社会

ABEMA NEWS

2026年9月13日 11:30

トレカ、限定品…後を絶たない転売行為は悪なのか 肯定派「個人のモラルの範囲で稼ぐことを責められるのは心外」否定派「子どもの笑顔を奪ってまで金を得たいのか」

トレカ、限定品…後を絶たない転売行為は悪なのか 肯定派「個人のモラルの範囲で稼ぐことを責められるのは心外」否定派「子どもの笑顔を奪ってまで金を得たいのか」
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 大手回転寿司チェーン「くら寿司」と人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンで、景品をめぐる不正が発覚しキャンペーンが中止となるなど、転売をめぐるトラブルが相次いでいる。景品はフリマサイトで一時セットで数万円、中にはおよそ200万円で出品されるものまで現れ、ネット上では転売ヤーへの批判が相次いだ。7月に発売された「週刊少年ジャンプ」では、連載29周年を迎えた漫画「ONE PIECE」の限定カードが付録となり、転売目的とみられる購入が殺到し、異例の売り切れとなった。

【映像】山のように積まれた週刊少年ジャンプ…全部で100冊以上

 誰でも何でも売れるフリマアプリが普及した今、転売行為はなぜ止まらないのか。そしてそれは「悪」なのか、「まっとうな商売」なのか。『ABEMA Prime』では転売で稼ぐことの是非について議論した。

■「努力している。金もかかっている」転売当事者の本音

流通の仕組み

 番組に登場した転売ヤー・くぅさんは、不動産賃貸業で得た収入をさらに増やしたいという動機から転売を始めたと語る。週刊少年ジャンプの付録カードは定価340円で100冊以上を大量購入し、1冊あたり最高2000円で転売したといい、「利益は1冊当たりだいたい1700円だった」と明かす。また、7月発売のポケモンカードのボックスを複数店舗の抽選販売に応募して、50箱以上を入手。「5年寝かせたら1箱20万円になるのでは」と将来の売却を見込んで在庫を積み上げている。

 ファンが定価で買えなくなるという批判については、「確かにそれは正論だと思うが、僕たちも相当努力して買っている。店に並ぶだけではなく、購入履歴を作ったり、電話番号を契約したり、(購入用の)スマホをたくさん買ったりとお金もかかっている」と反論した。

 転売ビジネス歴およそ20年で物販ノウハウを教えるスクールも運営する物販総合研究所所長の船原徹雄氏は、「せどり・転売は悪ではない。自分の持っているものを売るわけだから、この行為が悪なら何も売れなくなる。ただ法律違反はダメというのが私の考え」と語る。船原氏が主に扱うのはアンティークコインやブランド品で、エルメスのブレスレットをイタリアで15万円以内で仕入れ、メルカリで35〜40万円で売るといった取引を行っているという。スクールの受講者はコロナ禍以降すごく増えており、「副業で月5万円でも10万円でも自由に使えるお金が増えたらという方が、身近なところで転売をすることが多い」と説明する。

■経営学者が指摘する転売の問題点

転売をめぐるニュース

 経営学者でやさしいビジネススクール学長の中川功一氏は、転売そのものは違法行為ではなく、企業が行う卸売と本質的に変わらないと前置きしたうえで、問題の核心は別の点にあると指摘する。「問題になるべきは買い占め行為だ。川の上流で水の流れをせき止めて、下流の人たちに『水が欲しければペットボトル1本5000円でどう』とやっているわけだから、この行動に正義はない」と述べる。

 プロデューサー・若新雄純氏は「大手アセットマネジメント会社が上がりそうな株を一気に買い占めして値段を上げ、寝かせてから顧客に売るという行為は、雑貨やおもちゃの転売と根本的に違うのか」と問いを立てた。これに対して中川氏は「株式においても仕手筋という買い占め行為は違法だ」との見方を示し、「巧妙にやられて取り締まられていない状況がある。私に言わせれば本質的にどちらも問題だ」と応じた。

 そのうえで中川氏は、法律はあくまで「しなければいけないこと・してはいけないこと」のマストとマストノットの世界であり、社会はそれより広い「すべきこと・すべきでないこと」の共通理解によって成り立っていると説く。「感情論でものを考えることはむしろ大切だ。法律の制定を待つ前に、どういう行為が社会として求められているのかを議論した方が生産的だ」と語る。さらに「お金の選び方・残し方・巡らし方という3つの倫理観が大切で、自分が何を残し、誰を潤わせ、どういう人格でありたいのかを検討する必要がある」と述べた。

■転売のモラルはどこに

良い転売・悪い転売?

 現役保育士のてぃ先生は、「(高価な)ブランドものなら勝手にすればと思うが、ポケモンのカードゲームやマクドナルドのハッピーセットのおまけのような、子どもが喜ぶために価格設定されているものを買い占めて高く売るのは、子どもの笑顔を奪ってまで得たお金で何を買いたいのかという気持ちになる」と感情論を認めたうえで批判する。

 TikToker・YouTuberのYunaはモラルの基準について、「私はお金を稼ぐうえで、自分が幸せかどうか、そして誰かを幸せにしているかどうかが基準にある。自分の子どもに『転売で稼いだお金で学校に行かせている』と言ったら情けないし恥ずかしいことだと思うから、私はやらない」と述べる。

 EXIT・兼近大樹は、食料品や住居など生活に直結するものの価格を吊り上げることには納得がいかないとしながらも、アクセサリーや時計などのヴィンテージ品については「安かったらどうせ買わないくせに、自分が手に入らない値段になった瞬間に転売ヤーを批判するのはどうか」とも指摘する。そして「転売ヤーのイメージ戦略が下手すぎて嫌われているだけで、買い占めたものを子どもたちだけに行き渡るようにする転売ヤーがいたらヒーローになれる。何かに還元していくことを考えていけば、別に問題のないことになるのでは」と語る。

 くぅさんは、コロナ禍にマスクを友人や困っている人に無料で配ったり、ゲーム機を友達に定価で売ったりしてきたと述べ、「社会貢献はしている」と主張する。船原氏は「個人の力でお金を稼ぐ一歩として転売は向いている。個人のモラルの範囲内でやることを汚い金の稼ぎ方だと責められるのは心外だ」と語る一方で、スクールの受講者が増えている背景として「物価上昇や給料が上がらない中で、今すぐできる方法でお金を稼がなければとなった時、安く買って高く売れるものがあればそれを転売しようと考えるのは当然だと思う」と説明する。

 これを受けて中川氏は、法律で規制するかどうかだけでなく、何が社会として正しい行為なのかについて共通理解を作っていく必要があると主張した。
(『ABEMA Prime』より)

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