ってほしい」と力を込めた。

 この日MCを務めた大物マダムタレントのアレン様は、自身の経験をもとにらっこさんにエールを送った。運動会の発表会での強烈な緊張感、剣道大会の直前には体が本当に具合悪くなるほどだったこと、トイレに1時間こもって出番を逃げ続けたという学生時代のエピソードを明かし、「大人になってちょっとずつ成功体験を踏んで、やっと今、なんか平気な感じ。大丈夫、絶対」と語った。そのうえで、「この2つだけ覚えておいたら大丈夫。恐れを捨てること、そして相手にどう思われてもいいということ。これさえあれば、相手の顔色を伺って会話をしなくなるから。だって別に自分の人生であって、会話している相手の人生じゃないから」と、らっこさんに伝えた。

 らっこさんはこのメッセージに対し、「アレン様のようにたくましく生きられている方でも学生時代はそういう経験をされていたというのは、私自身も変えていけるのかなと思うきっかけになりました」と応答。清水氏もアレン様のアドバイスを頷きながら聞いていた。

(『ABEMA Prime』より)

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