社会

ABEMA NEWS

2026年9月11日 23:00

インター校に通ったら日本語ができなくなった?新設校急増の裏で生まれる言語の問題 公立校に在籍しながら通う義務教育制度との“ねじれ”も

インター校に通ったら日本語ができなくなった?新設校急増の裏で生まれる言語の問題 公立校に在籍しながら通う義務教育制度との“ねじれ”も
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 日本国内にインターナショナルスクールが急増している。ある著名人が「娘をインターナショナルスクールに通わせつつ、日本語も話せた方がいいから日本語の塾に行っている」と発言したことも物議を呼んだ。

【映像】インターナショナルスクールのメリデメ

 日本式ではない教育を受けられるメリットもある一方、母国語である日本語の習得が遅れる懸念も含み、また多くのインター校では日本国籍の子どもが通っても、保護者が就学義務を履行したことにならないという制度上の問題もある。『ABEMA Prime』では、制度的な実情や、言語習得のリアル、そして日本の公教育にはまらない子どもたちにとっての多様な選択肢としての意義について議論した。

■急増するインター校と義務教育の壁、そして“ダブルリミテッド”の懸念

インターナショナルスクールとは

 国際教育評論家でインター校を経営する村田学氏は、現状について「文科省による明確な定義はないものの、英語で授業をする保育園や幼稚園が全国で800園ほどに増え、小中高に該当するスクールも118校あり、どんどん増えている」と解説する。

 小中学校は義務教育期間にあたるが、多くのインター校は学校教育法第1条に定められた「一条校」ではない。そのため、「親は小学校に学籍を置き、実際には子どもが行きたくないということで不登校扱いにしてもらう手法がメインになっている」と説明する。

 実際に10歳の長男がインター校、4歳の次男をプリスクールに通わせる母親のエマさんは、「公立校には在籍していない。就学義務違反になるのかもしれないが、そのような形を取っている」と語る。一方で、子どもがインター校に通うことで「毎日『学校、楽しかった』と言って帰ってくる。それだけ楽しい日々を学校生活で過ごせているのは良かった」と前向きな姿勢を見せた。

 しかし、課題となるのが言語習得だ。英語、日本語の双方で年齢相応の言語能力の発達に課題を抱える、いわゆる「ダブルリミテッド」も指摘される中、エマさんは「日本語の習得は並行して自宅でずっとやっており、漢字の練習や日本語の本をひたすら読んでいる。学校では英語のみという環境と切り分け、日本語の習得にはすごく時間がかかると実感しているためかなりケアしている」と家庭での苦労を語った。

 語学習得の難しさについて、現役保育士のてぃ先生は「子どもの語彙はある程度決まっており、例えば1000のうち、バイリンガルなら英語700、日本語300という風になる。親が日本語しか話せない場合、その300の日本語を使ってコミュニケーションを取らなければならない」と指摘する。

 その上で、「日本国内において過ごす上でのルールやマナー、価値観といった日本的な文化を伝えるのが難しくなる。全部インター校に任せるのではなく、家の中で日本語を切り分けてきちんとやらないと、学習言語が身についていなければ、、問題が解けないということもある」と警鐘を鳴らした。

 日・中・英のトリリンガルであるYuna氏は自身の経験から、「家庭で話しているだけではネイティブレベルにはなれない。言語は環境依存であり、年齢を重ねるにつれて外の世界に関心がいくからだ」との考えを示す。さらに、「インター出身の子は日本語と英語をミックスして喋ることがすごく多い。それを良しとしてしまうと結局中途半端になってしまう」と述べた。

 これに対し村田氏は、「中高生になると英語で考える癖がつき、日本語で抽象的なことを表現するのが難しくなり、英語と日本語のちゃんぽんになることがある」と実情を認める。一方、社会人になって日本の社会に入ると、丁寧語や謙譲語、尊敬語などを教わり、日本語力がついてくるケースも多いと説明。ダブルリミテッドになりかけるケースでは、親が予兆に気づき、日本語の先生をつけるなどして、国語や文化的背景を含めて教えることが重要だ」と対応策を提示した。

■日本の学校教育に「はまらない」子どもたちへの選択肢

増えるインターナショナルスクール

 インター校が注目されるもう一つの背景に、日本の公教育のあり方がある。プロデューサーの若新雄純氏は、「日本の無料の公教育は、じっと机に座って真面目に勉強できる子の方が有利であり、向いている。そういう子はそれでいい」と前置きした上で、「アーティスト系の子どもなど、じっと椅子に座って勉強するよりコミュニケーション力がすごかったり、暴れ回っているうちに学ぶような教育が合う子がいる。そういう子どもたちが日本の教育に合わない時、海外のいろいろな教育の中から選ぶことができる」と、多様な選択肢としての意義を強調した。

 EXIT・兼近大樹も、「環境をどう置いてあげるかが重要で、いろいろな環境を知っておくことで、自分に合った場所を見つけられる。インター校というところが1つあってもいいし」と同調した。

 一方で、日本の学校教育が再評価されているという意見も出た。てぃ先生は「日本の学校教育が劣っているわけではなく、海外で日本式の教育プログラムを入れたいという国が増えている」と指摘。村田氏も「先進国の学習到達度調査(PISA)でも日本は上位になった」と延べ、「集団的な規律やコミュニケーションなどの人間力も日本の結果が良いことに海外が気づき始めている」と補足した。

 若新氏は「日本の学校に子どもがピッタリだった場合は『ラッキー』と思った方がいい。それに合う場合はすごい精度が高い。日本タイプの教育に全く合わなかった時に、日本とは全く違う教育方針のプログラムがあるということを知っておくくらいでいい」とまとめた。

 EXIT・りんたろー。はインター校へ見学に行った際の経験を振り返り、「普段の保育園の運動量では足りない雰囲気があって、そこに通うことで本人がすごく楽しそうにしていて、テーマパークから帰ってきたような感じがあった。やはり主語を子どもにしてあげることが大事だと思った」と語った。

 最後にエマさんは、「インター校と一口に言っても様々な学校がある。英語を学ぶのではなく、英語で色々なことを学ぶ場所であるので、いろいろな学校を見ていただくと発見があるのではないか」と呼びかけた。
(『ABEMA Prime』より)

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