社会

ABEMA TIMES

2026年8月29日 19:00

行政による「トー横」支援の限界と民間NPOの役割 大空幸星氏が語る“中間”の必要性「トー横は困っている人が可視化されて集まっている場所」

行政による「トー横」支援の限界と民間NPOの役割 大空幸星氏が語る“中間”の必要性「トー横は困っている人が可視化されて集まっている場所」
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 東京・新宿の歌舞伎町「トー横」周辺において、東京都などの行政機関がパトロールや相談窓口(「きみまも」等)を設置し、集まる若者の保護や支援を模索している。しかし、行政による直接的な支援には公的機関ゆえの制度的な「限界」があり、当事者が求める居場所や関わり方との間に大きなギャップが生じているとの指摘がある。

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 支援を必要とする若者が一カ所に集まる現場で真に有効なアプローチとは何か。行政と民間の適切な役割分担、そして支援に向けられる世間の厳しい視線や公金投入の合理性について、『ABEMA Prime』ではNPO法人での活動歴もある衆議院議員・大空幸星氏が実情を語った。

■公金事業の「お堅さ」と現場の壁…大空幸星氏が指摘する行政支援の限界

大空幸星氏

 NPO法人「あなたのいばしょ」を設立した大空氏は、東京都などが運営する相談施設「きみまも」をはじめとする行政主導の支援事業について、構造的な難しさを指摘した。

 「東京都や国の税金を使って運営している施設としては、トー横にいる子たちにスマホの充電やトイレの利用のためだけでも立ち寄らせるような運用は本来の趣旨と異なり、かなり挑戦的。本来は『ちゃんとした大人が見守り、指導・支援すべきだ』という意見が世間には非常に多いからだ。しかし、当事者の若者からすれば、面談のような形になり『支援臭しかしない』と感じられてしまう。行政が直接現場で対応しようとしても堅苦しさが生じ、限界がある」。

 その上で、「行政が現場で直接支援を行う必要はない。行政が究極的にやるべきことは、予算を出すことだ」と主張。行政が自ら現場運営を抱え込むのではなく、資金の出し手として機能すべきだとの見解を示した。

 一方では、治安悪化や防犯上の理由から路上排除が議論されがちなトー横という場所について、支援の観点から独自の意義を強調した。

 大空氏は言葉を選びながら、「言い方はすごく気をつけなければいけないが、世の中において、本当に困っている人が目に見える形で可視化されないケースは圧倒的に多い。それに対してトー横は、困っている人が可視化されて集まっている場所だ。目の前に支援を必要とする人がいるという意味では、支援者側から見ればこれほどありがたい支援現場はないのではないか」と語った。

 単に治安上の問題として路上からの排除や散逸を図るのではなく、課題を抱えた若者が集まる現場そのものを捕捉し、適切な支援の手を差し伸べる足がかりにすべきだという論点を提示した。

■トー横と行政の「中間」に立つ民間NPOの役割と「ゼロの支援」

新宿区の取り組み

 では、行政が出した資金はどこに向けられるべきなのか。大空氏は、行政とトー横の現場をつなぐ「中間組織」の重要性を説く。

 「『日本駆け込み寺』や『D×P』といった民間団体は、まさに現場と行政の中間に位置している。行政の施設よりも若者にとって話しやすい人が多く存在する。お金の出し先を、トー横と行政の中間にある支援団体やNPOにしていくやり方が望ましい」。

 さらには、支援の性質における決定的な違いについて論じた。「支援には、就職して働いて家庭を持つといった社会的成功を目指す『プラス(問題解決)の支援』と、まずは『死ななければいい』という『ゼロの支援』が存在する。トー横に集まる若者に必要なのは『ゼロの支援』だが、行政は税金を使う以上、問題解決という明確な成果を出さなければならないルールがある。そのため行政単体では『ゼロの支援』を提供することが難しい。だからこそ、中間にある民間団体を支援していくことが重要だ」と、制度上の矛盾と解決策を整理した。

 この議論に対し、EXIT・兼近大樹は、支援に対する世間一般の冷ややかな視線と、公金を投入することの難しさを指摘した。

 「支援に携わっている人からすれば『防犯や予防のために支援が必要だ』と理解できるが、世の中の大半の人たちは『そんなところにお金を使うな』『甘やかすな』と思っている。予防によって自分たちへの攻撃や犯罪が減っているというシステムを理解できていないからだ。世の中で『子どもたちを支援しよう』と思っている大人は少数派であり、大多数は排除や自己責任を求めているのが現実だ。そうした納税者に対して、予防のための公金投入やNPO支援の必要性を納得させていくことこそが非常に大変な仕事だ」。

 兼近氏の指摘に対し、大空氏も「世間の中でNPOという言葉を出すだけでも反対意見があり、政治家がNPO支援を訴えると票が減ると言われるほどの環境がある。行政や支援側は、相談対応による心理変化や自殺防止効果といった数字や客観的な指標を示し、社会的成果を証明していく努力が不可欠だ」と応じていた。 (『ABEMA Prime』より)

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