ぬいぐるみに紛失防止タグを仕込んで元交際相手の居場所を特定し、殺害した罪に問われている男。14日の初公判で、執拗(しつよう)なストーカー行為が明らかになりました。
“ストーカー殺人”初公判
「被告は別れが納得できなかった。自分自身の精神状態が普通ではないと自覚していた。被告は被害者を見つけたら、危害を加えたいと考え、被害者の知人などを通じ居場所を探した。いら立ちが増す中で『被害者と出会う前に戻って人生をリセットしたい』と考えた」
被害者はネイリストの小松本遥さん、当時31歳です。去年の大みそかの夜、水戸市の自宅アパートで殺害されました。
「どのくらい前からストーカー行為があったのか定かではないが、そういうこと(ストーカー行為など)で悩んでいたというのは聞いた。つらそうでしたね」
小松本さんを殺害したなどとして逮捕・起訴されたのが大内拓実被告(29)。過去に被害者と交際していた人物でした。
会うことを望んでいなかった被害者に、どのような方法で被告は接触したのか。検察は、被告が“宅配業者”を装って自宅に侵入したことを明らかにしました。
「被告は被害者方に到着後、段ボールを抱えて宅配業者を装い、インターホンを鳴らした。被害者が玄関ドアを開けて出てきたところで、段ボールで被害者の視界を遮り、ハンマーで殴打した」
被害者夫「妊娠判明し喜んでた」
事件が明らかになったのは、新年を迎えるおよそ5時間前でした。
「帰宅したら妻が玄関内に倒れていて、出血している」
夫が帰宅すると鍵は掛かっておらず、玄関先で被害者が倒れていたのです。
外傷は頭部に集中していて、3カ所の頭蓋骨骨折があり、顔面の皮膚も引き裂かれた状態でした。
妊娠5カ月だった被害者には、おなかの子を守ろうとしたとみられる防御創もあったということです。
「(被害者の)夫の知人から、被害者がストーカー行為に悩まされているという話は聞いたことがあった」
被害者と被告の交際期間は10カ月ほど。被告は当時、友人にも報告していたそうです。
「彼女ができたと聞いた。年上のネイリストだと。幸せそうでした。初めての彼女って感じで、うれしそうではあった」
被告は被害者から別れを切り出されましたが納得せず、被害者の居場所を探し続けていたといいます。
その方法は、多岐にわたりました。
インターネットで被害者の住所や被害者の実家を調べる、客を装い執拗に接触を試みる、同僚や共通の知人に「もう一度話せないか」などと連絡するといったものです。
事件の直前、被害者の実家には“キャンペーン当選”の商品として、ある人気キャラクターのぬいぐるみが届きます。
何も知らない被害者は、このぬいぐるみを実家から自らの自宅に持ってきました。ただ、このぬいぐるみは、実は“当選品”などではなく、被告が位置情報の分かる発信機を仕込んで、自ら届けたものでした。被告はこの方法で、被害者の居場所を特定したということです。
被害者はAIに「キャンペーン品が突然届いた、安心できるもの?」と相談していたことも分かっていますが、被害は食い止められませんでした。
「被告は被害者から接触を拒絶されたことを契機に、連日、被害者方付近をうろつき、ストーカー行為をした」
被告は、ぬいぐるみが被害者の手に渡った翌日から4日間にわたり、被害者の自宅周辺をうろついたとされています。そして事件発覚のおよそ20時間前には、駐車場に止まっていた被害者の車にも、位置情報が取得できる「紛失防止タグ」を取り付けていたということです。
法廷では、被害者の夫の心情も読み上げられました。
「妊娠が判明し、私も遥も心から喜んでいた。遥は性別も分からないのにディズニーの服を買ってきた。『男の子だと思う』と言っていた。幸せの絶頂だった」
そんな夫が第一発見者になりました。
「遥が殺されてから、後悔し続けています。仕事に出かけていたが、早く帰っていれば殺されていなかったのではないか。心臓マッサージをした時、遥の血がべったりついていました。洗っても洗っても血が落ちた気がしませんでした」
大内被告は、起訴内容を認めています。
(2026年9月14日放送分より)







