社会

ABEMA NEWS

2026年9月12日 12:15

大阪市でゴミ処理が逼迫、保管場所が「満杯」の異常事態…施設維持の負担も増加 どうすればゴミは減る?求められる日本の“新方針”

大阪市でゴミ処理が逼迫、保管場所が「満杯」の異常事態…施設維持の負担も増加 どうすればゴミは減る?求められる日本の“新方針”
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 大阪市の横山英幸市長が9月、市民に向けてゴミの分別・減量への協力を呼びかけた。大阪市と周辺自治体の家庭ゴミなどを処理する大阪広域環境施設組合が、焼却処理が追いつかずゴミを貯めるスペースがほぼ満杯になっていると発表したのは7月のことだ。8月には隣接する堺市に家庭ゴミの一部処理依頼する事態にまで発展した。

【映像】施設で数メートルも積み上がるゴミの山(実際の様子)

 背景には一部処理設備の故障や整備点検の重複がある。一方で、近年のインバウンド増加や大阪・関西万博の影響により、ホテルや飲食店などから出る事業系ゴミが増えたのではないかとの見方もあった。 東京都でも最終処分場があと半世紀で満杯になるとされており、多摩地域での家庭ゴミ有料化で抑制効果が確認されたとして、23区への拡大も検討されている。『ABEMA Prime』では、大阪のゴミ焼却問題の実態と、ゴミを減らすための工夫や政策・制度のあり方について考えた。

■大阪の焼却場はなぜ逼迫したのか

各地でゴミ問題

 大阪広域環境施設組合で議長を務める自民党大阪市会議員の渕上浩美氏は、今回の事態を「異常」と表現したうえで、現状を説明する。「ゴミ処理施設がオーバーヒートしたり、工場が停止していたり、メンテナンスが重なったりした。収集車がゴミを下ろすピット(一時保管場所の貯留率)が100%以上、つまり満杯になってしまっている」。本来7つの工場があるが、鶴見工場は建て替え中で、現在稼働しているのは6工場。各工場に2基ずつある焼却炉計12基のうち、実際に動いているのは8基だという。 。

 ゴミそのものの量については、「家庭ゴミはむしろ減っている。事業系ゴミもコロナ前と比べて、ほぼ同じ水準だ。つまりゴミはさほど増えていない」と語る。2012年に橋下徹元市長の時代に焼却場を2カ所閉鎖したことの影響には、「ゴミが減ってきているという見立てのもと、ダウンサイジングしたと理解している」と説明した。

 さらに渕上氏は、この逼迫状況を知ったのは議長就任の前日だったと明かす。「担当課長から『報告事項がある』と前日に説明され、質疑は受けないと言われた。半年以上前から分かることなのに前日に言われて質疑も受けないというのはおかしい」と指摘。このため、議長就任後の7月31日に大阪広域環境施設組合の臨時議会を開催したという。「大阪市の環境局と組合とのコミュニケーション不足があった。横山市長も急遽聞かされたと聞いている」と語った。

 大阪市のゴミ減少については、現役保育士・てぃ先生も補足をする。「大阪市民の1日の家庭ゴミ量は全国平均の約466gに対し、大阪市は約344gと、すでに頑張っている状態だ」と指摘した。

■京都のゴミ事情と、浮かぶ構造的リスク

大阪市の状況

 総合地球環境学研究所副所長の浅利美鈴氏は、2012年の焼却場削減の判断について「例えば京都市でも劇的に施設を減らした。(橋下元市長の)当時の判断が間違っていたかというと、なかなか難しい」と一定の理解を示しつつ、現在のリスク増大を指摘する。「今は当時予期していなかったリスクが発生している。大規模な水害や南海トラフ地震発生時に災害廃棄物を処理できるか、またリチウムイオン電池の発火で焼却炉が何カ月も使えなくなるケースもある。そうしたリスクがトップまで伝達されていなかったのは今回学べる教訓だ」とした。

 ゴミの有料指定袋制については、京都市では大きな効果が得られたと語る。「経済的な圧力という政策は有効だ。京都市はゴミ袋の有料化だけで4割減った。他の自治体では1、2割しか減らないことが多い中、とても関西人らしい節約ぶりがよく分かる事例だ」と語る。また「京都市はコミュニティ力がまだ強く、大きい袋でゴミを出すのが恥ずかしいという市民性も出たと思う」と付け加えた。

 1990年代の処理技術の変化について話題が及ぶと、 浅利氏は「ダイオキシン問題では、小さな焼却炉で燃やすと多くのダイオキシンが出るため、解決策として一定規模以上の施設にしていった。 日本は世界に突出して焼却炉が多い国だ。今後人口が減っていけば全自治体が焼却炉を持つ状況の維持は難しくなる。ゴミ処理費用の約半分は収集運搬費で、家庭や店舗から散らばって集めて運ぶコストがかかる。施設が遠い自治体は焼却に頼れなくなる分、リサイクルの重要性も増す」と説明した。

■出演者が提案するゴミを減らす工夫と求める政策

ゴミの量

 ゴミを出さないための個人の工夫や制度設計についても、出演者それぞれが意見を述べた。

 EXIT・兼近大樹は「市民にゴミを減らしてと呼びかけても意味がない。市民はただ買ったものを捨てているだけ。企業側にゴミの出ない包装の仕方に変えてもらうなどの要求をするべきだ」と主張する。さらに「仕事で各地を回ると、場所によってはゴミを預からないところがある。するとみんなゴミを持ち帰るが、結局別の場所でゴミが増えるだけで、なくなるわけではない。日本全国で統一したゴミのルールを整備した方がいい」と訴えた。

 プロデューサー・若新雄純は、分別を一切不要にした高額のゴミ袋を設けることを提案する。「分別なしで全部燃やせるオールインワンのゴミ袋を100円や200円で売ればいい。ゴミの量を減らそうと工夫するし、家事も楽になる。意味のない分別も行われなくなる。焼却炉の老朽化で建て替えが進んでいる今、技術的には金属以外全部溶かせて煙も出ない方式もある。コストをかけてでも減らして便利にする方向の方がいいと思うが、なぜ進まないのかが疑問だ」と述べる。そのうえで「ゴミとどう向き合うかは、いろいろな考え方がある。それを超えて、政治家がどこかで気合いを入れて新しい日本のゴミ方針を示してくれないと変わらない気がする」とも語った。

 また、TikToker・YouTuberのYunaが海外生活の経験から「日本に帰ってきてカルチャーショックだったのがゴミ問題だ。分別をする国に今まで住んだことがなかった」と語った。日本では商品の包装が多い一方、街中にゴミ箱が少ないことにも驚いたといい、過剰包装への疑問を呈した。 これに浅利氏は「日本は小売店が強く、消費者とつながっているため、1人でもクレーマーがいれば過剰包装する傾向がある」と補足していた。
(『ABEMA Prime』より)

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