社会

ABEMA NEWS

2026年9月20日 15:00

「年収500万円でもゼロ」若者がブルーカラーを敬遠する理由…AI時代に求められる“かっこよさ”とキャリアの転換

「年収500万円でもゼロ」若者がブルーカラーを敬遠する理由…AI時代に求められる“かっこよさ”とキャリアの転換
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 Z世代への意識調査で「20代で年収500万円を目指せるブルーカラー職があった場合でも、就職先の選択肢に入らない」との回答が100%を占め、注目を集めている。深刻な人手不足とAIの進化が同時に進む中、なぜ若者はブルーカラーを敬遠し、これからのキャリアはどう変わっていくのか。『ABEMA Prime』で議論した。

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■「選択肢にすら入らない」若者と親世代の壁

「ウズウズカレッジ」代表の川畑翔太郎氏

 調査を行った「ウズウズカレッジ」代表の川畑翔太郎氏は、「アメリカでの人気やAI普及の背景から1〜2割は『選択肢に入る』と予想していたが、まさかゼロとは」と想定外の結果に驚きを口にした。

 川畑氏は、若者がブルーカラーを敬遠する要因について、いわゆる「3K(きつい、汚い、臭い)」のイメージに対し、年収500万円では割に合わないと判断されている点を挙げた。さらに、親や周囲からの視線も障壁になっているとし、「なぜ大学を出たのにその仕事やるの? と親や親戚から止められて諦める方もけっこういる」と、社会全体の心証が影響していると分析した。

 実際にブルーカラーを就職先の候補に入れていないという大学4年生の大山さんは、「高待遇であったとしても、そもそもテーブルの上にすら上がらないのが就活の現状だ」と話す。大山さんの父親は大工であり、幼少期からその姿を見てきた。「体は丈夫な方だったが、無事に家に帰ってこられるかという不安もあった。自分がその立場になった時にキャリアを描けるかと言われると、二つ返事はできない」と胸の内を明かした。

 また、コラムニストの小原ブラス氏は、過酷な環境で働く姿そのものが若者の敬遠につながっているのではないかと疑問を投げかけた。「高齢になっても暑い外で働くこと自体が嫌なはずだ。海外にはブルーカラーで一時的に稼いでリタイアするキャリアがあるが、日本は職人としてずっと続けることがすごいという感じが良くない。短期でがっぽり稼ぐ職業にすればいいのではないか」と提言した。

■AI時代がもたらす「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の逆転

大学4年生の大山さん

 これからの時代、AIの進化によって仕事のあり方はどう変わるのか。大山さんは「AI時代で自分のキャリアが見えづらい中、何か一つ武器を持ちたいと考えた」とし、文系から理系の大学院へ進学し、アカデミアで研究者を目指す考えを明かした。

 作家の古市憲寿氏は「これからの10年、20年でゲームチェンジが起こる」と予測。「AIは“パソコンの向こう側”の仕事が得意であり、会計や法律、プログラミングなどのホワイトカラー業務は代替できる。しかし、パソコンのこっち側(現実世界)の作業はまだ時間がかかるため、どうしても人間が必要になる」と見解を示した。中長期的にはホワイトカラー業界の再編が進み、結果的に現場仕事の価値が高まっていくと指摘した。

 一方で、ブルーカラーが単なる肉体労働ではないことも議論の中で明らかになった。北海道ニセコ町などで型枠工事を手がける建設会社代表の大久保一彦氏は、型枠大工の業務について「2次元の図面から3次元の建物を組み立てるために、机に座って頭の中で3次元を組み立てる作業もある。机の上でCAD(コンピューター支援設計) を使って書き込むこともあり、 だいたい机の上が1割、2割で、ずっと現場で作業しているわけではない」と説明した。

■若者に選ばれる業界へ 労働環境の改善と「かっこよさ」の発信

建設会社代表の大久保一彦氏

 若者の獲得に向け、大久保氏の会社では具体的な取り組みが進められている。この春には、6年ぶりとなる10代の新卒社員が複数入社したという。大久保氏は「求人票を出すだけでなく、YouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSを使った情報発信に注力した。また、完全週休2日制の導入や、有給休暇100%取得を目指す活動、昔は自己負担だった道具の会社支給など、制度や福利厚生を整えてきた」と明かした。

 制度の面だけでなく、業界全体の給料をどう引き上げるかも大きな論点だ。自民党の小林史明衆院議員は「見積もりの金額は上がっているが、中間の事業者が多層に入り込んでいるため、一番汗をかいている現場の人に給料が届いていない」と、業界構造そのものを変える必要性を指摘。さらに、「公共工事における物価上昇や賃上げ分の単価引き上げ」といった政策面での支援の重要性を訴えた。

 こうした過渡期において、古市氏が「大学まで行って勉強したのに、関係のないブルーカラーをやりたいかというミスマッチをどうしていくか」と問いかけると、大山さんは「生の声」を届ける重要性を挙げた。「就活イベントで登壇するのはホワイトカラーの人ばかりで、ブルーカラーの人が立つことはない。現場で働く人々の生の声ややりがいを直接学生に届けていくことで、ミスマッチはなくなっていくのではないか」と語った。

 川畑氏は、仕事のイメージについて「これまではホワイトカラーが『かっこいい』と見えていたと思うが、AIが出てきてあまりかっこよくなくなってきた」と指摘。災害時に熊本へ駆けつけた電力会社員勤務の弟の話に触れ、「僕なんかより全然かっこいい仕事をしている」と語った。その上で、ブルーカラーの仕事が持つ「かっこよさ」を若い世代に伝える重要性を訴えた。

(『ABEMA Prime』より)

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