パパは自然が大好きなオレゴン出身のアメリカ人。日本の“田舎”に移住し、“自給自足の生活”を目指す3男4女の国際結婚大家族に密着しました。
総勢9人 国際結婚大家族
陽気なパパはオレゴン生まれ。自然を愛するアメリカ人です。
子どもは3男4女、総勢9人の国際結婚大家族。
移住したのは、高齢化が進む“ニッポンの田舎”。一体なぜ、その生活とは。
一家が暮らすのは、岩手県久慈市。「じぇじぇじぇ」でおなじみ、「北限の海女」で知られる自然豊かな土地です。
市街地から車で数十分。農村地帯を進み、築50年を超える古民家を訪ねました。
アメリカ人のパパ、エリックさん(48)と、和歌山出身のママ・あづみさん(42)です。そして、6月に生まれたばかりの末っ子・レイラちゃん(0)。
「すみませーん、お母さんじゃない。牛乳(母乳)ありませ~ん」
新たな家族が加わり、パパとママはこれまで以上に大忙し。
料理を手伝うのは、14歳の長女・ユキコさんと11歳の長男・ジョセフくん。慌ただしくも全力サポート。
8歳の次男・タイガくんは、洗濯をお手伝い…9人分ともなると大変です。
一家は、いつもにぎやか。庭で木に登るのは、7歳の次女・エミリさん。5歳の三男・カイルくんと4歳の三女・アヤナちゃんは一日中、大騒ぎするほど仲良しです。
両親と子どもは、中学2年生の長女から、小学生が3人、園児が2人、そして赤ちゃんの3男4女。そんな大家族に、長女のユキコさんは?
「騒がしいと思います。だけど一人ひとりの個性があってこその騒がしさだし、いい家族だと思います」
3年半前に移住
一家が移住したのは、3年半前。
「東北はとてもとても美しいです。退職後ここを訪れた時、まるで実家にいるようでした」
アメリカ・オレゴンの大自然で育ったエリックさん。この岩手県久慈市が、故郷・オレゴンに似ていると気に入ったそう。
来日当初は横須賀の米軍基地で働いていましたが、自然の中で家族と過ごしたいと移住を決意。
家は空き家の古民家をリフォームしました。
夫の決断に、妻は?
「元々結婚する前から田舎で暮らしたいというのは夢だったので」
なんと、あづみさんも同じことを考えていて、二つ返事でOK。子どもたちも、徐々になじんでいったといいます。
高齢化が進む町、地元の人も大歓迎です。
「若い世代がいないと活気が出ない」
「かわいい~」
「お父さんそっくりで、男前な顔になっちゃって」
目指すのは自給自足の生活
9人大家族の“ニッポンの田舎暮らし”とは。
「タイガ、起きて」
朝6時、子どもたちが向かうのは広い自宅の畑。
「あったあった。でかい」
収穫したのは、ピーマンやキュウリ、トマトなど。野菜作りのメインはママ。子どもたち総出で手伝います。
これが、きょうの朝ごはん。洗っただけで、丸かじりです。
「(Q.ピーマン生で食べるの?)当たり前でしょ?」
「朝とれた自然の冷たさと歯応え」
さらに、飼育している鶏から卵を集めます。パパ特製のスクランブルエッグに。自然の恵みをいただきます。
「きょう買ったものはゼロです」
この日かかった朝食代は0円。
中学生の長女・ユキコさんのお弁当も、野菜づくしです。
エリックさんが目指すのは、自給自足の生活だといいます。
子どもたちを見送った後…
「いってらっしゃい」
子どもたちを見送ると、エリックさんは地元の人に頼まれて、高齢の知人に代わって木を伐採します。
「真っすぐじゃなくて傾いています。ちょっと危ない」
高齢化が進む地域で、アウトドア派のエリックさんは頼りにされる存在になっています。
無償で手伝ったお礼に、木を譲ってもらいました。
雪が多いこの土地、冬に欠かせない薪ストーブに使います。
一方のあづみさんは、畑作業に掃除や洗い物など大忙しです。
さらに、下の子たちの子守りも
「かわいくしてね」
現在、会社勤めはしていない夫婦ですが、貯蓄を取り崩したり、子ども手当を活用したりしながら、やりくりしています。
食費は家族9人で月6万円
お昼前、ママは末っ子を連れてお店へ。買い物に行くのは、月に2回ほどだといいます。
「ありました。詰め放題です」
ここでのお目当ては、昆布の詰め放題です。
袋をのばし、パンパンに昆布をゲットです。
2軒をはしごします。
さすが海の町・久慈、新鮮な魚が豊富で格安。とれたてのタイも、なんと1匹200円。迷わず3つ購入です。
2軒合わせて、合計6335円。約2週間分といいますが、よく見ると海鮮は多いですが、お肉がありません。
そのワケが、家の冷凍庫にありました。
実は、移住を機に狩猟の免許を取得。罠猟で捕獲したシカやイノシシなどです。
一家では、日頃の食卓にジビエ料理も。
「ムニュムニュだね」
子どもたちはおやつの時間。庭の木から、慣れた様子で食べているのは桑の実。こちらは野イチゴ。なんともぜいたくな、自然のおやつです。
ママの夕食もできあがったようです。シカの肉はカツレツに。サクサクの衣で仕上げました。
自給自足を目指すこの生活で、食費はなんと家族9人で月6万円ほどだといいます。水道光熱費や、野菜づくりなどにかかる費用は、合わせて3万3000円ほどです。
今の生活…子どもたちは?
