2026年は猛暑や大雨など全国的に不安定な天気が続いていますが、いま、こうした気候の変化で体調不良を訴える人が増えています。
いま感じている体調不良、もしかすると“多雨疲労”かもしれません。
その症状や対処法について、医師に詳しく解説していただきます。
■「頭痛・イライラ・倦怠感」体調不良訴える人が続出
このところの極端な気象で体調を崩す人が増えています。
「この夏は 雨で蒸し暑い日が多く、 頭痛・イライラ・倦怠感のトリプルパンチで体が悲鳴をあげている」
「元々、天気が崩れると体調が悪くなるタイプだが、8月に入ってから頭痛がひどい」
「最近、頭痛やめまいが増えた。大雨が降った時は3日間ぐらい続いた」
■増える『多雨疲労』 とは?診断難しく検査で「異常なし」も
「2026年の夏は『多雨疲労』による体調不良を訴える患者さんが例年の約2倍になっている」
多雨疲労とは、暑さと雨が繰り返されることで、生命維持に必要な体の働きをコントロールする自律神経が乱れ、体の調子が悪くなる気象病の1つです。
自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、本来は2つがシーソーのようにバランスを取り合っている状態が理想です。
なぜ、多雨疲労の人が増えているのでしょうか。
2026年の極端な気象が関係しています。
▼この夏は、最高気温が40℃以上の酷暑日が最多を記録しました。
▼また7月から9月のゲリラ雷雨の発生予想が、過去5年の平均と比べて多くなっています。
▼台風も頻発していて、9月上旬までに24個の発生は55年ぶりです。
こうした2026年の猛暑と雨の多さが、多雨疲労につながっているということです。
多雨疲労の症状は、頭痛や倦怠感、耳鳴り、吐き気など幅広くあります。
伊藤先生によると、多雨疲労の症状を訴えるのは女性の方が多く、男性の約2倍だそうです。
年代も中学生ぐらいから高齢者までと幅広く、多くの人が多雨疲労の悩みを抱えています。
特に雨の日は症状が強くなる人が多いということです。
60代女性・Aさんは、晴れの日は元気だが、 雨の日は頭痛・倦怠感・目の下のけいれんが強くなるという症状が続いたため、伊藤先生のクリニックを受診し、『多雨疲労』と診断されました。
他にも40代女性・Bさんは、8月前半に、頭痛、めまい、耳鳴りの症状が出たため、いつも服用している市販薬を飲みましたが、効きませんでした。
不安になり、救急外来で脳のMRI検査や耳鼻科でも検査を行いましたが、どちらも異常は見られませんでした。
それでも症状が重かったため、伊藤先生のクリニックを受診。
臓器に異常は見つからず、雨の日に症状が悪化していることから、『多雨疲労』と診断されました。
「多雨疲労は血液検査などで所見が出るものではないため、診断が難しく、患者の中には専門医に『症状はあっても異常はない』と言われた人も多い」
多雨疲労のチェックリストです。
▼雨の日に毎回症状が出る。
▼頭痛薬などの普段飲んでいる薬が効かない。
▼普段通り生活しているのに、体重が1カ月で2キロ以上増減した。
▼専門医にかかっても、原因がわからない。
「1つでも当てはまったら、多雨疲労の可能性。症状がひどければ、症状に応じて内科や耳鼻咽喉科、頭痛外来などの受診をしてください」
多雨疲労について街の人にギモンを聞きました。
「大雨の時に頭痛やめまいが3日間ほど続きます。 自分では重度ではないと思っていますが、“危険なサイン”はありますか?」
「薬を飲んでも症状が改善しない場合は受診を」ということです。
「天気予報を見たら、“多雨疲労がくるな”とわかりますか?」
「気温と湿度で判断できる」といいます。
■多雨疲労のメカニズム 自律神経乱す3つの要因
雨が多いと、なぜ頭痛や倦怠感など『多雨疲労』の症状が出るのでしょうか。
1つ目の要因は『気圧』です。
雨が降ると気圧が下がります。
そうすると、内耳のセンサーが気圧変化を過敏に察知します。
それにより、脳がストレスを受け、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
2つ目の要因は『湿度』です。
雨が降ると、湿度が上がります。
そうすると、汗をかきにくくなります。
体温調整がうまくできず、自律神経が乱れやすくなります。
3つ目の要因は『寒暖差』です。
雨が降ると、寒暖差が大きくなります。
(自律神経は、交感神経と副交感神経が、バランスを取りながら24時間働いています。)
寒いときに交感神経が優位になり、暑いときに副交感神経が優位になります。
寒暖差が大きいと、交感神経と副交感神経が、ジェットコースターのように切り替わることで体に負担がかかり、自律神経が乱れやすくなります。
「天気が回復すると、逆の反応が起こる。(暑さと雨が)繰り返される環境下では、体が変化に対応し続けなければならず、負担が大きい」
自律神経が乱れた状態だと、腸管の動きが悪くなり、免疫力が低下します。
それにより、風邪など軽度な病気にかかりやすくなります。
また、血圧の変動が大きい人は、血圧が乱高下することで、脳・心臓・血管にダメージが加わります。
■多雨疲労を予防&緩和 自律神経の整え方
自律神経を整える方法です。
1つ目は、『耳くるくるマッサージ』です。
▼耳たぶを持って前へ10回、後ろへ10回、くるくる回します。
▼1日2回ほどやることで、気圧センサーの内耳の血流を改善します。
続いて、『足の付け根ストレッチ』です。
▼上半身は真っ直ぐのまま足を大きく前に踏み出し、しっかり腰を落としたら、元に戻します。
▼10回を1日3セットほどやることで、下肢の血流やリンパの流れを改善します。
続いて、『かかとの上げ下げ』です。
壁やイスに掴まりながらでもOKです。
30回を1日3セットほどやることで、第二の心臓と言われる、ふくらはぎの血流を改善します。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年9月8日放送分より)
















