各地に甚大な被害をもたらしている線状降水帯。今年から、2〜3時間前に知らせる「直前予測」も始まりましたが、的中率は想定を下回る3割にとどまっています。最新のスーパーコンピュータを駆使しても予測が難しい背景を取材しました。
毎秒6740兆回計算可能
8日、1時間に104.5ミリの猛烈な雨が降った名古屋市。これは130年以上の観測史上、初めてのことです。
住宅街を流れる植田川の水があふれました。この雨をもたらしたのが、午後4時28分に発生した線状降水帯です。
線状降水帯はこの1カ月だけでも1道7県で発生。各地で深刻な被害が出ています。
この線状降水帯の予測を行っているのが、東京・清瀬市にある気象庁のスーパーコンピュータです。すらりと並んでいます。機械を冷やす大きな音がしています。
おととし3月から運用が始まった500台のスーパーコンピュータは1秒間に6740兆回の計算が可能。月の電気代はおよそ3000万円です。
全国から集められた気象データをもとに、気象庁は今年5月から線状降水帯の発生の「直前予測」を発表していますが…。
「運用開始前の想定だと、線状降水帯発生の的中率が約50%。今年の実績だと現時点で約33%」
想定していた的中率には及んでいません。背景には、線状降水帯の発生メカニズムの詳細が未だ解明できていない現実があります。
予測が難しい「直前予測」
気象庁が発表している線状降水帯に関する情報は3つあります。
線状降水帯による大雨を半日程度前から予測する「半日前予測」、発生の危険が高まった時、2〜3時間前に出される「直前予測」、そして実際に発生した時に出される「発生情報」です。
ちょうど1カ月前、先月13日に発生した千葉県の豪雨。8月のほぼ1カ月分となる115ミリの猛烈な雨をわずか1時間で観測するなど、14日にかけて線状降水帯が3回発生しました。
この時も…。
千葉県で最初に線状降水帯が発生したのは13日午後5時58分。気象庁が最初に「直前予測」を出したのが1時間後でした。
さらにこの時、「半日前予測」も出ていませんでした。
“千葉豪雨”の2週間後にも…。石川県と富山県の線状降水帯でも“見逃し”は起きていました。
現状ではまだ予測が難しい「直前予測」ですが、それでも身を守る行動を取ってほしいと話します。
2030年度には、水蒸気の状況を把握できる最新技術を導入した気象衛星「ひまわり10号」が運用開始予定で、線状降水帯の予測情報の改善が期待されています。
(2026年9月13日放送分より)





