日本で大雨災害が相次ぐ中、世界でも大規模な自然災害が頻発しています。
世界中で続く大規模災害により、経済損失は深刻化しています。
食料価格が上昇する懸念も出てきています。
■洪水 山火事 渇水…世界で相次ぐ自然災害 経済損失も深刻
世界中で続く異常気象がもたらす影響について見ていきます。
9月8日の大雨による被害です。
名古屋市では、観測以来はじめて1時間雨量が100ミリを超えました。
矢田川や植田川で洪水が発生し、一時、『レベル5の緊急安全確保』が発表されました。
そのほか、大雨により、岐阜・三重・栃木・東京など各地で相次ぎ冠水被害が発生。
9月7日は、福島県いわき市で、9月の観測史上で最大となる24時間雨量199.5ミリを観測。
アンダーパスの冠水で60代の女性が死亡しました。
この夏に発生した世界各地の異常気象です。
フランスやスペインでは、記録的な熱波による山火事が発生し、スペインでは非常事態宣言が発表されました。
また、ドイツでは、渇水でライン川の水位が過去最低水準まで低下し、水上輸送に支障が出ました。
ヨーロッパでは、『この夏の異常気象により、EU域内のGDPが約33兆円減少し、2026年の経済成長が相殺される可能性』があるといいます。
ネパールでは、氷河の崩落が原因とみられる大規模な土石流が発生。
▼死者約1400人。
▼行方不明者は日本人家族5人を含め、約5300人など、大きな被害が出ています。
ハワイでは、8月にハリケーンが接近し、ハワイ島の20万戸超が停電。
9月7日には、別のハリケーンが接近し、カウアイ群の住宅や企業の90%が停電しました。
異常気象による損失です。
異常気象により2024年までの30年間で、世界の83万2000人以上が死亡、経済損失額は、約675兆円にのぼるとみられています。
「地球は未知の領域に入っており、海面水温は上昇し、気温は上がり続け、世界は極端な気象の危険地帯にある」といいます。
■食物への影響 千葉豪雨 被害約80億円 インド砂糖輸出禁止
異常気象によって食料への影響も出ています。
8月の千葉豪雨による農作物などの被害額です。
主な農作物の被害額は、
コメ、約4億7980万円。
ネギ、約7114万円。
にんじん、約5158万円。
農業用施設の被害など含む農林水産業への被害額の合計は、約80億円にのぼります。
また、フランスでは、干ばつや猛暑の影響で、2026年のとうもろこしの生産量が前年と比べ、35%減少する見通しで、46年ぶりの低水準となる予測です。
世界有数の砂糖の生産国であるインドでは、天候不順の影響で砂糖の原材料であるサトウキビの生産量が減少。
インド政府は、国内の砂糖の価格を安定させるため、5月から9月末まで輸出を禁止しました。
輸出禁止の発表後、ロンドンの白砂糖先物価格は3%急騰しました。
■『2050年の天気予報』“危険な夏”日常化!?健康面に影響も
東京大学未来ビジョン研究センター教授の江守正多さんが監修した、『2050年の天気予報』があります。
このまま温暖化が続いた場合の未来をシミュレーションした天気予報です。
2050年には『危険な夏』が日常化します。
40℃以上を記録する酷暑日は157地点を数え、日中の11時から15時は、外出禁止令が発令され、幼稚園は休園になります。
野外作業はできず、ロボットを使用する未来も予測されます。
健康面への影響です。
熱波による妊婦や、心臓疾患、糖尿病など持病がある人への影響、デング熱などの感染症の増加が予想され、暑さがきっかけで亡くなる人は、東京だけで年間1400人に上ると予想されます。
さらに、世界の穀倉地帯が干ばつに見舞われるリスクが高まり、穀物や飼料の輸入価格の高騰、ついには、品物を売ってもらえなくなる恐れもあります。
■「地球危機の代償」気候変動による自然災害 91%途上国に
大規模災害は、特に途上国に大きな被害をもたらしています。
土石流があったネパールです。
少なくとも11の水力発電所が被害を受けました。
ネパールは約95%が水力発電だということです。
「初期の概算で復興には約6400億円〜約8000億円が必要」だと話します。
約8000億円というのは、ネパールの名目GDPの約12%で、大きな負担となる金額です。
今回の土石流が起きたきっかけと言われる氷河の崩落は、気候変動による温暖化が原因だと指摘されています。
「ネパールは温室効果ガスをほとんど出していないにもかかわらず、地球規模の危機に大きな代償を払っている」と話し、国際社会に補償を求めるとしています。
気候変動により発生または、悪化した災害や異常気象の死者は、91%が発展途上国に集中しており、CO2排出が少ない途上国ほど気候変動の影響を受けやすいというデータもあります。
■温暖化対策 トランプ氏「史上最大の詐欺」ネパールに影響?
アメリカ、トランプ大統領の動きです。
温室効果ガス削減のための国際的な枠組みとして、2015年にパリ協定が作られました。
日本、中国、インド、EUなど190以上の国と地域が参加していますが、2026年1月、アメリカは離脱しました。
トランプ大統領は、2025年9月の国連総会で、地球温暖化対策は『史上最大の詐欺』だと主張。
火力発電所の運転を継続し、石油・天然ガスの生産を再拡大。
風力や太陽光などの再生可能エネルギーに対する税制優遇措置を廃止しました。
さらに2026年2月には、温室効果ガス規制の法的根拠を撤回し、自動車の環境基準を緩和しました。
「排ガス規制のせいでアメリカの自動車産業が打撃を受け、車の価格を押し上げた」とし、規制の撤廃によって経済が成長し、消費者の負担が大幅に減ると主張しています。
トランプ大統領の方針は、ネパールの土石流被害にも影響が出ている可能性があります
ネパールでは、気候変動に関するリモート監視システムを、NASA(アメリカ航空宇宙局)などと共同で開発する計画があり、アメリカの国際開発局が資金供与をしていました。
しかし、トランプ政権は、2025年、国際開発局を事実上解体したため、資金供与が途絶え、事業が終了しました。
「共同事業が実行できていれば、(土石流を引き起こす)現象を事前に把握できた可能性はある」と話します。
「今のアメリカでは科学者の理解と異なる情報が、国の政策にまで落とし込まれるという異常事態が起きている」ということです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年9月9日放送分より)
















