北陸地方に停滞した前線の影響で、この週末、福井県で一時「レベル5 大雨特別警報」が発表されました。道路の冠水、そして住宅の浸水という被害が相次ぎました。川が氾濫する状況が防犯カメラに映っていました。
福井で大雨 一面冠水
夜が明け、明らかになった福井県の大雨被害。
30日、勝山市や福井市、大野市では一時「レベル5 大雨特別警報」が発表され、いずれも24時間の降水量が観測史上1位を記録しました。
29日の夜から半日以上にわたって福井県に流れ続けた活発な雨雲。その影響で県内では大規模な冠水が発生しました。
福井市内、道路が水浸しになっています。一台、車が動けなくなっています。
福井市の九頭竜川に面している地域は、広い範囲で冠水し、孤立している住宅も。
坂井市にある福井空港では、滑走路の一部が冠水。周辺の多くの田畑も水につかっています。
丸岡城周辺の町は、茶色く濁った水につかり、被害の大きさが分かります。
河川氾濫の瞬間
一時、「レベル4 大雨危険警報」が発表された坂井市。市内を流れる田島川を映した防犯カメラの映像が氾濫の瞬間を捉えていました。
30日午前0時過ぎ、すでに川の水位は橋げたまで上がっていることが分かります。
午前2時ごろには、川の様子が心配で様子を見に来る近隣住民の姿も。そして、午前3時半ごろ、川の水があふれ、画面左奥の横断歩道が水につかり始めました。
その後も水位は高くなり、周辺が明るくなった午前7時ごろには茶色く濁った水で川と道の境目が分からなくなります。
水が引き始めたのは氾濫からおよそ7時間後。しかし完全に水が引き切らず、正午を過ぎても川沿いの道は冠水したままでした。
長年この町に住む地元住民も驚きを隠せないと話します。
「ここまで水につかったことはなかったですね」
坂井市では、30代の女性が冠水した道路を歩いていたところ、用水路に足をとられ右足首の骨を折るけがをしました。
車水没「気づいた時には」
また、車の立ち往生も続出しました。
「見た目はそんなに深いような感じではなかったんですよ。でも入ってみたら、想像以上に深くて。それで引き返そうにも水圧で曲がれないような状態で、気づいた時にはもう止まって動けないっていう」
高速道路が通行止めになっていたため、一般道で移動していたところ、急に水かさが増してきたといいます。
帰るにも交通手段がなく、見知らぬ土地のため、頼るあてもないといいます。
さらに、市内では消防による救助活動が行われていました。
「救急車呼びました?呼んでない?」
「足場も分からんでやっぱ道から行ったほうがいいです」
救助された住民は救急車に乗せられ病院へと運ばれて行きました。
冠水した水が建物の中へ
冠水は隣の福井市でも。
一時、レベル5の大雨特別警報が出ていた福井市内です。30日午後2時ごろには、道路だけではなく辺り一帯が水につかっています。
車のタイヤは上の部分まで隠れ、自転車で通過しようとした人が途中で転んでしまう危険な場面も…。
これは、道路が冠水するまでを捉えた防犯カメラの映像。
レベル5大雨特別警報が発表された45分後の午前5時15分ごろ。画面の右側に水がたまってきているのが分かります。その後も徐々に水かさは増し、わずか15分後には辺り一帯は水につかってしまいました。
この地域ではさまざまな所で冠水している様子がカメラに捉えられています。
近くのコインランドリーの前に止まっている車のタイヤを見ると、水がきていたことが分かります。そして実際、こちらの建物の中を見てみると、水浸しです。
冠水した水が建物の中に入り込んでいました。
高い水害リスク なぜ?
なぜここまで冠水する範囲が広がってしまったのか、ハザードマップを見てみると、九頭竜川と芳野川の2つの川に挟まれたこの地域は、水害リスクが高い頻度で起こることを示す紫色が広がっています。
今回、この2つの川の合流地点付近で水があふれました。
水害に詳しい専門家は次のように話します。
横山芳春氏
「氾濫にいたるセオリーとして、合流点ですよね。大きな川が水位が上がっていると、そこに流れこむ支流の水がしっかり流れ込めないばかりか、流れ込めない分、どんどん水位が高くなってしまって、その支流の方が氾濫するような現象も起きてしまう」
さらに住宅街にまで広がった理由については。
土砂崩れ多発「怖かった」
大雨の被害は他にも起きていました。
崖の土砂が、えちぜん鉄道の線路の上まで流れ込んできたということです。線路にたまった土砂を重機や手作業でかき出す作業員の姿。さらに、山あいでは道路に土砂が流れ込んでいました。
大雨による土砂崩れなどの影響で、県内では複数の場所で通行止めが起きているといいます。
土砂による被害は住宅街でも…。山の方面から流れた土砂が町中に入ってきているという状況です。
道路を覆っているのは大量の石。動けなくなった車の周りにも、車を囲うように大きな石がたまってしまっています。
「(Q.ここの石は?)山からきているの。山からきたね」
「怖かった。怖かった。寝てない」
「あんな大きい石がゴロゴロと流れていくもんだね」
山から転がってきたという大量の大きな石。雨がおさまった午後には、撤去作業に追われる様子がありました。
大雨の爪痕残る石川県
一方、4日前に線状降水帯が発生し、記録的な大雨に見舞われた石川県。復旧作業に追われた週末も、雨が降り続きました。
「まじでやばいかもしれん」
「お父さん、もう帰れんね」
羽咋市では、想定を上回る大雨で邑知潟周辺の川が氾濫。田んぼに水が流れ込み、水面はそばを流れる川と同じ高さになりました。
普段は道を挟んで田んぼが広がる場所も、完全に水につかり、収穫時期を迎えた稲が水没しました。
収穫前の田んぼ冠水
この場所で35年コメを作り続けているアグリスターオナガの濱田栄治さん。12面の田んぼが被害を受けました。
大雨の前に収穫できていたのは、全体の1割ほど。残りの9割がこのまま水につかったままだと、出荷できなくなってしまうといいますが…。
被害が大きくなったのは、雨だけでなく、“能登半島地震の影響”もあったといいます。
地震によって沈下した堤防の修復を終える前に発生した、今回の大雨。能登半島地震で現場を調査した、地盤・防災コンサルタントの横山芳春さんはこう話します。
(2026年8月31日放送分より)




















