大阪市の生野区にある崩壊寸前の空き家。最近の大雨で危険度がさらに増しているということです。この空き家の前の道は通学路になっています。子どもの通行も多く、近隣の住民が不安を訴えています。
骨組みむき出し がれき散乱
大阪市中心部からほど近い住宅街に異様な光景が広がっていました。
大通り沿いにあったのは、今にも崩壊しそうな空き家。外壁は崩れ、木材はむき出しになり、骨組みの部分があらわになっています。
崩れて欠けた壁の一部が残っている部分もあります。
「よく通る道なので」
「(Q.不安ですか?)そうですね、見てるだけでも」
さらに建物の1階部分には、崩落した壁面などが散乱しています。かなり重たそうな外壁ですが、粉々になっています。
落書きされたシャッターの前にはがれきや断熱材、設置されていた大きな日よけなどが散乱。安全のため「外壁落下のおそれあり」という貼り紙が掲げられ、バリケードもされていますが…。
2階部分から上は養生シートなどもなく、むき出しになった木材がそのままです。
テーブルやアームレストがついたチェアもあり、かつてそこに人が住んでいたことがうかがえます。
「空き家になってからも、かなり長い年月になっている」
いつ崩れるか 住民不安
長い間、たたずむ崩壊間近の空き家。住民はいつ崩れるか分からない状態に不安を抱えています。
さらに、崩れた部分に強くたたきつける雨。屋根もないため、建物の中にも降り続けます。
木材にも水が染みわたり、朽ちている部分がいくつもあります。
「崩れたらもう、けがでは済まないので」
5月に「建物が崩壊」通報
崩壊間近の空き家。もともと、どんな建物だったのでしょうか。
「もともとはね、たばこ屋さんが入ってはって、そこが出てからずっと(空き家)」
近隣住民によると元は商店だったといいますが、家主がいなくなり、そこから空き家の状態が続いているといいます。
実際にGoogleストリートビューで見てみると、今から16年前の写真では軒先の赤いシートには「たばこ」と書かれていて、商店が経営されていた様子がうかがえます。
家の持ち主が出て行ってから年数を重ねていくと、人がいない空き家に徐々に変化が起きました。
正面の外壁には亀裂が走り、4年経ったころには左側の外壁にも亀裂。よく見ると屋根も抜け落ちているのが分かります。
長い年月が経過した空き家に、ついに恐れていたことが起きました。
「消防が来たり、警察が来たり…」
大阪市消防局によると今年5月、「建物が崩壊している」と現場を見に来ていた区役所職員から通報が入ったといいます。
外壁や建材が崩壊し、一部は垂れ下がった状態だったため、隊員らが放水するなどして下に落とし、取り除いたといいます。
幸い、けが人はいませんでした。
周囲に学校 通学路変更も
この空き家がある場所では、住民が不安を一層募らせています。
「生徒の子たちも巻き込まれないか心配ですね」
実は、この周辺には小学校や高校などがいくつも点在し、多くの子どもたちが空き家の前の道を通って通学しています。
空き家からわずか80メートル離れた場所にあるのは、およそ800人ほどの生徒が通うプール学院中学・高等学校。生徒を守るために対策を取ったといいます。
「正門から通学するよりも西門からのほうが安全だということで一時期、正門からの登下校を禁止。少し遠回りをして、通学経路を変えるように指導した」
通学路を変更したほか、外部からの来校者が来る際には、安全のため教員が空き家の前に立ち、誘導も行っているといいます。
学校で空き家の購入を考えるほど危機的状況であると感じたといいます。
崩壊寸前 拍車かけるのが
いつ崩れてもおかしくない状態の空き家。
「これはもう建物としての体をなしていない状態」と話すのは、一級建築士の資格を持つ弁護士・辻岡信也さんです。
これまでに多くの空き家を見てきましたが…。
崩壊寸前の状態にさらに拍車をかけているのが…。
「これはもう放置をせず、一刻も早く何らかの対処をすべき状態だと考えます」
なぜそのまま?動けぬワケ
一体なぜ、このままの状態が続いているのでしょうか。この空き家には一筋縄ではいかない問題がありました。
登記簿を確認すると所有者が確認できましたが、その親族は「すでに売却していて所有権はない」と、今の持ち主が不明確な状態だといいます。
一方、区も個人の財産物であることから、簡単には手が出せずに苦慮していると話します。
「いつ崩れてもおかしくない状況なんで心配」
「どんどんどんどん壁も外れていってるから、ちょっと早くどうにかしてもらえたらなと思います」
(2026年9月10日放送分より)