夫婦の出会いは、アメリカに留学中のあづみさんが参加した社交ダンスのワークショップ。お互いに一目ぼれし、その後結婚へ。共通の願い通り、次々と子宝に恵まれました。
実は、エリックさんも6人きょうだいの大家族。オレゴンの大自然の中で、家族や地域が支え合う生活でした。
「自分がオレゴンで学んだように、子どもたちには家族や地域で支え合う体験を通して、人として成長してほしいのです」
都会から一転しての、今の生活。子どもたちは、どう思っているのでしょうか。
「微妙に楽しい」
「苗植えとかは面倒くさかったけど、外で遊ぶのが前より楽しくなった」
剣舞や琴など、日本の伝統文化が大好き。高校進学も考える、長女・ユキコさんは、次のように話します。
生地から手作り…特製ピザ
夏の週末、この日は家族にとって特別な日。
「弓道、柔道、ピザ道!」
パパが自慢の料理をつくる。新しい家族、レイラちゃんの歓迎会です。
こちらのピザは、生地から手作り。
トッピングは、庭で作った野菜に…。パパが向かったのは、鶏小屋。一羽を手にします。
「この鶏(とり)は若い鶏に対して非常に攻撃的でした。飼い続けるのは適していないと思います」
パパが子どもたちに教えたいのは、命への感謝です。
「食べ物を無駄にしないように、ちゃんと感謝して食べるようにですね」
命の恵みも、大切にいただきます。
「良い肉だ」
「ちょっとずつ愛着が湧いてくるから、もっと大切に食べようって気持ちになる」
エリックさんが作った窯でじっくりと焼き上げ…特製ピザが出来上がり。
「いただきます!」
「おいしい」
「これサイコー。甘みがあっていいね」
「うまい~!」
主役はというと、おやすみ中。でも、喜んでくれたかな?さらに…。
「よっこいしょ!こっち(レイラちゃん)より重いです」
この日は、特別にシカの脚の肉も。塩コショウなどをかけて、バーベキューに…。豪快に丸かじりです。
この夏…新たな挑戦
軌道に乗り始めた大家族の田舎暮らしですが、ママには気がかりなこともあるといいます。
「やっとこっちきて落ち着いたので、あとはお金の余裕をというところですね」
どんどん成長する子どもたち。上の子たちは進学も控えます。
そんな中、家族はこの夏、新たな挑戦を始めました。
この日、地元の店の一角に、自分たちで育てた野菜などを並べます。
本格的な野菜販売への第一歩です。
大家族の迫力に、お客さんも足を止めます。
「ビーツって何?」
「赤い汁が出るから、スープにするとおいしいし、面白い」
「(ピーマン)いろんな種類があるの?」
「これが肉厚です」
一生懸命に説明する子どもたち。予想以上の売れ行きです。
自分たちが育てた野菜を喜んで買ってくれる。子どもたちは、とてもうれしそうです。
「ここまで売れるとは思ってなかった」
「キュウリもうないよ」
「うれしい」
「少しでも利益が出れば素晴らしいことですが、子どもたちがこうした経験をすることが大切なんです」
「子は宝なんで、まだまだ増やしてください」
「ちょっと、この子で限界かな」
3男4女の大家族、挑戦は続きます。
(2026年8月27日放送分より)
























