中高生504人を対象にした意識調査で、「将来は年金をもらえないかもしれないので、保険料は払いたくない」との回答が56.5%に上ったことが話題となっている。さらに社会保障について「若者と高齢者の間に不公平がある」との回答も62.9%を占めた。
年金制度は、働けなくなったときに社会全体で生活を支える仕組みの一つだが、なぜ若者には「支え合い」ではなく「払い損」に見えるのか。『ABEMA Prime』では、年金を払いたくないと考える若者とともに、“支え合いのあり方”を考えた。
■「投資して増やしたほうがマシ」大学生の本音

大学生の甲立舜さんは年金制度に不安を感じている若者の一人だ。 「少子高齢化が進む中で、払ったお金が戻らず、減ってしまうのではないかと不安だ。年金に払うくらいなら、自分で投資して地道に増やしていったほうがマシではないか」と率直な思いを語った 。
中高生を対象に社会保障の意識調査を行った、NPO法人SocialChangeAgency代表理事の横山北斗氏は、「その時々で保険料やもらえる額は変わるため、一概にもらえなくなるわけではない」との認識を示す。
甲立さんはさらに「年金制度が作られた当時は、今のような少子高齢化を想定していない。時代に合わせた制度の変え方が必要だ」と続けた。
こうした若者の不安について、コラムニストの河崎環氏は「私の大学生時代も、企業型401K(企業型確定拠出年金)が流行り始めて、『将来年金なんて払いたくない。自己防衛、投資だ』と、すかしていた。気持ちはすごく分かる」と共感を示す。
■「日本という国をサブスクしている感覚」

一方で、「不払いをしても、国家権力はちゃんと把握していて、確実に請求書が来る。怖がりながら払ううちに、結局きちんと貯まる事実を目の当たりにすると、『実は自分を最終的に支えてくれるのはここなんだ』と、体験的に分かる」と話す。
その上で独自の捉え方を披露した。「年金はサブスクだと思っている。日本国民であることへのサブスクであり、『将来私を幸せにしてくれる』というサービスを信じて出している。それでいいと思えるなら、支払ってもいいのではないか」。
これに甲立さんも「僕も文句は言いつつ仕方ないと考えている。サブスクと捉えるのはすごくいい。日本が好きで今ここにいる。ただ、どうしても不満は残ってしまう」と応じた。
■「自己暗示ではなく、本心から納得したい」

パブリックテクノロジーズ取締役CTOのTehu氏は、「僕は、ねんきん定期便を読んで、『こうやって納得させに来ているんだな』と思うタイプだ。払わなきゃいけないとは分かっているが、我々の世代に最良の制度設計なのかというと、そんなことはない。『年金はやめられない制度だ』と、大人としてグッとこらえて、だまされたつもりになっている」と語る。
さらに、若者の年金不信の背景を読み解く。「『日本はこれからどうなるんだろう』という、漠然とした将来不安の結果ではないか。そうした不安が生んだ一つが、年金に対するネガティブな感情だ」と分析する。
そして「『年金いいですよ』と伝えるのは、応急処置としては大事だ。ただ、ネットには『どうせ将来この国は』といった諦めが大量に流布されている。制度を守ることと、日本の将来がどうなるかは別の話だ」と述べ、「我々は自己暗示しているに過ぎない。本心から納得できていれば、もっといいのに」と胸中を明かす。
横山氏は「我々の調査では、『社会保障の教育を受けた』と認識している中高生のほうが、年金納付への納得度が高い。制度の信頼には教育が重要だ」と説いた。
(『ABEMA Prime』より)