社会

ABEMA TIMES

2026年8月29日 15:30

「トー横」の若者が求める“本当の愛を教えて”歪んだ繋がりと支援の限界の間で問われる大人の向き合い方

「トー横」の若者が求める“本当の愛を教えて”歪んだ繋がりと支援の限界の間で問われる大人の向き合い方
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 東京・新宿の「トー横」周辺に集まる若者たちを巡り、警察による取り締まりや行政・NPOによる保護だけでなく、当事者が抱える深い孤立感や「愛への渇望」にどう向き合うかが大きな問題となっている。

【映像】歌舞伎町のホテル街にたまる若い女性たち

 過酷な環境下で「売春や金銭のやり取りに愛を感じてしまう」という歪んだ人間関係が生まれている現状に対し、大人はどのような姿勢で「本当の愛」や「居場所」を示すべきなのか。若者が求める関わり方や、支援側に求められる覚悟と向き合い方の本質について、『ABEMA Prime』で考えた。

■「売春や金銭は愛じゃない」当事者が語る歪んだ繋がりへの違和感

虚無ぷりんさん

 前回の番組議論において、当事者から「トー横にいる子は愛を知らない子が多く、売春などに愛を感じてしまう。大人が本当の愛を教えてほしい」という問題意識が提示された。金銭や身体のやり取りを愛だと錯覚してしまう若者が存在する現状に対し、当事者側からもその歪みに対する指摘が上がった。

 トー横歴約3年の20歳男性・急アルゆーたぐさんは、次のように語る。。

 「私の中での愛とは、手を差し伸べて、正しい生き方や自立の方法を教えてあげることだ。トー横には日本の地図も分からない、漢字も書けないような子たちがいる。そうした子たちがどうすれば身体を売らずにお金を稼ぎ、自分で家を持って幸せになれるのか、その方法を根気強く教え続けることこそが愛だと思う」。

 急アルゆーたぐさんは、ただ悩みを聞いて慰めるようなその場しのぎの介入ではなく、本人が社会で自立して生きていくための知識や術を見放さずに教え続ける姿勢こそが、本当の愛であるとの見解を示した。

 若者が抱える孤立感に対し、大人がどのように関わるべきかについて、支援の構造的な側面からの議論も行われた。NPO法人の元理事長で、孤独・孤立対策に取り組んできた衆議院議員の大空幸星氏は、仕事として関わる支援者とボランティアのような無償の存在が与える影響の違いについて解説した。

 「仕事として給料をもらって話を聞く支援者に対して、若者側が『あなたが親身になって相談に乗ってくれるのは仕事だからだ』と感じてしまうケースは非常に多い。だからこそ無償のボランティアが重要になる。『自分に何の利益もないはずなのに、なぜこの人はここまでやってくれるのか』という疑問自体が大きな意味を持つ。本来、そうした無償の愛を提供する第一の主体は親や家族だが、それが得られなかった若者にとって、見返りを求めずに手を差し伸べる存在は不可欠だ」。

 また、歌舞伎町の現場を取材するライターのツマミ具依氏は、ボランティアで更生保護を担う保護司の例を引き合いに出し、「金銭が関わらず真心で接してくれる大人に対し、お金抜きの部分で愛を感じる人もいる。歌舞伎町から悪い大人を完全に排除するのは困難だからこそ、普通の大人を入れて現場の濃度を薄めていくアプローチが有効だ」と語った。

 歌舞伎町で支援を行う「日本駆け込み寺」の清水葵氏も、「デジタル社会が進み、核家族化する中で『自分に目を向けてくれる人なんてこの世にいない』と孤独を深める若者が多い。あなたを見ているし、どんなあなたでも受け入れるという場所をあちこちに作ること、世間の人々が彼らに関心を持つこと自体が愛の始まりだ」と強調した。

■「頼った時に手を離さないで」当事者が求める支援の強度

コイキさん

 大人からの支援や介入に対し、当事者が求めるのは「頼った瞬間に突き放さない強度」であるという指摘もなされた。トー横歴4年の20歳男性・コイキさんは、行政や公的機関に繋がれた際に生じる課題について次のように訴えた。

 「伝えたいのは、こちらから助けを求めた時にその手を離さないでほしいということだ。支援団体などを頼っても、最終的に児童相談所に入ればスマートフォンは使えず、外界との関わりも遮断され、学校にも通えなくなってしまう。助けを求めた結果として、これまでより状況が悪くなることがある。未成年の時期だけでも、普通の周りの子が送っているような生活を維持できるように、もっと強引な権限を持って付き添ってくれる強い行政や支援があってほしい」。

 コイキさんは、単なるお弁当の配布や一時の声かけといった「その場しのぎの自己満足」ではなく、既存の生活を壊さずに伴走し続ける力強い支援が必要であると語った。

 一方、EXIT・兼近大樹は、自身が過去に非行から立ち直った実体験を基に、大人側の姿勢と「愛の定義」について熱弁を振るった。

 「一回言われただけでころっと変わるやつなんていない。僕自身、多くの大人から『お前はダメだ』と何年も何回も直接言われ続けた。その言葉の蓄積があって、何年もかけてようやく『そっち側に行こう』と思えるようになった。有償であれ無償であれ、自分の人生に時間を割いて本気で向き合ってくれた大人がいた。自分はその愛を受け取ったと思っている。だるいことや葛藤を理解している人間が、そのバトンを次の世代に渡していけるかどうかが重要だ」。

 世間一般が「面倒な存在」として敬遠しがちな若者に対し、システム任せやラベリングで排除するのではなく、直接向き合い言葉を伝え続けることこそが愛の本質であると訴えていた。 (『ABEMA Prime』より)

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